終活コラム詳細ページ

身元保証や相続手続き、遺言書の作成支援をはじめ、
しっかりと公正証書を作り、全面支援をいたします。

孤立を防ぐ、現場を支える|つながりサポート 孤立を防ぐ、現場を支える|つながりサポート

遺言執行者とは?選任・職務・報酬をわかりやすく解説【2026年版】

投稿日/2026.03.29 更新日/2026.03.29

カテゴリー:遺言書作成

「遺言を書いたけれど、亡くなった後、誰がきちんと実行してくれるのだろう?」
そんな不安を感じたことはありませんか。遺言書を残しても、それを確実に実現してくれる人がいなければ、大切な想いが宙に浮いてしまうことがあります。

そこで重要な役割を担うのが遺言執行者です。本記事では、遺言執行者の定義・法的根拠・具体的な職務から、選任方法・費用相場・信頼できる専門家の選び方まで、2026年最新情報をもとに徹底解説します。


目次

遺言執行者とは何か?基本的な定義と役割

遺言執行者とは、遺言者(故人)の意思を実現するために、遺言の内容を具体的に執行する権限と義務を持つ人のことです。

2019年の民法改正(2019年7月1日施行)以前は「相続人の代理人」と定義されていましたが、改正後は「遺言者の意思を実現する者」として再定義されました。これにより、相続人全員の利益よりも遺言者の意思が最優先されるようになり、遺言執行者の独立性と権限が大幅に強化されました。

遺言執行者の主な職務

民法が定める遺言執行者の主な職務は以下のとおりです。

  • 相続財産の目録を作成し、相続人に交付する(民法1011条)
  • 預貯金口座の名義変更・解約・払戻し
  • 不動産の相続登記の申請(または専門家への依頼)
  • 有価証券・株式の名義変更
  • 遺贈の履行(第三者への財産の引き渡し)
  • 認知の届出(民法781条2項)
  • 推定相続人の廃除・廃除取消しの申立て(民法893条・894条2項)
  • 一般財団法人設立のための定款作成(一般法人法152条2項)
  • 特定遺贈の執行(受遺者への財産の移転)
  • 相続人・受遺者への通知・連絡

特に「認知」「推定相続人の廃除・廃除取消し」「一般財団法人の設立」の3つは遺言執行者のみが行える専属的職務です(民法1012条2項)。これらは遺言執行者を指定しなければ実現できません。


法的根拠と2019年民法改正のポイント

遺言執行者に関する規定は、民法第1006条から第1021条にわたって定められています。

主要条文の概要

条文 内容
民法1006条 遺言による遺言執行者の指定・指定委託
民法1010条 家庭裁判所による遺言執行者の選任
民法1011条 財産目録の作成・交付義務
民法1012条 遺言執行者の権限(意思実現のための一切の行為)
民法1014条 特定財産承継遺言における執行者の権限(改正で明確化)
民法1018条 報酬の定め方(遺言 or 家庭裁判所による決定)
民法1020条 委任に関する規定の準用

2019年改正の3大ポイント

  • 権限の根拠が「相続人の代理人」から「遺言者の意思実現者」へ:相続人が妨害行為を行っても執行できるよう権限が強化された
  • 特定財産承継遺言(相続させる遺言)での執行権限が明確化:不動産の対抗要件(登記)具備のための行為も遺言執行者が単独でできることが明文化(民法1014条2項)
  • 復任権が原則認められるように:従来は原則禁止だった第三者への再委任が、やむを得ない事由がなくても可能になった(民法1016条1項)

遺言執行者が特に必要な場面

遺言執行者が書類を確認している様子のイラスト

①認知をしたい場合(必須)

婚姻外の子どもを認知する旨を遺言に書く「遺言認知」は、遺言執行者のみが届出を行えます(民法781条2項)。相続人に頼むことはできないため、必ず遺言執行者を指定しておく必要があります。

②推定相続人を廃除したい場合(必須)

特定の相続人に遺産を渡したくない場合、廃除を遺言に記載することができます。この廃除申立ておよびその取消しも遺言執行者の専属事務です(民法893条・894条2項)。

③一般財団法人を設立したい場合(必須)

遺言で一般財団法人を設立する場合(民法164条)、定款の作成など設立行為を遺言執行者が行います(一般法人法152条2項)。社会貢献を目的とした遺産活用を考えている方は必須です。

④遺贈(相続人以外への財産贈与)がある場合

第三者への遺贈がある場合、相続人だけでは手続きが進まないことがほとんどです。遺言執行者を指定しておくと、遺贈の履行(財産の引き渡し)がスムーズに進みます。

⑤相続人間の対立が予想される場合

相続人同士の仲が悪い、または相続内容に不満を持つ相続人がいる場合、遺言執行者がいることで中立的な立場から手続きを進め、トラブルを防ぐ効果があります。


遺言執行者がいない・指定しなかった場合のリスク

遺言執行者がいない場合、原則として相続人全員で協力して遺言を執行することになります。しかし実際には次のような問題が起きやすくなります。

  • 相続人間で意見が対立し、手続きが止まる
  • 金融機関や法務局から「相続人全員の書類を提出してほしい」と要求され、一人でも非協力的な相続人がいると手続き不能になる
  • 遺贈の履行を相続人が拒否し、受遺者が財産を受け取れない
  • 認知・廃除・一般財団法人設立など専属的職務はそもそも実行できない
  • 相続人が勝手に遺言と異なる財産分配をしてしまう

