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自筆証書遺言と公正証書遺言の違い|費用・手続き・どちらを選ぶべきか徹底比較【2026年版】

投稿日/2026.04.28 更新日/2026.04.30

カテゴリー:遺言書作成

「遺言書を書こうと思っているけれど、自筆で書けばいいのか、公証役場で作ればいいのか、どちらがいいのかわからない」。このような疑問を持つ方はとても多いです。

自筆証書遺言と公正証書遺言は、それぞれ特徴・費用・メリットが大きく異なります。どちらが自分に合っているかを正しく理解しないまま作成すると、遺言書が無効になったり、相続トラブルを引き起こすリスクがあります。

この記事では、2種類の遺言書の違い・費用・手続き・どちらを選ぶべきかを、2026年版として徹底比較します。


遺言書の種類は3つ|まず全体像を把握する

日本の民法では、遺言書の方式として以下の3種類が認められています。

種類 概要 実務上の推奨度
自筆証書遺言 本人が全文手書きで作成 中〜高(法務局保管制度利用時)
公正証書遺言 公証人が作成・公証役場で保管 最高
秘密証書遺言 内容を秘密にして公証役場で存在を証明 低(実務では非推奨)

実務では自筆証書遺言か公正証書遺言の2択がほとんどです。秘密証書遺言は内容が無効になるリスクが高く、実際にはほとんど利用されません。本記事では2つを中心に解説します。

遺言書について詳しくは、おひとりさまの遺言書完全ガイド|財産の行き先・遺贈寄付・費用・書き方を徹底解説【2026年版】もあわせてご覧ください。


自筆証書遺言とは|要件・メリット・デメリット

自筆証書遺言とは、遺言者が遺言書の全文を手書き(自筆)で作成する方式です。民法968条に根拠があります。

認知症について詳しくは、認知症高齢者の意思決定支援|4ステップの実務手順・場面別対応・後見制度連携まで徹底解説【2026年版】もあわせてご覧ください。

民法が定める4つの必須要件

  • 全文自筆:遺言書のすべての文章を本人が手書きすること。パソコン・ワープロで作成した本文は無効(ただし財産目録のみパソコン可)
  • 日付の記載:「◯年◯月◯日」の形式で特定できる日付を記載。「吉日」などの曖昧な表記は無効
  • 署名:遺言者本人の自筆による署名
  • 押印:認印でも可。スタンプ印は不可

自筆証書遺言のメリット・デメリット

メリット デメリット
費用がほぼかからない(作成は無料) 形式的なミスで無効になるリスクが高い
いつでも一人で書き直しができる 自宅保管の場合、紛失・改ざんのリスクがある
内容を誰にも知られず作成できる 相続開始後に家庭裁判所の検認手続が必要
証人が不要 字が読めなかったり日付ミスがあると無効に
自筆証書遺言を手書きで作成する高齢者のイラスト

無効になりやすい典型例

  • 本文の一部をパソコンで作成してしまった
  • 日付を「◯月吉日」と記載した
  • 押印を忘れた、またはスタンプ印を使った
  • 夫婦が1枚の紙に連署した(共同遺言は禁止)
  • 不動産の記載が「自宅」だけで、地番・地積が不明確
  • 認知症の状態で作成され、遺言能力を疑われる

公正証書遺言とは|作成手順・費用・メリット・デメリット

公正証書遺言は、公証役場において公証人(法務大臣任命の法律専門家)が遺言者の意思を確認しながら作成する方式です。作成した原本は公証役場に保管されます。

作成の流れ(4ステップ)

  • ステップ1:相続財産と相続人の一覧を整理し、遺言の内容をまとめる
  • ステップ2:最寄りの公証役場に連絡し、面談予約を取る
  • ステップ3:必要書類(戸籍謄本・固定資産評価証明書・通帳コピー等)を揃え、公証人が遺言公正証書案を作成
  • ステップ4:証人2名の立ち会いのもと、遺言者が口頭で内容を確認し、署名・押印して完成

