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親の財産を把握する方法|聞き出し方・調査手段・財産目録の作り方を徹底解説【2026年最新版】

投稿日/2026.03.15 更新日/2026.03.18

カテゴリー:親の終活(子世代向け)

「親が元気なうちに財産のことを聞いておきたいけれど、どう切り出せばいいかわからない」——そんな悩みを抱える40〜60代の方は少なくありません。実際、ある調査では40〜60代の約67%が「親の財産をほとんど把握していない」と回答しています。しかし、財産の全容を知らないまま親が認知症になったり、突然の相続が発生すると、口座凍結・遺産分割トラブル・相続税の申告漏れなど深刻な問題に直面することになります。

この記事では、親の財産を把握する必要性から、具体的な聞き出し方のコツ、財産の種類別の調査方法、財産目録の作り方、2026年に始まった新制度まで、実践的な手順をわかりやすく解説します。


目次

なぜ今、親の財産を把握すべきなのか|3つのリスク

「まだ元気だから大丈夫」と先延ばしにしがちですが、親の財産を把握していないと以下のような深刻なリスクがあります。

リスク① 認知症による口座凍結

2025年時点で、高齢者の約5人に1人が認知症と推計されています。銀行は口座名義人の判断能力低下を認識すると、本人保護のために口座を凍結します。凍結されると、預金の引き出し・不動産の売却・保険の解約が一切できなくなります。

銀行に「バレる」きっかけは意外と多く、窓口での会話が噛み合わない、ATMでの暗証番号の連続間違い、家族が代理を申し出た際の説明などが引き金になります。凍結後の対処は法定後見制度の利用のみで、手続きに数か月かかるうえ、親族が後見人に選任される確率は2割弱にとどまります。

リスク② 相続トラブルの発生

親の財産の全容がわからないまま相続が発生すると、遺産分割協議が難航します。特にきょうだい間で「隠し財産があるのではないか」「生前贈与を受けていたのではないか」といった疑心暗鬼が生まれやすく、家庭裁判所への調停・審判に発展するケースも珍しくありません。

リスク③ 相続放棄の判断ができない

親に借金や連帯保証がある場合、相続の開始を知った日から3か月以内に相続放棄の手続きが必要です。負債の全容がわからなければ判断が遅れ、多額の借金を相続してしまう可能性があります。

親の財産把握に必要な書類一覧のイメージ

把握すべき親の財産|8つのカテゴリー

親の財産は預貯金だけではありません。以下の8つのカテゴリーを網羅的に確認することが重要です。

カテゴリー 確認すべき項目
預貯金 銀行・信金・ゆうちょ・ネット銀行の口座、定期預金
不動産 自宅の土地・建物、投資用物件、農地・山林、共有名義
有価証券 株式(上場・未上場)、投資信託、国債・社債
保険 生命保険、医療保険、個人年金保険、火災保険
年金 公的年金(種類・受給額)、企業年金、個人年金
借金・負債 住宅ローン、カードローン、連帯保証、未払い税金
デジタル資産 ネット銀行・ネット証券、暗号資産、電子マネー、ポイント
その他 自動車、貴金属・骨董品、ゴルフ会員権、貸金庫

見落としやすいのが「マイナスの財産」です。住宅ローンの残債だけでなく、連帯保証債務や未払いの税金も相続の対象になります。


親に財産の話を切り出すコツ|5つの実践テクニック

「お金のことを聞くのは気が引ける」という方がほとんどでしょう。親の側も「財産を狙っているのか」と警戒しがちです。以下の5つのテクニックを活用すれば、自然な流れで話を進められます。

テクニック① ニュースや身近な話題をきっかけにする

「テレビで認知症による口座凍結の特集を見たんだけど、うちは大丈夫かな?」「知り合いのお父さんが急に入院して、家族が困ったらしくて…」など、第三者の事例を話題にすると、自然に財産の話題に入れます。

テクニック② エンディングノートをプレゼントする

誕生日や敬老の日にエンディングノートを贈るのも効果的です。法務省や日本司法書士会連合会が無料テンプレートを公開しているので、印刷して「一緒に書いてみない?」と誘えます。

テクニック③ 自分が先に書いて見せる

「自分もエンディングノートを書いてみたんだけど」と、自分の記入済みノートを見せることで、親の心理的ハードルが一気に下がります。「こんな項目があるんだね」と親が興味を持つきっかけにもなります。

テクニック④ 「親のため」という姿勢を明確にする

「相続が心配」ではなく、「お父さん・お母さんの希望通りにするために、元気なうちに整理しておきたい」というポジティブな理由付けが大切です。「何かあったときに困らないようにしたい」という子どもの気持ちを率直に伝えましょう。

テクニック⑤ 専門家を交えて話す

家族だけだと感情的になりがちな場合は、FPや司法書士などの第三者(専門家)を交えると効果的です。「無料相談会があるから一緒に行ってみない?」と誘えば、親も「客観的に必要な手続き」として受け入れやすくなります。

