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大阪市の高齢者支援制度ガイド|使える制度・費用・申請方法を網羅的に解説【2026年版】
投稿日/2026.04.05 更新日/2026.04.05
カテゴリー:大阪・関西エリア情報

「大阪市に住んでいるけれど、高齢者向けにどんな支援制度があるのかよくわからない」「親が大阪市に住んでいて、使える制度を調べたい」——そんなお悩みを抱えていませんか?大阪市は全国でも有数の高齢者支援制度を整備しており、介護保険サービスはもちろん、敬老パスや補聴器購入費助成、緊急通報システムなど、知らないと損をしてしまう独自の支援が数多くあります。この記事では、2026年最新の情報をもとに、大阪市の高齢者支援制度を網羅的にわかりやすく解説します。制度の内容・費用・申請方法まで、この1本で全体像がつかめます。
目次
大阪市の高齢者を取り巻く現状|全国最高の介護保険料には理由がある
大阪市の高齢者支援を理解するうえで、まず押さえておきたいのが大阪市ならではの特徴です。
大阪市の高齢化の実態
大阪市の65歳以上の高齢化率は約25%で、全国平均とほぼ同水準です。しかし、その内訳には大きな特徴があります。
| 指標 | 大阪市 | 全国平均 |
|---|---|---|
| 65歳以上の独居高齢者世帯の割合 | 45.0% | 29.6% |
| 要介護認定率 | 27.4% | 約19% |
| 市民税非課税世帯の割合 | 49.3% | ― |
| 介護保険料(月額基準額) | 9,249円 | 6,225円 |
大阪市の介護保険料は月額9,249円で全国最高額です。その背景には、独居高齢者の割合が全国平均の約1.5倍という構造的な課題があります。一人暮らしの高齢者は在宅介護の担い手が不足しやすく、介護サービスへの依存度が高まる傾向にあります。
また、区によって高齢化率に大きな差があり、西成区は約37%と市内で最も高く、一方で中央区は約14%と低い水準です。お住まいの区によって必要な支援や利用可能なサービスが異なることも知っておきましょう。
大阪市の高齢者支援制度の全体像|7つのカテゴリーで整理
大阪市が提供する高齢者向け支援制度は多岐にわたります。大きく7つのカテゴリーに整理しました。
- 介護保険サービス(訪問介護、通所介護、施設入所など)
- 在宅福祉サービス(緊急通報システム、配食サービス、介護用品給付など)
- 交通・外出支援(敬老パス、文化施設優待など)
- 住まいの支援(住宅改修費助成、見守り付住宅、生活支援ハウスなど)
- 健康・介護予防(すかいプロジェクト、介護予防ポイント、補聴器助成など)
- 認知症支援(初期集中支援チーム、認知症カフェ、見守りネットワークなど)
- 権利擁護・相談(成年後見支援センター、地域包括支援センターなど)
以下、それぞれのカテゴリーについて、制度の内容・対象者・費用・申請方法を詳しく解説していきます。
【交通・外出】敬老パス|1乗車50円で地下鉄・バスに乗れる
大阪市で最も多くの高齢者に利用されている制度の一つが敬老優待乗車証(敬老パス)です。
敬老パスの概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 大阪市に住所のある70歳以上の方 |
| 利用できる交通機関 | Osaka Metro(地下鉄・ニュートラム)、大阪シティバス |
| 運賃 | 1乗車50円 |
| 年間更新料 | 無料(2025年度から3,000円の負担金が廃止) |
| カード有効期限 | 5年間 |
申請方法
70歳の誕生日の約3か月前に、大阪市から案内書類が届きます。届いた申請書に記入し、カラー顔写真(縦4.5cm×横3.5cm)と本人確認書類を持って、お住まいの区役所で手続きをします。転入された方や未申請の方は、区の保健福祉センターで随時申請できます。
文化施設の敬老優待制度
あわせて知っておきたいのが、65歳以上の大阪市民が利用できる文化施設の無料入場制度です。大阪城天守閣、天王寺動物園、大阪市立美術館、大阪市立科学館など、市内の主要文化施設に無料で入場できます(特別展を除く)。
【在宅福祉】緊急通報システム・配食サービス・介護用品給付
一人暮らしや高齢者のみの世帯にとって、日常生活を支える在宅福祉サービスは非常に重要です。
緊急通報システム