証人2名の要件と欠格事由

公正証書遺言の作成には証人2名の立ち会いが必須です。以下の人は証人になれません。

  • 未成年者(18歳未満)
  • 推定相続人・受遺者およびその配偶者・直系血族
  • 公証人本人とその配偶者・4親等内の親族

家族は証人になれないため、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家に依頼するのが一般的です。

費用相場

公証人手数料は「公証人手数料令」で法定されており、相続財産の価額に応じて計算されます。

財産の価額(各相続人ごと) 基本手数料
100万円以下 5,000円
100万円超〜200万円以下 7,000円
200万円超〜500万円以下 11,000円
500万円超〜1,000万円以下 17,000円
1,000万円超〜3,000万円以下 23,000円
3,000万円超〜5,000万円以下 29,000円
5,000万円超〜1億円以下 43,000円

さらに、全体の財産が1億円以下の場合は「遺言加算」として13,000円が加算されます。合計費用の目安は最低でも約30,000〜50,000円程度から(証人費用・専門家報酬を含む)。

公正証書遺言のメリット・デメリット

メリット デメリット
形式的ミスによる無効がほぼ起きない 費用がかかる(3〜10万円程度)
原本が公証役場で保管され紛失・改ざんがない 証人2名が必要(家族は不可)
相続開始後の検認手続が不要 内容の秘密保持が難しい(証人・公証人が知る)
遺言能力の証明に強い(公証人が確認) 作成に時間がかかる(書類収集〜完成まで1〜2ヶ月)
公証役場で公証人と証人の前で遺言書を作成するシーンのイラスト

自筆証書遺言保管制度(2020年施行)で格段に安心に

2020年7月10日から、自筆証書遺言を法務局で保管してもらえる制度が始まりました。この制度を利用すると、自筆証書遺言の弱点の多くをカバーできます。

  • 費用:3,900円(1通あたり、以後の保管料は無料)
  • 形式チェック:保管申請時に法務局職員が様式要件を確認するため、形式ミスによる無効リスクが大幅に低下
  • 紛失・改ざん防止:法務局が安全に保管するため、家族による破棄・隠匿が不可能に
  • 検認不要:相続開始後に家庭裁判所の検認手続が不要になる(公正証書遺言と同等のメリット)
  • 通知機能:相続発生後に相続人が閲覧できる通知システムあり

費用の差を考えると、自筆証書遺言を書いたら必ず法務局保管制度を利用することを強くおすすめします。


自筆・公正証書・秘密証書の3種徹底比較

項目 自筆証書遺言 公正証書遺言 秘密証書遺言
作成方法 本人が全文手書き 公証人が口述筆記 本人作成(PC可)
費用 無料(保管制度:3,900円) 最低16,000円〜(専門家報酬別) 11,000円
証人 不要 2名以上必須 2名必須
無効リスク 高い(保管制度利用で低下) ほぼなし 高い
保管場所 自宅等(法務局も可) 公証役場 自宅等
検認手続 必要(保管制度利用時は不要) 不要 必要
内容の秘密性 低い 低い 高い
実務上の推奨度 中〜高 最高 低い

どちらを選ぶべき?状況別の判断基準

専門家に遺言書の種類について相談する高齢者夫婦のイラスト

公正証書遺言を選ぶべきケース

  • 相続財産が1,000万円以上ある場合(不動産・預金・有価証券など)
  • 相続人が複数いて、配分に差をつける場合(遺留分トラブル防止のため)
  • 再婚家庭で前妻の子と後妻が共存する複雑な家族構成の場合
  • 認知症・高齢による遺言能力の低下が懸念される場合(公証人による確認が証拠になる)
  • 相続手続を円滑に、検認なしで迅速に進めたい場合
  • 相続人以外(友人・福祉団体など)に財産を遺贈したい場合

自筆証書遺言(+法務局保管)を選べるケース

  • 相続財産が少なく、配分がシンプルで揉める要素がほぼない場合
  • 全財産を配偶者に相続させるなど、単純な内容の場合
  • 費用を最小限に抑えたい場合(ただし法務局保管制度の3,900円は使う)
  • 作成内容を誰にも知られずに書き直したい場合

