終活コラム詳細ページ
身元保証や相続手続き、遺言書の作成支援をはじめ、
しっかりと公正証書を作り、全面支援をいたします。
親の終活をサポートするチェックリスト|子世代がやるべきこと完全ガイド【2026年版】
投稿日/2026.04.29 更新日/2026.04.30
カテゴリー:親の終活(子世代向け)

「親にそろそろ終活を始めてほしいけど、どう切り出せばいいかわからない」「何から手伝えばいいのかわからない」——子世代のそんな声はとてもよくお聞きします。終活は本人だけでなく、家族全員が関わるプロセスです。特に子世代のサポートがあると、親も安心して準備を進めることができます。
本記事では、親の終活をサポートする子世代向けに、確認すべき項目をチェックリスト形式でわかりやすく整理しました。「財産の把握」「遺言書の作成」「医療・介護の意思確認」「デジタル終活」など、優先順位の高い項目から順に解説します。親が元気なうちに、一緒に取り組んでおきたい準備のすべてをご紹介します。
目次
なぜ今、親の終活サポートが必要なのか
日本では65歳以上の約5人に1人が認知症を発症するとされており、判断能力があるうちに準備を済ませることが終活の大前提です。「まだ元気だから大丈夫」と思っているうちに、気づけば遺言書も書けない、財産も把握できないという状況になるケースが少なくありません。
また、親が亡くなった後に子世代が直面する相続手続きや各種届出は、生前に情報を整理しているかどうかで負担が大きく変わります。財産目録・遺言書・医療の意思表示書といった書類が揃っているかどうかが、その後のスムーズさを左右します。「親のため」だけでなく「家族全員のため」に、早めのサポートが重要なのです。
終活サポートに最適なタイミング
- 親が70代に入ったとき
- 定年退職・引越し・入院など生活の変化があったとき
- 兄弟姉妹が集まるお盆・お正月などの機会
- ご本人から「整理したい」と言い出したとき
いきなり「終活しよう」と切り出すのではなく、「家族が困らないように一緒に準備しておきたい」という気持ちを伝えると受け入れてもらいやすくなります。
遺言書について詳しくは、おひとりさまの遺言書完全ガイド|財産の行き先・遺贈寄付・費用・書き方を徹底解説【2026年版】もあわせてご覧ください。
親の終活サポート チェックリスト全体像
親の終活でサポートすべき内容は、大きく6つのカテゴリーに分けられます。すべてを一度に進める必要はありません。優先度の高いものから少しずつ取り組みましょう。
成年後見について詳しくは、成年後見制度の基礎知識|後見・保佐・補助3類型の違いをわかりやすく解説【2026年改正対応版】もあわせてご覧ください。
- 財産・お金の把握(預金・保険・不動産・負債)
- 遺言書の作成サポート
- 介護・医療の意思確認
- お墓・葬儀の希望確認
- デジタル終活(SNS・ネット口座・スマホ)
- 生前整理・成年後見の検討
親の年齢・健康状態別 優先して取り組むべき項目
終活サポートはすべてを一度に行う必要はありません。親の年齢や健康状態に応じて、優先度の高い項目から取り組むことが大切です。
| 状況 | 優先して取り組むべき項目 |
|---|---|
| 元気な70代(健康) | エンディングノート作成・財産一覧化・遺言書の相談 |
| 70〜80代(軽度の健康不安) | 任意後見契約・医療意思確認・デジタル終活 |
| 認知症の初期症状が見られる | 任意後見契約の締結(早急に)・口座凍結対策・遺言書の公正証書化 |
| 要介護状態・施設入居中 | 死後事務委任契約・葬儀希望の確認・身元保証の手配 |
特に注意が必要なのは、認知症が進行すると遺言書の作成・任意後見契約・各種手続きができなくなるという点です。「まだ元気だから大丈夫」という段階こそが、最も大切な準備期間です。早めに行動することが、親と子、両方の安心につながります。
死後事務委任契約について詳しくは、死後事務委任契約とは?わかりやすく解説|対象業務・費用・業者選びまでもあわせてご覧ください。

① 財産・お金の把握
相続トラブルの多くは「財産が把握できていなかった」ことが原因です。親が元気なうちに、資産と負債の全体像をリスト化しておくことが重要です。