急な体調不良や転倒時に、ボタン一つで24時間対応の受信センターにつながるシステムです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 65歳以上のひとり暮らし・高齢者のみ世帯・日中8時間以上独居の方 |
| サービス内容 | 緊急通報対応、24時間健康相談(看護師対応)、年1回の安否確認電話、駆けつけ対応 |
| 費用(非課税世帯) | 無料 |
| 費用(課税世帯) | 月額858円(税込) |
| 申請先 | 各区保健福祉センター 保健福祉課 |
非課税世帯であれば無料で利用できるため、一人暮らしの高齢者にはぜひ活用していただきたい制度です。
生活支援型食事サービス(配食サービス)
要支援・要介護認定を受けた一人暮らしの高齢者等に、栄養バランスのとれた食事を届けるサービスです。配食時に安否確認も行うため、見守り機能も兼ねています。
- 費用:1食あたり668円以内(事業者により異なる)
- 軽減措置:世帯年間総所得150万円以下の場合、1食あたり最大150円の軽減
- 申請先:配食事業者に直接電話で申し込み後、利用申請書を提出
介護用品の給付
在宅で要介護4・5の方を介護している家族に、紙おむつなどの介護用品を給付する制度です。各区保健福祉センターで申請できます。

【住まいの支援】住宅改修費助成・見守り付住宅
「自宅で安全に暮らし続けたい」という願いを支援する制度も充実しています。
住宅改修費の助成(二重の支援あり)
大阪市では、介護保険の住宅改修費支給(国制度)に加えて、大阪市独自の上乗せ助成が利用できます。
| 制度 | 上限額 | 自己負担 |
|---|---|---|
| 介護保険 住宅改修費支給(国制度) | 20万円 | 1〜3割 |
| 大阪市 高齢者住宅改修費給付事業(市独自) | 非課税世帯:30万円/その他:5万円 | 約1割 |
対象となる工事は、手すりの取り付け、段差解消、床材変更(滑り防止)、引き戸への取替え、洋式便器への取替えなどです。必ず工事前に事前申請が必要です。工事後に申請しても支給されませんのでご注意ください。
高齢者見守り付住宅(ICT活用)
市営住宅の一部には、ICT見守り機器を設置した「高齢者見守り付住宅」があります。冷蔵庫やトイレのドアにセンサーを取り付け、24時間以上開閉がない場合に異常を検知し、登録先への連絡と訪問による安否確認を行います。
【健康・介護予防】2025年スタートの新制度に注目
大阪市は全国最高の介護保険料を引き下げるため、介護予防に大きく力を入れています。2025年度から始まった新制度を中心にご紹介します。
介護予防「すかい」プロジェクト(2025年4月開始)
「すこやかに かいご予防で いい人生」をコンセプトとした大型新規事業で、予算は約4億9,400万円です。
- アスマイル(スマホアプリ)活用:歩数達成やイベント参加で電子マネーに交換可能なポイントが貯まる
- 前期高齢者向け料理教室:65〜74歳(主に男性)を対象に栄養改善を促進
- 骨粗しょう症予防事業:啓発・保健指導で骨折を予防
- 運動プログラム:筋力低下に不安のある前期高齢者向け
高齢者補聴器購入費助成(2025年4月開始)
加齢による聴力低下を放置すると、コミュニケーションの減少や認知機能の低下につながるリスクがあります。大阪市では2025年4月から、補聴器購入費の助成が始まりました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 65歳以上、両耳30dB以上70dB未満の軽度・中等度難聴者 |
| 助成額 | 上限25,000円(1人1回限り) |
| 条件 | 補聴器相談医が必要性を認めること、購入前に申請すること |
介護予防ポイント事業
65歳以上の方が社会福祉施設等でのボランティア活動を行うとポイントが貯まり、電子マネー等に交換できる制度です。社会参加と介護予防を同時に実現できます。

【認知症支援】初期集中支援チームから見守りネットワークまで
大阪市では、2024年1月に施行された認知症基本法を踏まえ、認知症の方が地域で暮らし続けるための支援体制を整備しています。
認知症初期集中支援チーム
各区1か所の地域包括支援センター(「認知症強化型包括支援センター」)に配置された専門チームです。医師と医療・介護福祉の専門職が、認知症が疑われる方の自宅を訪問し、約6か月間の集中的な支援を行います。
- 対象:在宅で生活する40歳以上の認知症(疑い含む)の方
- 支援内容:状態評価、受診勧奨、家族サポート、支援方針の検討
- 費用:無料
認知症疾患医療センター
鑑別診断や急性期治療を行う専門医療機関が市内に6施設指定されています。
