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ネット銀行・証券口座のデジタル資産相続完全ガイド|手続きの流れ・アクセス情報管理・備え方【2026年版】

投稿日/2026.04.06 更新日/2026.04.07

カテゴリー:デジタル終活

「親が亡くなったけれど、ネット銀行に口座があるかどうかもわからない」「スマホの中に証券口座があるらしいが、IDもパスワードも不明」——そんな声が、相続の現場で急増しています。

現在、デジタル資産を所有している人の割合は約85%にのぼる一方、相続への備えが完了しているのはわずか15%。年間約1,200億円もの預金が休眠預金として眠り続けているのが現実です。

この記事では、ネット銀行・ネット証券の相続手続きの流れから、IDパスワードが不明な場合の対処法、生前にやるべきデジタル終活まで、必要な情報をすべて網羅します。ご自身のためにも、ご家族のためにも、ぜひ最後までお読みください。

なぜネット銀行・証券の相続は難しいのか

通常の銀行であれば、通帳や銀行印、郵便物からその存在に気づくことができます。しかしネット銀行やネット証券は、紙の通帳も届かず、郵便物もほとんど来ません。スマートフォンのアプリやウェブブラウザの奥に静かに存在しているだけです。

その結果、遺族が口座の存在に気づかないまま手続きが終わってしまうケースが後を絶ちません。主な難しさを整理すると、以下の点が挙げられます。

  • 通帳・郵便物がないため口座の存在に気づきにくい
  • 窓口がなく、手続きはすべて郵送または電話・メール対応のみ
  • IDやパスワードがわからなければ、残高確認すら難しい
  • 処理期間が2〜4週間と長め
  • 相続人がデジタルリテラシーの低い高齢者の場合、対応に戸惑うことが多い

さらにネット証券では、株式や投資信託といった金融資産に加え、FX口座のように「マイナスの財産」が含まれる場合もあります。知らないうちに損失ポジションを引き継いでしまい、追加証拠金を請求されるケースも実際に起きています。

「知らなかった」では済まされないのが相続の現実です。だからこそ、ネット銀行・証券に関する正確な知識を持っておくことが、遺族を守ることにつながります。

口座凍結の仕組みと「凍結前の引き出し」のリスク

家族が亡くなった後、銀行口座は「凍結」されます。しかし、多くの方が誤解しているのが、凍結のタイミングです。

銀行口座が凍結されるのは、「銀行が死亡を知った時点」です。行政との自動連動はなく、死亡届を出しても銀行には伝わりません。遺族から銀行に連絡して初めて手続きが始まります。

この仕組みを知った遺族の中には、「連絡する前に引き出しておこう」と考える方もいます。しかし、凍結前の引き出しは法的にグレーゾーンとされており、後日ほかの相続人から「遺産を勝手に持ち出した」と問題にされるリスクがあります。

一方で、生活費の支払いなど緊急の資金需要に対応するため、2019年の民法改正により、遺産分割が完了する前でも一定額を払い戻せる制度が整備されました。口座残高の3分の1に法定相続分を乗じた額(1金融機関あたり最大150万円)まで、単独で払い戻しを請求できます。

ネット銀行の相続手続き——完全版

ネット銀行の相続手続きは、基本的に以下の流れで進みます。手続きはすべて郵送が中心となるため、余裕をもって早めに着手することが大切です。

共通の手続きの流れ

  1. 死亡連絡:電話またはウェブフォームで銀行に連絡し、口座を凍結してもらう
  2. 相続書類キット受取:銀行から書類一式が郵送されてくる
  3. 書類の収集・郵送:必要書類を揃えて銀行に返送する
  4. 審査・振込:審査完了後、相続人の指定口座に振り込まれる(目安:2〜4週間)

主要ネット銀行の連絡先

銀行名 連絡方法 受付時間
楽天銀行 電話:0120-776-910 9:00〜17:00
PayPay銀行 相続受付フォームまたは電話 公式サイト参照
住信SBIネット銀行 郵送のみ
auじぶん銀行 フォームからオンライン申込 公式サイト参照

