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おひとりさまのための遺贈寄付ガイド|手続き・費用・税制優遇・注意点を徹底解説【2026年版】

投稿日/2026.03.28 更新日/2026.03.28

カテゴリー:おひとりさま向け情報

「自分が亡くなった後、財産はどうなるのだろう…」——おひとりさまにとって、これは切実な問題です。相続人がいない場合、遺産は最終的に国庫に納められます。その金額は2023年度に初めて1,000億円を突破し、過去10年で約3倍にまで膨れ上がりました。

しかし、遺言書を書くだけで、あなたの財産を自分が応援したい団体や活動に届けることができます。それが「遺贈寄付」です。

この記事では、おひとりさまが遺贈寄付を活用して人生の集大成としての社会貢献を実現するための方法を、手続き・費用・税制優遇・注意点まで徹底的に解説します。


目次

遺贈寄付とは?——遺言で届ける「最後の社会貢献」

遺贈寄付(いぞうきふ)とは、遺言書によって、自分の遺産の全部または一部をNPO法人・公益法人・大学・自治体などに寄付することです。民法964条に基づく「遺贈」の仕組みを利用した寄付方法で、亡くなった後に遺言の効力が発生します。

遺贈寄付の3つの方法

遺産を社会貢献に活かす方法には、主に3つのパターンがあります。

方法 仕組み タイミング
遺言による遺贈寄付 遺言書に寄付先と金額(または財産)を記載 死亡後に効力発生
相続財産からの寄付 相続人が相続した財産を団体に寄付 相続後(申告期限内)
信託による寄付 生前に信託契約を結び、死亡時に寄付 生前に契約、死亡時に執行

おひとりさまの場合、相続人がいないことが多いため、「遺言による遺贈寄付」が最も確実で一般的な方法です。


おひとりさまにこそ遺贈寄付がおすすめな5つの理由

遺贈寄付は誰でも利用できますが、特におひとりさまにとって大きな意味を持ちます。

理由1:遺言がなければ遺産は国庫へ

相続人がいない場合、遺産は「相続財産清算人」の選任手続きを経て、最終的に国庫に帰属します。2023年度の国庫帰属額は1,015億円——この金額の中には「本当はどこかに届けたかった想い」が含まれているかもしれません。

理由2:遺留分を気にしなくてよい

相続人がいないおひとりさまは、遺留分侵害額請求のリスクがありません。つまり、遺産の全額を自由に寄付先に指定できます。これは遺贈寄付において大きなメリットです。

理由3:相続税の非課税措置が使える

公益法人やNPO法人への遺贈は、相続税が非課税になる制度があります(租税特別措置法70条)。結果として、寄付額がそのまま社会貢献に活かされます。

理由4:人生の想いを形に残せる

「子どもたちの教育を支援したい」「動物保護に役立てたい」「地域の福祉に貢献したい」——遺贈寄付は、あなたの人生の価値観や想いを未来に届ける手段です。

理由5:身元保証・死後事務委任とセットで安心

遺贈寄付は単独ではなく、見守り契約・任意後見・死後事務委任と組み合わせることで、生前から死後までを一貫してカバーできます。おひとりさまの終活として最も合理的な形です。

専門家と遺贈寄付について相談している様子

遺贈寄付の種類——「特定遺贈」と「包括遺贈」の違い

遺言による遺贈には、「特定遺贈」と「包括遺贈」の2種類があります。遺贈寄付を成功させるには、この違いを理解することが非常に重要です。

項目 特定遺贈 包括遺贈
内容 「預金○○円」「○○の不動産」など特定の財産を指定 「全財産の3分の1」など割合で指定
債務の承継 債務は承継されない 債務も割合に応じて承継される
放棄の方法 いつでも放棄可能(民法986条) 3か月以内に家裁へ申述(相続放棄と同じ)
団体の受入れ ほぼ全ての団体が受入れ可能 受入れを拒否する団体が多い
おすすめ度 おすすめ 注意が必要

