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おひとりさまの遺言書完全ガイド|財産の行き先・遺贈寄付・費用・書き方を徹底解説【2026年版】

投稿日/2026.04.18 更新日/2026.04.14

カテゴリー:遺言書作成

「自分が亡くなったら、この財産はいったい誰のものになるのだろう」——身寄りのないおひとりさまにとって、これは切実な問題です。遺言書がなく法定相続人もいない場合、財産は煩雑な手続きを経て最終的に国庫に帰属します。その金額は2024年度に約1,292億円に達し、過去10年で3倍に急増しています。

しかし、遺言書を作成しておけば、お世話になった友人、長年支援してきた団体、事実婚のパートナーなど、自分が本当に財産を託したい相手に確実に届けることができます。この記事では、おひとりさまの遺言書の書き方から、財産の行き先の選択肢、費用、そして大阪の相談窓口まで、2026年の最新情報を交えて徹底的に解説します。


目次

遺言書がないとおひとりさまの財産はどうなるのか

遺言書がなく法定相続人(配偶者・子・親・兄弟姉妹・甥姪)もいない場合、財産は以下のステップで処理されます。

Step 1:相続財産清算人の選任(家庭裁判所)

利害関係人や検察官が家庭裁判所に申し立て、相続財産清算人が選任されます。申立人は数十万〜100万円程度の予納金を納める必要があります。

Step 2:相続人の捜索と債権者への公告(約10か月以上)

官報で公告を行い、相続人が名乗り出るのを待ちます。同時に債権者への請求公告も実施されます。

Step 3:特別縁故者への財産分与

内縁のパートナーや療養看護に努めた人など「特別の縁故」がある人は、家庭裁判所に申し立てることで財産の全部または一部を受け取れる可能性があります。ただし、申立期間は相続人捜索公告終了後わずか3か月以内です。

Step 4:国庫帰属

特別縁故者への分与後に残った財産、または申立てがなかった場合の全財産が国のものになります。手続き全体で1年以上かかるのが通常です。

国庫帰属額は毎年急増している

年度 国庫帰属額 備考
2013年度 約336億円 基準年
2022年度 約769億円
2023年度 約1,015億円 初めて1,000億円突破
2024年度 約1,292億円 過去最高・10年で約3倍

遺言書を1通作成しておくだけで、この状況は完全に回避できます。


おひとりさまの遺言書|財産の行き先3つの選択肢

おひとりさまが遺言書で指定できる財産の行き先は、大きく3つに分けられます。

1. 特定の人に遺贈する

友人、お世話になった介助者、事実婚パートナー、同性パートナーなど、法定相続人以外の人にも遺言書で財産を残すことができます。遺言書には「相続させる」ではなく「遺贈する」と記載します。

ただし、法定相続人以外への遺贈では、相続税が2割加算され、不動産には不動産取得税(相続の場合は非課税)がかかる点に注意が必要です。

2. 団体・機関に遺贈寄付する

NPO法人、自治体、大学、医療機関、国際機関(ユニセフ・国境なき医師団等)などに遺産を寄付する「遺贈寄付」も選択肢です。認定NPO法人や公益法人への遺贈は相続税が非課税になるメリットがあります。

遺贈寄付の認知度は年々上昇しており、70代では83.9%が「知っている」と回答(日本承継寄付協会2024年調査)。遺贈寄付の意向も全体の10%に達しています。

3. 清算型遺贈で残金を分配する

全財産を換金し、債務・費用を差し引いた残金を遺贈する方法です。不動産などの現物をそのまま渡すのが難しい場合に有効で、おひとりさまには最も推奨される形式です。

公証役場で公正証書遺言を作成するイメージ

遺言書の種類比較|おひとりさまには公正証書遺言を推奨

項目 自筆証書遺言 公正証書遺言
作成方法 全文を自書(財産目録はPC可) 公証人が作成
費用 無料(法務局保管3,900円) 数万円〜(財産額に応じた手数料)
証人 不要 2名必要
検認 必要(法務局保管は不要) 不要
無効リスク あり(方式不備の可能性) 極めて低い
保管 自宅or法務局 公証役場に原本保管

おひとりさまには公正証書遺言が最も推奨されます。理由は、公証人が関与するため方式不備で無効になるリスクがなく、公証役場に原本が保管されるため紛失・改ざんの心配もないからです。身近にチェックしてくれる家族がいないおひとりさまにこそ、専門家の関与が重要です。