主な必要書類

  • 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで連続したもの)
  • 相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書
  • 被相続人の住民票(または除票)※ネット銀行特有の要件
  • 遺産分割協議書(相続人が複数の場合)
  • 相続人代表者の通帳コピー

法定相続情報一覧図を事前に取得しておくと、戸籍謄本の束を毎回提出する手間が省け、複数の金融機関への手続きをスムーズに進められます。法務局で無料で取得できます。

高齢の親と家族がネット銀行の書類を一緒に確認しているイメージ

ネット証券の相続手続きと重要な期限

ネット証券の相続は、銀行よりもさらに複雑です。株式・投資信託は「移管」という形で相続人に引き継がれます。

手続きの流れ

  1. 口座の特定(被相続人のスマホ・PCで利用中の証券会社を確認)
  2. 証券会社に死亡連絡→口座凍結
  3. 残高証明書を取得
  4. 相続人全員で遺産分割協議を行う
  5. 相続人が同じ証券会社に口座を持っていない場合は新規開設
  6. 株式・投資信託を相続人口座へ移管、または換金して振込

絶対に守りたい3つの重要期限

期限 やるべきこと
死亡から3ヶ月以内 相続放棄・限定承認の検討(FX損失等がある場合は特に注意)
死亡から4ヶ月以内 準確定申告(被相続人の所得税申告)
死亡から10ヶ月以内 相続税申告・納税

FX口座がある場合は特に注意が必要です。口座凍結の連絡が遅れると損失が膨らみ続けることがあります。被相続人がFX取引をしていた可能性がある場合は、早急に証券会社に連絡してください。

IDパスワード不明でも大丈夫!口座を探す方法

「亡くなった親のスマホはロック解除できたが、どの口座を持っているかわからない」——こうした状況に直面する遺族は少なくありません。

IDやパスワードが不明でも相続手続きは可能です。書類で相続人であることを証明できれば、金融機関は対応する義務があります。まずは口座を「探す」ことから始めましょう。

  • メール履歴を検索する:被相続人のメールボックスで「楽天銀行」「SBI証券」「Coincheck」などで検索。口座開設メールや取引明細が残っていることが多い
  • スマホのアプリを確認する:インストール済みアプリの中に金融機関アプリがないか確認。フォルダの中も忘れずに
  • ブラウザのブックマーク・履歴を確認する:PCやスマホのブラウザに金融機関サイトが登録されていないか確認
  • クレジットカード明細を確認する:証券口座への入金やサブスクの引き落とし先から利用サービスが判明することがある

2025年4月スタート「相続時口座照会」制度

2025年4月より、マイナンバーを活用した「相続時口座照会制度」がスタートしました。被相続人が保有していた全金融機関の口座情報を一括で照会できる制度です。

項目 内容
開始時期 2025年4月〜
照会方法 マイナンバー連携による一括照会
手数料 5,060円(税込)
利用可能期間 死亡後10年以内

これにより、各金融機関に個別に問い合わせる必要がなくなり、「知らなかった口座」を見落とすリスクが大幅に減少します。被相続人がマイナンバーカードを持っていた場合はぜひ活用してください。

エンディングノートにデジタル口座情報を書き記す日本人のイメージ

暗号資産(仮想通貨)の相続——特別な注意点

ネット銀行や証券とは別格の難しさを持つのが、暗号資産(仮想通貨)の相続です。

取引所と個人ウォレットで対応が大きく異なる

  • 取引所(Coincheck・bitFlyerなど)に預けている場合:戸籍謄本等の書類で相続人と証明すれば手続き可能
  • ハードウェアウォレット等で自己管理している場合:秘密鍵(シードフレーズ)がわかれば相続できますが、シードフレーズが不明な場合は永久にアクセス不可能。どれだけ書類を揃えても技術的に取り出す方法はありません

税制上の注意点

暗号資産は存在しているだけで相続税の対象になります。引き出せなくても死亡時の時価で課税されます。また売却時には所得税(最高45%)+住民税(10%)が課され、合計税率が100%を超えるケースも理論上起こりえます。2025年の税制改正で申告分離課税(一律20.315%)への移行が検討中です。