確認すべき財産の種類
| 種類 | 確認するもの |
|---|---|
| 預貯金 | 通帳・キャッシュカード・金融機関名・口座番号 |
| 生命保険・損害保険 | 保険証券・保険会社名・受取人の確認 |
| 不動産 | 登記簿・固定資産税通知書・権利証(登記識別情報) |
| 有価証券・投資信託 | 証券会社名・口座番号・残高証明書 |
| 年金 | 年金証書・ねんきん定期便・受給額の確認 |
| 負債 | 住宅ローン残高・クレジットカード・借入金 |
財産の話題はデリケートです。「相続したいから聞く」ではなく、「家族が困らないように一緒に整理したい」という姿勢で臨みましょう。エンディングノートに記載してもらう形にすると、親も抵抗なく取り組めることが多いです。また、認知症になると口座が凍結されて家族が引き出せなくなるリスクがあるため、任意後見契約や家族信託の検討も並行して進めることをおすすめします。
財産目録の作り方
財産目録とは、親が保有する財産(プラス・マイナス両方)を一覧化したリストです。エンディングノートの「財産リスト欄」に記入してもらうと作りやすいです。以下のような情報を網羅的に記録しておきましょう。
- 金融機関名・支店名・口座種別・口座番号
- 保険会社名・証券番号・受取人の氏名
- 不動産の所在地・面積・共有者の有無
- 証券会社名・保有銘柄・口座番号
- 年金の種類・受給額(厚生年金・国民年金・企業年金等)
- 借入金・住宅ローン・連帯保証している債務
財産目録はエンディングノートの「財産欄」に記入することで、遺言書と組み合わせた活用がしやすくなります。完璧なリストを作ろうとするより、「わかっている範囲から少しずつ記録する」姿勢で進めましょう。
任意後見契約について詳しくは、任意後見契約とは?わかりやすく解説|法定後見との違い・費用・手続きの流れもあわせてご覧ください。
② 遺言書の作成サポート
遺言書は、親の意思を法的に残す最も重要な書類です。遺言書がないと、相続人全員の合意が必要な遺産分割協議が必要になり、家族間のトラブルにつながることがあります。
遺言書の種類と特徴
- 自筆証書遺言:自分で全文・日付・署名を手書き。費用はかからないが、形式不備で無効になるリスクがある
- 公正証書遺言:公証役場で公証人が作成。費用(数万円〜)はかかるが確実性が高く、最もおすすめ
- 秘密証書遺言:内容を秘密にしたまま存在のみ公証。実務ではほぼ使われない
子世代がサポートできることとして、「公証役場の手続きの説明」「専門家(行政書士・司法書士)への相談同行」「書いた遺言書の保管場所の共有」などが挙げられます。遺言書の内容(財産の分け方)は親が自由に決めることですが、プロセスのサポートは積極的に行いましょう。

③ 介護・医療の意思確認
親が認知症や重篤な疾患になったとき、どのような介護・医療を受けたいか——この意思を元気なうちに確認しておくことは、子世代にとっても非常に重要です。内閣府の調査では、65歳以上の91.1%が「延命のみを目的とした医療は望まない」と回答しており、本人の意思確認は早めに行うことが求められます。
確認しておきたい介護・医療の意思
- 延命治療(人工呼吸器・胃ろうなど)を希望するか
- 介護が必要になった場合、在宅か施設かどちらを希望するか
- 入居したい施設の種類・エリアの希望
- かかりつけ医の情報・服用中の薬の種類
- 緊急連絡先として誰を指定するか
- アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の実施
これらの意思は「事前指示書」や「エンディングノート」に記録しておくと、いざという時に医療機関や施設スタッフへの伝達がスムーズになります。また、財産管理能力が低下した場合に備えて任意後見契約の締結を検討しておくことも重要です。判断能力があるうちにしか契約できないため、早めの準備が不可欠です。
④ お墓・葬儀の希望確認
「どんな葬儀にしてほしいか」「お墓はどうしたいか」は、親が元気なうちに聞いておくと、後で家族が悩まずに済みます。近年は葬儀の形態も多様化しており、家族葬・直葬・一日葬など、費用と規模の選択肢が広がっています。
葬儀・お墓に関して確認すべき項目