費用の目安

財産3,000万円を1つの団体に遺贈する場合、公証人手数料は26,000円+遺言加算13,000円+証人費用約1〜2万円で、合計約5〜6万円。弁護士や司法書士に遺言書の原案作成から依頼する場合は、報酬10万〜30万円程度が加わります。

遺贈寄付を検討する高齢者のイメージ

自筆証書遺言保管制度|3,900円で安全に保管できる

2020年7月にスタートした「自筆証書遺言書保管制度」は、おひとりさまにとって画期的な制度です。自筆で書いた遺言書を法務局(遺言書保管所)に預けることで、紛失・改ざんのリスクをなくし、家庭裁判所での検認も不要になります。

保管制度のメリット

  • 手数料はわずか3,900円(申請時のみ・保管料無料)
  • 法務局の遺言書保管官が外形的な形式チェックを実施
  • 本人が亡くなると、あらかじめ指定した人(遺言執行者等)に法務局から通知が届く
  • 相続人は全国どこの法務局でも遺言書の内容証明書を取得できる

大阪で利用できる遺言書保管所

  • 大阪法務局(本局):大阪市中央区大手前 TEL 06-6942-1481
  • 堺支局:堺市堺区南瓦町 TEL 072-221-2756
  • 東大阪支局:東大阪市高井田元町 TEL 06-6782-5413
  • 富田林支局:富田林市甲田 TEL 0721-23-2432
  • 岸和田支局:岸和田市上野町東 TEL 072-438-6501

予約制のため、法務局の「手続案内予約サービス」から事前予約が必要です。本人が法務局に出向く必要がありますが、費用を抑えたいおひとりさまにとって非常に有効な選択肢です。

公正証書遺言の作成当日の流れ

公証役場での遺言書作成は、実際にはどのように進むのでしょうか。初めての方でも安心できるよう、当日の流れを解説します。

Step 1:公証役場に到着(所要時間:約30〜60分)

事前に予約した日時に公証役場を訪問します。本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)と印鑑証明書(発行後3か月以内)を持参します。証人2名も同席します。

Step 2:公証人が遺言内容を読み上げ

事前に打ち合わせた内容をもとに公証人が作成した遺言書を、公証人が本人と証人の前で読み上げます。内容に間違いがないか確認します。

Step 3:署名・押印

本人・証人2名・公証人がそれぞれ署名・押印して完成です。原本は公証役場に保管され、正本と謄本が本人に交付されます。

なお、病気や障がいで公証役場に出向けない場合は、公証人が自宅や病院に出張して作成することも可能です(別途日当と交通費が加算)。

遺贈寄付の方法と注意点

遺贈寄付を行う場合、「包括遺贈」と「特定遺贈」の違いを理解しておくことが極めて重要です。

項目 包括遺贈 特定遺贈
指定方法 「遺産の○%を遺贈」 「現金○万円を遺贈」
債務の承継 あり(借金も引き継ぐ) なし
受入れ団体の対応 拒否する団体が多い 受け入れやすい

遺贈寄付では「特定遺贈」が強く推奨されます。包括遺贈にすると受遺団体が債務も引き継ぐため、多くの団体が受入れを断ります。清算型遺贈であれば、全財産を換金して債務・費用を差し引いた残金を寄付するため、この問題を回避できます。

遺贈寄付の手続きの流れ

  • 寄付先の活動内容・財務状況・受入れ方針を確認する
  • 寄付先に事前に連絡し、遺贈の受入れが可能か確認する
  • 公正証書遺言で遺贈先と遺言執行者を指定する
  • 遺言書の内容を寄付先に通知しておく(任意だが推奨)
専門家と握手して安心するイメージ

遺言書作成でよくある失敗事例と対策

せっかく遺言書を書いても、次のような失敗で無効になったり、トラブルを招くケースが後を絶ちません。

失敗1:自筆証書遺言の日付を「令和6年3月吉日」と書いた

「吉日」は日付の特定ができないため、遺言書全体が無効になります。必ず「令和8年3月21日」のように年月日を正確に記載してください。

失敗2:遺贈先の団体名が不正確だった

「日本赤十字」と書くべきところを「赤十字」とだけ記載し、どの団体か特定できずにトラブルになった事例があります。正式名称・所在地を正確に記載し、受入れ可能か事前に確認しましょう。