親子でエンディングノートを一緒に書くイメージ

財産の種類別|具体的な調査方法と費用

親から聞き出せた情報をもとに、以下の公的制度や照会手段を使って正確に財産を把握しましょう。

不動産の調査方法

名寄帳(なよせちょう)を取得する

名寄帳は、市区町村が保有する固定資産課税台帳を所有者別にまとめた一覧です。固定資産税が非課税の不動産(私道・墓地など)も記載されるため、課税明細書だけでは見落とす不動産を発見できます。

  • 取得場所:市区町村役場の資産税課
  • 費用:1通あたり200〜400円
  • 注意点:市区町村ごとの発行なので、他の自治体にも不動産がある場合はそれぞれに請求が必要

【2026年新制度】所有不動産記録証明制度を活用する

2026年2月2日に施行された新制度です。法務局で請求すると、特定の人が全国に所有するすべての不動産を一覧で確認できます。

  • 手数料:1通1,600円
  • メリット:全国の不動産を一括確認でき、名寄帳のように各自治体に個別請求する手間が不要
  • 注意点:登記簿上の氏名・住所で検索するため、住所変更が未登記の場合は漏れる可能性あり

不動産登記簿謄本を取得する

所有者や抵当権などの権利関係を確認する書類です。

取得方法 手数料 所要期間
法務局窓口 600円/通 即日
オンライン請求(窓口受取) 480円/通 最短即日
オンライン請求(郵送受取) 500円/通 約1週間

預貯金の調査方法

  • 通帳・キャッシュカードの確認:自宅にある通帳を探す。取引履歴から保険料の引き落としや配当金の入金など、他の資産の手がかりが得られる
  • 全店照会:同一金融機関の全支店について口座の有無を一括照会する制度。相続人であることを証明する戸籍謄本等が必要
  • 残高証明書:手数料は金融機関により440〜880円程度。相続税申告に必要

有価証券の調査方法

どの証券会社に口座があるかわからない場合は、証券保管振替機構(ほふり)への開示請求が有効です。2024年には利用件数が過去10年で10倍に急増しています。開示結果をもとに、各証券会社に個別に残高を確認します。

保険契約の調査方法

生命保険契約照会制度を利用すると、加入している保険会社を一括で確認できます。

  • 運営:一般社団法人生命保険協会
  • 費用:WEB申請3,000円(2026年3月まで)→ 2026年4月以降は6,000円に値上げ
  • 回答期間:約14営業日(約3週間)
  • 注意:わかるのは「保険契約の有無」と「保険会社名」のみ。詳細は各社に問い合わせが必要

借金・負債の調査方法|3つの信用情報機関

親の負債を調べるには、以下の3つの信用情報機関すべてに開示請求するのが確実です。

機関 主な対象 オンライン費用
CIC クレジットカード・携帯分割払い 500円
JICC 消費者金融・貸金業者 1,000円
KSC 銀行ローン・住宅ローン 1,000円

3機関すべてにオンライン請求しても合計2,500円です。ただし、個人間の貸し借りや税金の滞納は信用情報に載らないため、郵便物(督促状など)の確認も必要です。

デジタル資産の調査方法

  • スマートフォン・PCにインストールされている金融系アプリを確認
  • メールの受信履歴から金融機関の通知を検索
  • クレジットカード明細からサブスクリプション契約を特定
  • 確定申告書の「雑所得」に暗号資産の記載がないか確認

デジタル資産は通帳や証書が存在しないため、生前にID・パスワードをエンディングノートに記録してもらうことが最も確実な対策です。


財産目録の作り方|テンプレートと記載例

調査した財産は「財産目録」としてリスト化しましょう。遺産分割協議や相続税申告の際に不可欠な資料になります。

財産目録に記載する項目

財産区分 記載項目
預貯金 金融機関名・支店名・口座種別・口座番号・残高・管理状況
土地 所在・地番・地目・地積・固定資産税評価額
建物 所在・家屋番号・構造・床面積・固定資産税評価額
有価証券 証券会社名・銘柄・数量・評価額・評価日
保険 保険会社名・証券番号・契約者・受取人・保険金額
負債 債権者名・借入残高・月々の返済額・返済期限

無料テンプレートの入手先

  • 裁判所HP:財産目録の記載例と書式を公開
  • 税理士法人チェスター:Excel形式の無料テンプレート(記載例付き)
  • デイライト法律事務所:ダウンロード可能な無料書式を提供

評価額は「いつ時点の評価か」を必ず明記し、年1回程度の見直しを行いましょう。


専門家に依頼する場合の費用相場

「自分で調べるのは難しい」「きょうだい間で揉めそう」という場合は、専門家への依頼を検討しましょう。

専門家 費用相場 得意分野
弁護士 10万〜30万円 紛争・調停対応、弁護士会照会(23条照会)
司法書士 10万〜30万円 不動産の相続登記、名義変更
行政書士 数万円程度 書類作成(最もコストを抑えられる)
税理士 財産額の0.5〜1.0% 相続税の申告・節税対策
FP 5,000〜1万円/時間 財産全体の「見える化」・生前対策