- 葬儀の規模・形式の希望(一般葬・家族葬・直葬など)
- 宗旨宗派・菩提寺の有無
- お墓の場所と後継者の確認
- お墓がない場合の希望(樹木葬・納骨堂・散骨など)
- 生前に葬儀社・墓地と契約(生前契約)を行うかどうか
- 香典・弔問の希望
既存のお墓があれば管理状況を確認し、「墓じまい」が必要かどうかも含めて話し合っておきましょう。後継者がいない場合は永代供養への切り替えも選択肢のひとつです。
生前に葬儀社と相談するメリット
元気なうちに葬儀社に相談しておくことで、費用・内容・手順をあらかじめ確定できます。生前契約(互助会・葬儀前払い契約など)を利用すれば、費用を生前に分割払いで準備することも可能です。また、複数の葬儀社を比較することができ、「急いで決めなければならない」という状況での失敗を防げます。葬儀の希望(喪主・参列者の規模・宗教的なこだわりの有無など)もエンディングノートに書いてもらっておくと、後の家族の負担が大きく軽減されます。
⑤ デジタル終活のサポート
スマートフォン・パソコン・ネット銀行・SNSアカウントなどの「デジタル遺品」の整理は、近年急速に重要性が高まっています。パスワードがわからず口座にアクセスできない、SNSアカウントが削除できないといったトラブルが急増しています。
デジタル終活のチェックリスト
- スマートフォン・パソコンのパスワード・PINの記録
- ネット銀行・ネット証券の口座情報の一覧化
- サブスクリプションサービスの契約一覧(解約が必要)
- SNSアカウント(Facebook・Instagram・X等)の扱い方の指定
- メールアカウントの情報
- デジタル写真・動画など思い出データの保存方法
これらの情報は、エンディングノートや専用の「デジタルメモ」に記録し、信頼できる家族だけが確認できる安全な場所に保管しましょう。

⑥ 生前整理と成年後見の検討
生前整理とは、元気なうちに不用品を処分し、自分の持ち物を整理することです。遺族の負担を大幅に軽減できるだけでなく、親自身も身軽になって残りの人生をすっきり過ごせるというメリットがあります。子世代が手伝える形で少しずつ進めることが大切です。
また、将来的に認知症などで判断能力が低下した場合に備えて、任意後見契約を締結しておくことを強くおすすめします。任意後見制度は、元気なうちに信頼できる人(子・専門家等)を後見人として指定しておき、判断能力が衰えたときに財産管理・医療判断などを任せる仕組みです。家庭裁判所が関与する法定後見と異なり、本人が自由に後見人を指名できることが最大のメリットです。
家族信託という選択肢
任意後見契約に加えて、近年注目されているのが家族信託です。家族信託とは、財産管理を信頼できる家族(子など)に委託する契約で、認知症による口座凍結リスクを防ぎながら、親の財産を家族が管理・運用できる仕組みです。任意後見制度とは異なり家庭裁判所の監督を必要としないため、柔軟な財産管理が可能です。ただし、設計には専門家(弁護士・司法書士・行政書士)のサポートが必要なため、早めに相談しておくことをおすすめします。
話の切り出し方のコツ
終活の話をいきなり持ち出すと、「死を急かされている」と感じてしまう親も少なくありません。以下のような切り出し方が効果的です。
- 「一緒にエンディングノートを書いてみない?私も書くから」と自分も参加する姿勢を見せる
- 「お正月に家族みんなで話し合おうと思って」と特別な機会に設定する
- 「友人のお父さんが急に亡くなって大変だったと聞いて」など身近な事例を話題にする
- いきなり全部ではなく「まずエンディングノートを一冊用意しようか」と小さな一歩から始める
焦らず、親のペースを尊重しながら進めることが最も大切です。子世代が「手伝いたい」という気持ちを丁寧に伝えることで、親も安心して話し合いに応じてくれるようになります。
よくある質問(FAQ)
Q. 親が終活に乗り気でない場合はどうすればよいですか?
無理に進めようとすると関係が悪化することがあります。まずはエンディングノートをプレゼントするなど、「準備するためのきっかけ」を提供することから始めましょう。「自分もやってみた」と自分の終活を見せることも効果的です。終活はあくまで本人のペースで進めるものです。