失敗3:遺言執行者を指定しなかった

おひとりさまで相続人がいない場合、遺言執行者がいなければ家庭裁判所に選任を申し立てる必要が生じ、手続きが大幅に遅れます。遺贈先の団体が困るケースも多くあります。

失敗4:財産目録を更新しなかった

遺言作成時にあった預金口座を解約した、不動産を売却した等の変更が反映されず、「存在しない財産」を遺贈する内容になっていたケースです。2〜3年ごとに遺言書の見直しを行いましょう。

おひとりさまが遺言書を書くときの5つのポイント

  • 財産の棚卸しを先に行う:預貯金・不動産・有価証券・デジタル資産(暗号資産・電子マネー等)をすべてリストアップする
  • 「遺贈する」と正しく書く:法定相続人以外への遺言では「相続させる」ではなく「遺贈する」が正しい表現
  • 遺言執行者を必ず指定する:おひとりさまは遺言を実現してくれる相続人がいないため、専門家を指定することが不可欠
  • 付言事項で思いを伝える:法的効力はないが、遺贈の理由や感謝の気持ちを付記することで、受遺者の心に届く遺言書になる
  • 死後事務委任契約とセットで準備する:葬儀・納骨・家財処分・各種届出など、遺言書ではカバーできない手続きを委任しておく

遺言執行者の指定は「必須」

おひとりさまの遺言書では、遺言執行者の指定が事実上必須です。相続人がいなければ、遺言の内容を実現する人が誰もいないからです。

遺言執行者の報酬の目安

依頼先 報酬目安
行政書士 20〜40万円
司法書士 30〜50万円
弁護士 40〜60万円
信託銀行 60〜100万円

友人を遺言執行者に指定することも法律上は可能ですが、預金解約・不動産名義変更など専門的な手続きが多いため、弁護士・司法書士などの専門家への依頼が安心です。


よくある質問(FAQ)

Q1. おひとりさまでも遺留分を気にする必要はありますか?

兄弟姉妹には遺留分がないため、子がいないおひとりさまの場合は原則として遺留分の問題は生じません。ただし、親が存命の場合は遺留分がある(法定相続分の1/3)ので注意が必要です。

Q2. 遺言書は一度書いたら変更できませんか?

いつでも何度でも自由に変更・撤回が可能です(民法第1022条)。新しい遺言書を作成すれば、前の遺言と内容が矛盾する部分は新しい方が優先されます。財産状況や人間関係の変化に応じて、2〜3年ごとの見直しが推奨されます。

Q3. 事実婚のパートナーに全財産を遺贈できますか?

遺言書があれば可能です。ただし、相続税の2割加算(配偶者控除の適用不可)、不動産取得税の課税、登録免許税が相続の5倍(2%)になるなど、税負担が大きくなる点を理解した上で遺言を作成しましょう。

Q4. デジタル遺言(保管証書遺言)はいつから使えますか?

2026年2月に法制審議会が法務大臣に要綱を答申しました。パソコンやスマホで作成でき、マイナンバーカードの電子署名で完成する新しい方式です。民法改正後に利用開始となる見込みですが、時期は未定。確実性を求めるなら当面は公正証書遺言が安心です。


2026年最新動向|デジタル遺言と遺贈寄付マーケットの拡大

「保管証書遺言」(デジタル遺言)の実現が目前に

2026年2月、法制審議会が法務大臣に民法改正の要綱を答申しました。新設される「保管証書遺言」は、パソコンやスマートフォンで遺言書を作成し、マイナンバーカードの電子署名を付与した上で法務局に電子データとして保管する方式です。自筆の必要がなくなるため、手が不自由な方や視力が低下した方でも作成しやすくなります。施行時期は未定ですが、民法改正法案が国会に提出される見通しです。

遺贈寄付市場は右肩上がり

日本承継寄付協会の調査(2024年)によると、遺贈寄付の認知度は全世代で71.4%に達し、70代では83.9%が「知っている」と回答しています。実際に遺贈寄付の意向を持つ人は全体の10%で、特におひとりさま層で高い関心が見られます。大手寄付先では日本赤十字社、日本ユニセフ協会、国境なき医師団、あしなが育英会などが遺贈の受入体制を整備しています。