生前の最重要対策

ハードウェアウォレットで自己管理している場合は、シードフレーズ(24語の英単語)を紙に書き、金庫や貸金庫に保管し、信頼できる家族にその場所を伝えておくことが不可欠です。

生前にやるべき5つのデジタル終活

「自分が突然亡くなっても、家族が困らないように」——それがデジタル終活の本質です。今日から始められる5つのステップをご紹介します。

1. 持っている口座・サービスを書き出す

ネット銀行・証券・暗号資産・サブスクリプションサービスの一覧をエンディングノートに記載します。口座名義・金融機関名・利用メールアドレスを書き出すだけでも大きな助けになります。

2. パスワード管理を「仕組み化」する

パスワードそのものをエンディングノートに書くのはセキュリティリスクがあります。パスワード管理アプリ(1Password・Bitwarden・LastPassなど)を使い、そのアプリ名とマスターパスワードだけをエンディングノートに記載する方法が推奨されています。

3. 暗号資産のシードフレーズを安全に保管する

ハードウェアウォレットで自己管理している場合は、シードフレーズが命綱です。金庫や貸金庫に保管し、信頼できる家族にその存在と場所を伝えておきましょう。

4. サブスクの棚卸しをする

Netflix・Amazonプライムなど毎月引き落とされるサブスクは、亡くなった後も解約されなければ課金が続きます。利用サービスとクレジットカードの引き落とし先をまとめておくだけで、遺族の負担が大幅に軽減されます。

5. デジタルエンディングノートを活用する

2025年12月にNTTデータグループが「Memory Container」というデジタルエンディングノートサービスを提供開始しました。紙のノートと異なり情報の更新が容易で、アクセス制御も可能です。こうしたツールの活用も選択肢のひとつです。

放置するとどうなる?実際のトラブル事例

「後でいいか」と先延ばしにしていると、取り返しのつかないトラブルに発展することがあります。

  • FX口座の損失で相続人に追加請求:口座凍結の連絡が遅れ、損失が膨らみ続けた。相続放棄の期限(3ヶ月)も過ぎており、相続人に100万円以上の追加証拠金が請求された
  • スマホを初期化→PayPay残高が消滅:遺品整理でスマホを初期化したところ、電子マネーの残高がすべて消えてしまった
  • 仮想通貨の秘密鍵紛失→アクセス不可なのに相続税が発生:ハードウェアウォレットの秘密鍵がわからず引き出せないにもかかわらず、死亡時の時価で相続税が課税された
  • サブスクが死後も数年課金継続:誰も気づかないまま動画配信サービスが2〜3年にわたり課金され続けた
  • 管理されていないSNSが乗っ取られる:放置されたSNSアカウントが詐欺目的で乗っ取られ、フォロワーに詐欺メッセージが送られた
デジタル相続について専門家に相談する日本人のイメージ

専門家への相談と費用の目安

専門家 対応内容 費用目安
司法書士 銀行解約・戸籍収集の一括代行 10〜20万円
税理士 暗号資産評価・相続税申告 遺産総額の0.5〜1%
デジタル遺品整理業者 パスワード解除・データ復旧 3〜15万円程度

まとめ

ネット銀行・証券口座のデジタル資産相続は、通帳も窓口もない「見えない財産」を扱う、現代特有の難題です。この記事のポイントをまとめます。

  • ネット銀行・証券の相続手続きは郵送中心で2〜4週間かかる
  • IDパスワード不明でも書類があれば手続きは可能
  • 2025年4月開始の「相続時口座照会制度」(手数料5,060円)で口座の一括照会が可能に
  • 暗号資産はシードフレーズの管理が最重要課題
  • エンディングノートにはパスワード管理アプリのマスターパスワードを記載
  • FX口座の損失など「マイナスの財産」には3ヶ月以内の相続放棄検討が必要

デジタル資産の相続についてお気軽にご相談ください

つながりサポートでは、デジタル資産の相続・デジタル終活に関する無料相談を承っています。ネット銀行や証券口座の整理方法、アクセス情報の残し方など、専門スタッフが丁寧にお答えします。まずはお気軽にご相談ください。

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