| 施設名 | 種別 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 大阪市立弘済院附属病院 | 地域型 | 06-6871-8073 |
| ほくとクリニック病院 | 地域型 | 06-6554-9707 |
| 大阪公立大学医学部附属病院 | 地域型 | 06-6645-2896 |
| 松本診療所 | 連携型 | 06-6951-1848 |
| 大阪府済生会 野江病院 | 連携型 | 06-6932-0401 |
| 葛本医院 | 連携型 | 06-6719-0929 |
認知症高齢者等見守りネットワーク
認知症の方が行方不明になった場合、各区の見守り相談室から地域の協力者にメールを配信し、早期発見・保護につなげる仕組みです。事前登録しておくことで、万が一の際に迅速な対応が可能になります。
認知症カフェ
認知症の方やその家族が気軽に立ち寄り、悩みの相談や情報交換ができる場です。各区で定期的に開催されており、お近くの地域包括支援センターに問い合わせると開催場所・日程を教えてもらえます。
【見守り・安否確認】多層的な見守り体制
独居高齢者の割合が全国平均の約1.5倍という大阪市では、見守り・安否確認サービスが特に充実しています。
大阪市の見守りサービス一覧
| サービス名 | 対象者 | 内容 |
|---|---|---|
| 緊急通報システム | 65歳以上の独居等 | ボタン一つで24時間受信センターに通報 |
| 見守り相談室 | 全高齢者 | 各区の社会福祉協議会内に設置。アウトリーチ訪問・見守りネットワーク構築 |
| 独居高齢者等見守りサポーター | 75歳以上の独居世帯 | 地域住民・ボランティアによる定期個別訪問 |
| 配食サービス(安否確認付き) | 要支援・要介護の独居等 | 食事配達時に安否確認を実施 |
| ICT見守り付住宅 | 市営住宅入居者 | センサーによる24時間モニタリング |
| 認知症見守りネットワーク | 認知症の方 | 行方不明時に協力者へメール配信 |
これらのサービスは重複して利用できるものが多く、複数の見守りを組み合わせることで、より安心な生活を送ることができます。
【権利擁護・相談】困ったときの頼れる相談先
「どこに相談すればいいかわからない」という方のために、大阪市の主要な相談窓口をまとめました。
地域包括支援センター(最初の相談窓口)
高齢者の困りごとについて何でも無料で相談できる総合窓口です。大阪市内に約70か所設置されており、主任ケアマネージャー・社会福祉士・保健師の3職種がチームで対応します。
- 営業時間:月〜金 9:00〜19:00、土 9:00〜17:00
- 相談対象:介護・福祉・生活全般(高齢者本人だけでなく家族や近隣の方も可)
- 担当地域が決まっているため、お住まいの区の窓口を確認しましょう
大阪市成年後見支援センター
判断能力が低下した方の権利を守る成年後見制度の利用支援を行う機関です。身寄りのない方については、大阪市長が家庭裁判所に後見等の申立てを行い、費用を市が負担する制度もあります。
あんしんさぽーと事業(日常生活自立支援事業)
認知症などで判断能力が不十分な方に、以下のサービスを提供します。
- 福祉サービスの利用手続きの支援
- 日常的な金銭管理
- 通帳や書類等の預かりサービス
主要な相談窓口一覧
| 窓口 | 電話番号 | 対応内容 |
|---|---|---|
| 大阪市総合コールセンター | 06-4301-7285 | 市政全般の問合せ(8:00〜21:00) |
| 福祉局 地域包括ケア推進課 | 06-6208-8060 | 在宅福祉サービス全般 |
| 福祉局 認知症施策グループ | 06-6208-8051 | 認知症関連の相談 |
| 福祉局 介護保険課 | 06-6208-8033 | 介護保険制度・住宅改修 |
| 福祉局 高齢福祉課 | 06-6208-8026 | 高齢者施設情報 |

【費用】介護保険サービスの自己負担と軽減制度
介護保険サービスを利用する際の自己負担割合は、所得に応じて1割・2割・3割の3段階です。
| 合計所得金額 | 負担割合 |
|---|---|
| 220万円以上 | 3割 |
| 160万円以上220万円未満 | 2割(条件あり) |
| 160万円未満・市民税非課税 | 1割 |
利用できるサービスの限度額
| 要介護度 | 月額限度額(目安) | 1割負担の場合 |
|---|---|---|