おひとりさまの終活意識の変化

2025年の国勢調査では65歳以上の単身世帯が約740万世帯に達し、高齢世帯の約3割を占めています。遺言書の作成率はまだ低いものの、法務局の自筆証書遺言保管制度の累計保管件数は制度開始から約10万件を突破し、特に70代・80代の利用が増加しています。「自分の財産は自分で決める」という意識が、社会に浸透しつつあります。

おひとりさまの「安心終活4点セット」

遺言書は終活の中核ですが、おひとりさまが本当に安心して暮らすためには、以下の4つの契約をセットで準備することが推奨されます。

契約 対象時期 内容
見守り契約 元気なうちから 定期的な安否確認・生活サポート
任意後見契約 判断能力が低下したとき 財産管理・介護契約の代理
遺言書(公正証書) 死亡時 財産の分配先を指定
死後事務委任契約 死亡後 葬儀・納骨・届出・家財処分

これら4つをセットで準備することで、「元気なとき→判断能力低下→死亡→死後」のすべてのステージがカバーされ、誰にも迷惑をかけない体制が整います。「つながりサポート」では、この4点セットの一括相談を承っています。

大阪で遺言書作成を相談できる窓口一覧

遺言書の作成に迷ったら、以下の窓口で専門家に相談できます。

窓口 内容 費用
大阪弁護士会「法律相談センター」 遺言書の内容・作成方法の相談 初回30分 5,500円
大阪司法書士会「総合相談センター」 遺言書作成・遺言執行の相談 初回無料
大阪公証人会(公証役場) 公正証書遺言の作成相談 相談無料
法テラス大阪 収入要件を満たせば無料法律相談 無料(要件あり)
各区の社会福祉協議会 権利擁護の総合相談 無料

大阪府内の公証役場一覧

  • 大阪第一公証人合同役場(北区梅田)TEL 06-6363-1707
  • 大阪第二公証人合同役場(北区梅田)TEL 06-6363-1708
  • 大阪第三公証人合同役場(北区梅田)TEL 06-6363-1709
  • 本町公証役場(中央区本町)TEL 06-6271-5238
  • 難波公証役場(中央区難波)TEL 06-6643-2871
  • 天王寺公証役場(天王寺区上本町)TEL 06-6761-7458
  • 堺公証役場(堺市堺区)TEL 072-233-2691
  • 東大阪公証役場(東大阪市)TEL 06-6725-3882
  • 枚方公証役場(枚方市)TEL 072-841-2724
  • 高槻公証役場(高槻市)TEL 072-672-3361
  • 岸和田公証役場(岸和田市)TEL 072-422-6411

いずれの公証役場も事前予約なしで相談可能です。遺言書の原案を持参すると、具体的なアドバイスを受けることができます。

Q5. ペットの世話を遺言書で指定できますか?

遺言書で「負担付遺贈」としてペットの世話を条件に財産を遺贈することが可能です。例えば「飼い猫の終生飼養を条件として、○○に金300万円を遺贈する」のように記載します。ただし、受遺者がペットの飼養義務を怠った場合の対応は難しいため、信頼できる人を選び、事前に了承を得ておくことが重要です。一般社団法人によるペット信託サービスも近年増加しています。

Q6. 遺言書と死後事務委任契約の違いは何ですか?

遺言書は「財産の処分」を指示する法的文書で、死後事務委任契約は「葬儀・納骨・家財処分・行政届出・デジタルアカウント削除」など遺言書ではカバーできない実務的な手続きを委任する契約です。おひとりさまは両方をセットで準備するのが鉄則です。「つながりサポート」では、遺言書作成と死後事務委任契約をワンストップでサポートしています。

まとめ:おひとりさまの遺言書は「財産を届けたい人に届ける」ための必須ツール

遺言書がなければ、あなたの財産は望まない形で処理される可能性があります。友人に残したい、社会に役立てたい、お世話になった人に感謝を伝えたい——そうした思いは、遺言書という形にしてはじめて確実に実現できるのです。

まずは自分の財産を棚卸しし、「誰に何を届けたいか」を考えるところから始めましょう。公正証書遺言なら費用は数万円程度、自筆証書遺言なら法務局保管制度を利用して3,900円で作成できます。

「つながりサポート」では、おひとりさまの遺言書作成から死後事務委任契約、任意後見契約まで、ワンストップでサポートしています。財産の行き先に迷っている方も、まずはお気軽にご相談ください。

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