実務家が推奨する原則

多くの専門家(弁護士・司法書士)が推奨するのは「迷ったら公正証書遺言」です。費用よりも相続トラブルのリスクを排除することの価値が大きいためです。特に不動産を含む財産がある場合や、相続人間の関係が複雑な場合は、公正証書遺言一択と言っても過言ではありません。


遺言書を作成するときの共通ポイント

方式に関わらず、遺言書作成時に共通して注意すべき点があります。

財産の記載は具体的に

  • 不動産:登記簿謄本に記載された「所在」「地番」「地積」を正確に記載(住居表示は不可)
  • 預貯金:金融機関名・支店名・口座種別・口座番号・口座名義人を明記
  • 株式・有価証券:証券会社・銘柄・株数を明記

遺留分への配慮

遺言書の内容が遺留分(配偶者・子が最低限もらえる相続分)を侵害している場合、後日「遺留分侵害額請求」を起こされるリスクがあります。配偶者と子がいる場合、遺留分は財産の1/2(子のみの場合も1/2)です。

付言事項で想いを伝える

遺言書には法的効力を持つ内容だけでなく、「付言事項」として家族への感謝や遺言の理由を記すことができます。「なぜこの配分にしたのか」を説明しておくと、相続人間の感情的な対立を和らげる効果があります。

遺言執行者の選任・職務・報酬については遺言執行者とは?選任・職務・報酬をわかりやすく解説【2026年版】もあわせてご覧ください。


よくある質問

Q. 自筆証書遺言と公正証書遺言を両方持っていても問題ないですか?

A. 問題ありません。複数の遺言書がある場合は、日付が新しいものが有効です。ただし古い遺言と矛盾する部分がある場合の解釈でトラブルになることもあるため、古い遺言を撤回する旨を新しい遺言に明記するのがベターです。

Q. 公正証書遺言の作成後に内容を変えたい場合はどうすれば?

A. 同じ方式または別の方式で新たに遺言書を作成することで変更できます。公正証書遺言を自筆証書遺言で変更することも可能です。変更箇所のみ書き換えるより、新たな遺言書を作成し直すほうが明確でトラブルになりにくいです。

Q. 公証役場には本人が行かなければなりませんか?

A. 原則は本人が出向きます。ただし入院中・体が不自由な場合は、公証人が出張して作成することも可能です(出張費用:日当1万円または2万円+交通費)。

Q. 遺言書は何歳から書けますか?

A. 民法では15歳以上から遺言書を作成できます。ただし遺言能力(自分の遺言の意味を理解できる判断力)が必要です。高齢で認知症が進んだ後では有効な遺言書を作成できなくなるため、判断能力があるうちに早めに作成することが重要です。

Q. 手書きが難しい場合、自筆証書遺言は作成できませんか?

A. 本文は必ず自筆が必要なため、書けない状態では自筆証書遺言は作成できません。その場合は公正証書遺言一択です。口頭で内容を告げられる状態であれば、公証人が文章にしてくれます。


まとめ|早めの準備が家族を守る

自筆証書遺言と公正証書遺言の違いを整理すると、「費用と手軽さ」vs「確実性と安心感」のトレードオフです。

  • 費用を抑えたい・シンプルな内容→自筆証書遺言(法務局保管制度を必ず利用)
  • 相続トラブルを確実に防ぎたい・財産規模が大きい・家族構成が複雑→公正証書遺言

どちらを選ぶにせよ、遺言書は「書いておくこと」そのものが家族への最大の贈り物です。「まだ早い」と思われているうちに着手することが、後悔しない終活の第一歩です。

遺言書のことは専門家にご相談ください

「自分にはどちらが向いているか」「どんな内容を書けばよいか」、つながりサポートでは遺言書作成のご相談を無料でお受けしています。大阪・関西エリアを中心に、公正証書遺言の作成サポート・終活全般のアドバイスを行っています。

判断能力があるうちの早期作成を、専門スタッフが親身にサポートします。まずはお気軽にご連絡ください。

終活について詳しくは、終活とは?始め方の完全ガイド【2026年版・やることリスト10選】もあわせてご覧ください。

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