| 要支援1 | 約50,320円 | 約5,032円 |
| 要支援2 | 約105,310円 | 約10,531円 |
| 要介護1 | 約167,650円 | 約16,765円 |
| 要介護3 | 約270,480円 | 約27,048円 |
| 要介護5 | 約362,170円 | 約36,217円 |
知っておきたい負担軽減制度
- 高額介護サービス費:1か月の自己負担額が上限を超えた場合、申請により超過分が支給されます。初回は申請が必要(2回目以降は自動振込)
- 特定入所者介護サービス費(負担限度額認定):市民税非課税世帯等は、施設の食費・居住費が大幅に軽減されます
- 社会福祉法人等による利用者負担軽減制度:一定の低所得要件を満たす方は、自己負担額の4分の1が軽減されます
これらの軽減制度は自分から申請しないと適用されないものがほとんどです。申請漏れで数万円を損しているケースも少なくありませんので、ケアマネージャーや地域包括支援センターに確認しましょう。
介護保険の申請から利用までの流れ
大阪市で介護保険サービスを利用するまでの手順を整理します。
申請の流れ(6ステップ)
- Step 1:申請 各区の保健福祉センターまたは郵送で「要介護認定申請書」を提出。本人・家族のほか、地域包括支援センターやケアマネージャーによる代行申請も可能
- Step 2:認定調査 市の委託調査員が自宅を訪問し、心身の状況を調査
- Step 3:主治医意見書 市が直接主治医に依頼(申請者の手続きは不要)
- Step 4:審査・判定 介護認定審査会による審査
- Step 5:認定通知 要支援1〜2、要介護1〜5のいずれかに認定
- Step 6:ケアプラン作成・サービス利用開始 要支援の方は地域包括支援センター、要介護の方は居宅介護支援事業所のケアマネージャーがプランを作成
申請に必要なもの
- 介護保険 要介護認定・要支援認定申請書
- 介護保険被保険者証(65歳以上の方)
- 健康保険証の写し(40〜64歳の方)
- マイナンバー確認書類
- 本人確認書類(運転免許証等)
よくある質問(FAQ)
Q1. 大阪市に住んでいない家族でも相談できますか?
はい。地域包括支援センターは、高齢者本人だけでなく家族や近隣の方からの相談も受け付けています。離れて暮らすお子さんからの電話相談も可能です。
Q2. 介護保険の申請はどのくらい時間がかかりますか?
申請から認定通知まで、通常約30日です。ただし、申請日からサービス利用は可能なので、緊急の場合はケアマネージャーに相談して暫定プランでサービスを開始できます。
Q3. 敬老パスは市外でも使えますか?
敬老パスが使えるのはOsaka Metroと大阪シティバスのみです。JRや近鉄、阪急など他の鉄道会社では利用できません。また、空港リムジンバスやUSJ行きバスも対象外です。
Q4. 身寄りがない場合、緊急時は誰が駆けつけてくれますか?
緊急通報システムでは、協力者が不在の場合や深夜でも、大阪市の委託業者が自宅に駆けつけます。身寄りがない方でも安心して利用できます。
Q5. 複数の制度を同時に利用できますか?
はい。多くの制度は併用が可能です。例えば、介護保険サービスを受けながら、緊急通報システムや配食サービスを同時に利用できます。ただし、介護保険と障害福祉サービスの併用には「介護保険優先原則」があり、一定の制限がありますので、詳しくはケアマネージャーにご相談ください。
まとめ|まずは地域包括支援センターに相談を
大阪市は独居高齢者の割合が全国平均の約1.5倍という課題を抱えながらも、それに応える形で全国トップクラスの高齢者支援制度を整備しています。敬老パスの負担金廃止、補聴器購入費助成の新設、「すかい」プロジェクトの開始など、2025年度以降も新しい制度が続々と始まっています。
しかし、これだけ制度が充実していても、知らなければ使えません。実際に、申請漏れで本来受けられるはずの軽減制度を利用していない方も多くいらっしゃいます。
「自分や家族にどの制度が使えるかわからない」という方は、まずお住まいの区の地域包括支援センターに相談してみてください。介護・福祉・生活のあらゆる相談に、専門職が無料で対応してくれます。
また、身元保証や死後事務委任、終活全般のご相談は「つながりサポート」でも承っております。大阪市の公的制度と民間サービスを組み合わせた、お一人おひとりに最適なプランをご提案いたします。まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