遺贈寄付には「特定遺贈」を選びましょう。包括遺贈の場合、受遺者(寄付先の団体)が借金を含む債務も引き継ぐリスクがあるため、多くの団体が包括遺贈を受け付けていません。

清算型遺贈という選択肢

不動産などの現物資産がある場合は、「清算型遺贈」がおすすめです。これは遺言執行者が不動産を売却し、現金化した上で寄付する方法です。

  • 遺言書に「不動産を売却し、その代金を○○法人に遺贈する」と記載
  • 遺言執行者(弁護士・司法書士など)が売却手続きを代行
  • 団体側は現金で受け取れるため、受入れがスムーズ

注意点として、不動産の清算型遺贈ではみなし譲渡所得税が発生する場合があります。相続人がいる場合は相続人に課税されるため、遺言書で税負担の取り扱いを明記しておくことが重要です。


遺贈寄付の税制優遇——知らないと損する非課税制度

遺贈寄付には複数の税制優遇措置があります。上手に活用すれば、寄付額をそのまま社会貢献に活かすことができます。

1. 相続税の非課税措置(措置法70条)

相続や遺贈で取得した財産を、相続税の申告期限(死亡から10か月以内)までに以下の団体に寄付した場合、その財産は相続税の課税対象から除外されます。

  • 国・地方公共団体
  • 公益社団法人・公益財団法人
  • 認定NPO法人(特例認定NPO法人を除く)
  • 特定の学校法人・社会福祉法人など

2. みなし譲渡所得税の非課税特例(措置法40条)

含み益のある不動産や有価証券を公益法人等に寄付した場合、通常は「みなし譲渡所得税」が課税されますが、国税庁長官の承認を受けることで非課税になります。

要件 内容
寄付先 公益法人・認定NPO法人等
公益性 公益の増進に著しく寄与する寄付であること
使途 寄付財産が公益目的事業に2年以内に直接使用されること
不当減少 寄付者やその親族の税負担を不当に減少させないこと

3. 所得税の寄付金控除

生前に寄付する場合は、所得税の寄付金控除(所得控除)または税額控除を受けられます。認定NPO法人への寄付は特に控除率が高く、節税効果があります。

遺贈寄付が社会貢献につながるイメージ

遺贈寄付の手続き——5つのステップ

遺贈寄付の手続きは、以下の5ステップで進めます。生前にしっかり準備しておくことが、確実な実行の鍵です。

Step 1:寄付先を決める

まず、自分の想いに合った寄付先を選びます。以下のポイントを参考にしてください。

  • 共感できる活動をしている団体を選ぶ(活動報告書やWebサイトを確認)
  • 遺贈寄付の受入れ実績がある団体かどうか
  • 事前に団体に連絡し、受入れの可否と条件を確認する
  • 不動産の場合は特に、現物受入れが可能かどうかを必ず確認

Step 2:遺言書を作成する

遺贈寄付には公正証書遺言を強くおすすめします。

  • 公証人が内容を確認するため、法的不備のリスクが極めて低い
  • 原本が公証役場に保管され、紛失・改ざんの心配がない
  • 死後に確実に見つけてもらえる(自筆遺言は発見されないリスクがある)

Step 3:遺言執行者を指定する

遺言の内容を確実に実行するために、遺言執行者を必ず指定しましょう。おひとりさまの場合は特に重要です。

  • 弁護士・司法書士・行政書士などの専門家を指定するのが確実
  • 寄付先の団体が遺言執行者を引き受けてくれるケースもある
  • 報酬は遺産の1〜3%程度が目安(別途固定報酬の場合もあり)

Step 4:寄付先に遺言書の写しを預ける

寄付先の団体に遺言書の写しを預けておくことで、死亡時に速やかに手続きが開始されます。日本財団遺贈寄付サポートセンターでは、遺言書の写しの受領・保管サービスを無料で提供しています。