Q. 遺言書はどのタイミングで書いてもらうのが理想ですか?
遺言書は判断能力があれば何歳でも書けますが、認知症が進行すると法的に有効な遺言書を書けなくなります。70代・判断能力がはっきりしているうちに公正証書遺言を作成しておくことが理想的です。また、遺言書の内容は何度でも書き直せるため、早めに作成しておいて定期的に見直すことをおすすめします。
Q. 親の財産を把握するために通帳を見せてもらうことはできますか?
本人の同意があれば問題ありません。ただし、財産の話題はデリケートなため、「相続のため」ではなく「万が一のときに家族が困らないように」という目的を丁寧に説明することが大切です。エンディングノートに「財産目録」として記入してもらう形にすると、親も抵抗なく協力してくれる場合が多いです。
Q. きょうだい間で役割分担はどうすればよいですか?
終活サポートをきょうだいで分担する場合は、「誰が窓口となって情報を集めるか」「誰が親と定期的にコミュニケーションを取るか」を最初に決めておくことが重要です。役割が不明確だと「やってくれると思っていた」という行き違いが生じやすくなります。定期的にきょうだいで情報共有の機会を設けると、認識のズレを防ぐことができます。
Q. 親が遠方に住んでいる場合、どうサポートすればよいですか?
遠距離の場合は、帰省のタイミングを活用して集中的に進めることが有効です。また、ビデオ通話を活用して定期的にコミュニケーションを取り、エンディングノートをデジタル形式で共有するという方法もあります。さらに、親の地元にある地域包括支援センターや社会福祉協議会に相談し、定期的な見守りや支援をお願いすることも選択肢のひとつです。
子世代が陥りやすい終活サポートの失敗パターン
親の終活をサポートする際、善意からの行動が逆効果になるケースがあります。よくある失敗パターンを知っておくことで、スムーズに進めることができます。
- 「全部任せて」と一人で抱え込む:きょうだいや専門家と分担せず一人でやろうとすると、精神的・時間的に疲弊しやすい。早めに役割分担を決めておくことが重要
- 「急いでやらないといけない」と急かす:焦りが伝わると親が防衛的になり、話し合いが進まなくなる。1〜2年かけてゆっくり進める姿勢が大切
- 親の意思より子どもの希望を優先する:「このお墓がいい」「この施設がいい」と子世代が先に決めてしまうと、親が疎外感を覚える。常に親の希望を最優先にする
- 書類の場所を共有しないまま終わらせる:遺言書・エンディングノート・保険証券などを作成しても、保管場所を家族が知らなければ意味がない。保管場所は必ず共有しておく
- 一度話して終わりにする:終活の内容は健康状態・環境の変化に伴い更新が必要。年1回程度の定期的な見直しが理想的
終活サポートは「一度やれば完了」ではなく、定期的に更新・見直しを行う継続的なプロセスです。無理なく長続きできる関わり方を見つけることが、親子双方にとって最善です。
専門家・公的窓口への相談も活用しよう
終活サポートを進める中で、専門家や公的機関の力を借りることも重要な選択肢です。子世代だけで抱え込まずに、適切な窓口を活用しましょう。
- 地域包括支援センター:介護・医療・福祉に関する相談窓口。親の健康状態や介護サービスの相談に対応
- 行政書士・司法書士:遺言書の作成・任意後見契約・家族信託の手続きをサポート
- 弁護士:相続トラブルの予防・解決、遺産分割の複雑な案件に対応
- ファイナンシャルプランナー(FP):老後資金・生命保険・年金の見直しに対応
- 終活サポート専門事業者:エンディングノートの作成支援から死後事務まで一貫してサポート
「何から相談すればいいかわからない」という場合は、まず地域包括支援センターや終活サポートの専門窓口に相談することをおすすめします。専門家が状況を整理したうえで、必要な準備をひとつひとつ案内してくれます。
まとめ:親が元気なうちに、少しずつ一緒に
親の終活サポートで大切なのは、「一度に全部やろうとしない」こと、そして「親の意思を尊重しながら進める」ことです。財産の把握・遺言書・医療の意思確認・デジタル整理——どれか一つでも今日から始めることが、将来の家族の安心につながります。
「何から手をつければいいかわからない」「専門家に相談したい」という方は、つながりサポートの無料相談をご利用ください。終活のプロが、お子様と一緒に親御さんの終活をトータルにサポートします。エンディングノートの書き方から、任意後見契約・死後事務委任まで、ご家族の状況に合わせてご提案いたします。お気軽にご連絡ください。