不動産がある場合は司法書士、相続人間の争いがある場合は弁護士、相続税申告が必要な場合は税理士が最適です。まずは無料相談を利用して、自分のケースに合った専門家を見つけましょう。

専門家に財産の相談をする親子のイメージ

親の財産把握チェックリスト|9ステップで完了

以下のステップに沿って進めれば、漏れなく親の財産を把握できます。

ステップ やること 目安費用
1 エンディングノートを渡し、一緒に記入する 無料〜数百円
2 名寄帳で不動産を網羅的に確認する 200〜400円/通
3 所有不動産記録証明制度で全国の不動産を確認する 1,600円/通
4 不動産登記簿謄本で権利関係を確認する 480〜600円/通
5 各金融機関で残高証明書を取得する 440〜880円/通
6 生命保険契約照会制度で保険を確認する 3,000〜6,000円
7 信用情報機関(CIC・JICC・KSC)で負債を調査する 合計2,500〜3,000円
8 デジタル資産をスマホ・PC・メールから確認する 無料
9 財産目録を作成して全体像を整理する 無料

すべて自分で行った場合、合計1万円以内で網羅的な財産調査が可能です。


知っておきたい最新の法改正|2024〜2026年

親の財産把握に関連する重要な法改正が続いています。

相続登記の義務化(2024年4月施行)

不動産を相続した場合、3年以内に相続登記をしなければなりません。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料が科されます。過去の相続で未登記のものも対象で、2027年3月末が実質的な期限です。

贈与税・相続税の改正(2024年1月〜)

  • 相続税の対象となる贈与が「亡くなる前3年以内」→「7年以内」に拡大
  • 相続時精算課税に年110万円の基礎控除が新設

住所等変更登記の義務化(2026年4月施行)

不動産所有者は氏名・住所変更から2年以内に変更登記が必要です。違反した場合は5万円以下の過料となります。

成年後見制度の大改正(2026年予定)

「終わらない制度」として批判されてきた成年後見制度が大きく見直されます。

  • 必要な期間だけ利用できる仕組みへ変更
  • 後見人の変更を容易にする制度の導入
  • 報酬の透明化

よくある質問(FAQ)

Q. 親が財産のことを教えてくれません。どうすればいいですか?

A. 焦らず、まずは定期的な連絡で信頼関係を築くことから始めましょう。最低限「取引している銀行と支店名」「年金受給額」「保険の加入状況」の3つだけでも確認できると、万が一の際に大きな助けになります。ニュースや知人の話をきっかけにするのも有効です。

Q. 親の財産は本人の同意なく調べられますか?

A. 親の生前は原則として本人の同意が必要です。ただし、親が亡くなった後は相続人として各金融機関・法務局・信用情報機関に照会が可能です。だからこそ、元気なうちに話し合っておくことが大切です。

Q. エンディングノートと遺言書の違いは何ですか?

A. エンディングノートは法的拘束力がなく、自由に書ける「覚書」です。一方、遺言書は厳格な形式要件があり、財産の分配を法的に指定できます。まずはエンディングノートで財産を整理し、その後遺言書を作成するのが理想的な流れです。

Q. 親が認知症になる前にしておくべきことは?

A. 最も重要なのは「財産の全容を把握しておくこと」です。そのうえで、代理人届出(銀行での代理引出し)任意後見契約家族信託などの事前対策を検討しましょう。いずれも親の判断能力があるうちにしか手続きできません。

Q. きょうだいがいる場合、財産の情報はどう共有すべきですか?

A. 財産目録を作成し、きょうだい全員で共有することをおすすめします。特定のきょうだいだけが情報を持っていると、後で「隠し事があったのでは」と疑われるリスクがあります。家族会議を開いてオープンに情報共有するのが理想です。


まとめ|親が元気なうちに「最初の一歩」を

親の財産を把握することは、「親の財産を狙う」ことではなく、親の希望を尊重し、家族全員が困らないための備えです。認知症や突然の相続で手遅れにならないよう、以下の3ステップから始めてみてください。

  • まず話す:ニュースや知人の話をきっかけに、さりげなく切り出す
  • 一緒に書く:エンディングノートを一緒に記入し、財産の全体像を整理する
  • 専門家に相談する:必要に応じてFPや司法書士の無料相談を活用する

つながりサポートでは、おひとりさまやご家族の終活全般について無料相談を承っています。「親の財産のことが心配だけど、何から始めればいいかわからない」という方も、お気軽にご相談ください。経験豊富なスタッフが、お一人おひとりの状況に合わせた最適なアドバイスをいたします。

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