Step 5:定期的に見直す

財産状況や寄付先の活動方針が変わることがあるため、3〜5年ごとに遺言書の内容を見直しましょう。


寄付先の選び方と主な受入れ団体

遺贈寄付は「やり直しがきかない死後の手続き」です。だからこそ、生前にしっかりと寄付先を調べ、事前に相談しておくことが大切です。

遺贈寄付を受入れている主な団体

団体名 活動分野 不動産受入れ
日本ユニセフ協会 子どもの支援(国際) 可能(条件あり)
国境なき医師団 医療・人道支援(国際) 可能(換価困難な場合を除く)
日本赤十字社 災害救護・医療・福祉 相談対応
あしなが育英会 遺児の教育支援 相談対応
各地域のコミュニティ財団 地域の課題解決 団体による
大学・研究機関 教育・研究 団体による

相談窓口の活用

「どの団体に寄付すればいいかわからない」という方は、以下の無料相談窓口を活用しましょう。

  • 日本財団 遺贈寄付サポートセンター:遺贈寄付の無料相談、遺言書作成の支援、寄付先の紹介
  • 全国レガシーギフト協会「いぞう寄付の窓口」:全国19か所の加盟団体による無料・中立的な相談窓口
  • 弁護士会の法律相談:遺言書の作成から税務まで総合的なアドバイス

遺贈寄付にかかる費用

遺贈寄付自体に手数料はかかりませんが、遺言書の作成や遺言執行に費用が発生します。

項目 費用目安 備考
公正証書遺言の公証人手数料 3〜10万円 財産額による。1億円以下は遺言加算1.3万円
弁護士・司法書士への遺言作成依頼 10〜30万円 公証人手数料は別途
遺言執行者の報酬 遺産の1〜3% または30〜50万円の固定報酬
税理士への相続税相談 5〜20万円 非課税措置の申請が必要な場合
日本財団サポートセンター相談 無料 遺言書作成の支援含む

公証人手数料の目安(財産額別)

目的の価額(遺贈する財産額) 手数料
500万円以下 13,000円
500万円超〜1,000万円以下 20,000円
1,000万円超〜3,000万円以下 26,000円
3,000万円超〜5,000万円以下 33,000円
5,000万円超〜1億円以下 49,000円

※全体の財産額が1億円以下の場合、遺言加算として13,000円が上乗せされます。

遺贈寄付の計画を立てている様子

遺贈寄付で失敗しないための6つの注意点

遺贈寄付は死後に執行されるため、「やり直し」ができません。以下の注意点を事前に押さえておきましょう。

注意点1:包括遺贈ではなく特定遺贈を選ぶ

前述のとおり、包括遺贈は債務も承継されるため、ほとんどの団体が受入れを拒否しています。必ず「特定遺贈」で寄付先と財産を指定しましょう。

注意点2:寄付先に事前に相談する

団体によっては受入れ条件が異なります。特に不動産の現物寄付は断られるケースが多いため、事前に確認が必須です。

  • 共有持分のみの不動産は原則受入れ不可
  • 農地は農地法の制約により受入れが困難
  • 換価に1年以上かかる不動産は辞退される場合あり

注意点3:遺留分に配慮する(相続人がいる場合)

おひとりさまでも、兄弟姉妹がいる場合は法定相続人となります。ただし、兄弟姉妹には遺留分がないため、全額を遺贈寄付に回すことが可能です。配偶者や子がいる場合は遺留分を考慮する必要があります。

注意点4:不動産遺贈のみなし譲渡課税に注意

法人に不動産を遺贈する場合、売却しなくても時価で譲渡があったものとみなされ、譲渡所得税が発生します。この税金は相続人が負担することになるため、遺言書で税負担の取り扱いを明記しておくことが重要です。

注意点5:遺言執行者を必ず指定する

遺言執行者がいないと、寄付が実行されないリスクがあります。専門家を遺言執行者に指定しておきましょう。

注意点6:公正証書遺言を選ぶ

自筆証書遺言は発見されない・要件不備で無効になるリスクがあります。確実に遺贈寄付を実現するなら、公正証書遺言一択です。


身元保証・死後事務委任と遺贈寄付のセット対策

おひとりさまの終活は、遺贈寄付だけでは完結しません。生前から死後までをトータルでカバーする「4点セット」が理想です。

契約・準備 目的 カバーする時期
見守り契約+身元保証 日常の安否確認、入院・施設入居時の保証人 生前(元気なうち〜)
任意後見契約 認知症になった場合の財産管理・身上監護 生前(判断能力低下後)
死後事務委任契約 葬儀・納骨・住居の片付け・各種届出 死後
遺言書(遺贈寄付) 残った財産を希望する団体に寄付 死後

これらをバラバラに依頼するよりも、一括で相談できる窓口に依頼すると、連携が取れてスムーズです。つながりサポートでは、身元保証・見守り・死後事務委任から遺言書の作成支援まで、おひとりさまの終活を包括的にサポートしています。


遺贈寄付の実績データ——広がる「想いの寄付」

遺贈寄付は年々増加傾向にあります。日本財団遺贈寄付サポートセンターの実績データを見てみましょう。

年度 遺贈寄付件数 金額
2019年度 5件 約4.3億円
2020年度 5件 約1.2億円
2022年度 9件 約3.9億円
2023年度 11件 約8.1億円
2024年度 9件 約4.3億円

また、相続財産全体の寄付件数も2009年の435件から2019年には780件へと約2倍に増加し、金額も74億円から168億円に成長しています。「人生の集大成として社会に想いを届けたい」という方が着実に増えています。


よくある質問(FAQ)

Q. 遺贈寄付に最低金額はありますか?

A. 特に決まった最低金額はありません。1万円からでも受入れている団体もあります。ただし、遺言書の作成費用(公正証書で数万円〜)がかかるため、寄付額とのバランスを考慮しましょう。

Q. 相続人(兄弟姉妹)がいますが、全額を遺贈寄付にできますか?

A. 兄弟姉妹には遺留分がないため、全額を遺贈寄付にすることは法的に可能です。ただし、トラブル防止のために遺言書の付言事項でその想いを伝えておくことをおすすめします。

Q. 遺言書を書いた後に気が変わったら、寄付をやめられますか?

A. 遺言書はいつでも書き直し・撤回が可能です。新しい遺言書を作成すれば、古い遺言書の内容は変更されます。気が変わっても問題ありません。

Q. 寄付先の団体が将来なくなってしまったら?

A. 寄付先が存在しなくなった場合、その部分の遺贈は効力を失います。予防策として、「○○法人が存在しない場合は△△法人に遺贈する」という予備的遺贈を遺言書に記載しておくのが賢明です。


まとめ|遺贈寄付で「人生の想い」を未来へ届けましょう

おひとりさまにとって、遺贈寄付は単なる「財産処分」ではありません。あなたの人生の価値観・想い・感謝を、未来の社会に届ける最後のメッセージです。

まずは以下の3つから始めてみましょう。

  • 自分の財産を棚卸しする(預貯金・不動産・保険をリストアップ)
  • 応援したい分野・団体を探す(「いぞう寄付の窓口」で無料相談可能)
  • 専門家に遺言書の作成を相談する(公正証書遺言がおすすめ)

つながりサポートでは、おひとりさまの遺贈寄付を含む終活を総合的にサポートしています。身元保証・見守り・死後事務委任・遺言書作成支援まで、お一人おひとりの状況に合わせた最適なプランをご提案いたします。

「自分の遺産をどうしたいか」——まずはお気軽に無料相談からお問い合わせください。あなたの想いを、確実に届けるお手伝いをいたします。

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