特に相続人同士の関係が複雑な場合や、遺贈・認知などが含まれる遺言では、遺言執行者の不在が遺言の実現を大きく阻害する可能性があります。


遺言執行者の選任方法と欠格事由

選任方法は2つ

1. 遺言書での指定(最もシンプル)

遺言書の中に「○○を遺言執行者として指定する」と記載する方法です。誰でも指定できますが、受諾するかどうかは本人の意思に委ねられます。事前に本人の了解を得ておくことが重要です。

2. 家庭裁判所への選任申立て

遺言執行者の指定がない場合や、指定された人が就任を断った・死亡した場合、利害関係人(相続人・受遺者など)が家庭裁判所に選任を申し立てることができます(民法1010条)。裁判所は弁護士・司法書士などの専門家を選任することが多いです。

欠格事由(遺言執行者になれない人)

  • 未成年者(民法1009条)
  • 破産者(民法1009条)

なお、法人は遺言執行者になることができます。信託銀行や一般社団法人が遺言執行者を引き受けるケースもあります。


遺言執行者の費用・報酬の相場

専門家に遺言執行について相談しているイラスト

遺言執行者の報酬は、遺言書で定めるか、遺言書に定めがない場合は家庭裁判所が相続財産の額や難易度を考慮して定めます(民法1018条)。

専門家別の報酬相場(2026年現在)

専門家 費用の目安 特徴
弁護士 30〜100万円
(財産総額の1〜3%)
相続紛争がある場合に頼もしい。複雑な案件に対応可
司法書士 20〜75万円
(財産総額の0.5〜1%)
不動産登記を一括で対応できる。費用対効果が高い
行政書士 20〜40万円 比較的シンプルな案件向き。不動産登記は司法書士と連携
信託銀行 申込:110万円前後
執行:財産の1〜2%(最低110〜165万円)
法人として安定した執行。財産管理も一体対応
相続人・個人 無報酬〜任意 費用はかからないが、専門知識が必要。手続きが煩雑

信託銀行の主要比較(参考)

銀行 申込時費用 執行時費用(最低)
三菱UFJ信託銀行 約110万円 約165万円
三井住友信託銀行 約33万円 約110万円
みずほ信託銀行 約110万円 約33万円〜

※各行の料率・最低報酬は変更される場合があります。必ず直接確認してください。

報酬に対する所得税の取扱い

遺言執行者が受け取る報酬は「雑所得」または「事業所得」として確定申告が必要です。弁護士・司法書士・行政書士などの専門家が業として行う場合は事業所得として処理します。個人(相続人など)が臨時的に受け取る場合は雑所得となります。


遺言執行者と他の制度との違い

遺言執行者 vs 成年後見人

項目 遺言執行者 成年後見人
活動時期 死亡後 生前(認知症・障害など)
目的 遺言内容の実現 本人の財産管理・身上保護
選任 遺言書 or 家庭裁判所 家庭裁判所
終了時期 遺言執行完了後 本人の死亡まで

遺言執行者 vs 遺産管理人

「遺産管理人」は相続人がいない・または相続人全員が相続放棄した場合に家庭裁判所が選任します。遺言内容の執行ではなく、相続財産の保全・清算が目的という点で遺言執行者とは異なります。


信頼できる遺言執行者の選び方

家族で終活・遺言について話し合っているイラスト

チェックポイント6選

  • 専門資格があるか:弁護士・司法書士・行政書士・税理士などの資格を持ち、相続実務の経験が豊富であるか
  • 報酬が明確か:見積書を事前に提示してもらえるか、追加費用の条件が明確か
  • 相続手続き全体をカバーできるか:不動産登記・金融機関手続き・税申告など一括対応できるか
  • 遺言作成から関与してもらえるか:遺言書作成段階から相談でき、内容をよく把握している人が望ましい
  • 法人として継続性があるか:個人の専門家が死亡・廃業した場合のリスクを考え、法人(事務所・信託銀行)を選ぶ選択肢も有効
  • 相談時の対応が丁寧か:質問にわかりやすく答えてくれるか、費用の説明が誠実か

「身元保証・死後事務」との一括依頼も可能

おひとりさまや頼れる親族がいない方は、遺言執行者の依頼と合わせて「身元保証」「死後事務委任」「任意後見」を一括でサポートしてもらえるサービスを検討するとより安心です。つながりサポートでは、このような総合的な終活支援を提供しています。


終活ロードマップにおける遺言執行者の位置づけ

遺言執行者は終活の「仕上げ」を担う存在です。終活全体の流れの中では、次のような段階で関わります。

  • ①終活開始(〜60代):財産整理・エンディングノート作成
  • ②遺言書作成(60〜70代):公正証書遺言の作成とともに遺言執行者を指定・打診
  • ③任意後見契約(必要な場合):認知症など判断能力が低下したときに備える
  • ④死後事務委任契約(希望者):葬儀・行政手続きなど死後の実務を委任
  • ⑤相続発生→遺言執行:遺言執行者が就任し、遺言内容を実現

早い段階から信頼できる専門家と関係を構築しておくことで、遺言執行もスムーズに進みます。


最新動向:デジタル遺言・電子化の動き(2025〜2026年)

2025年から一部試行が始まったデジタル公正証書(電子化公証)の普及により、公正証書遺言のオンライン作成・保管の議論が進んでいます。また、相続手続きのデジタル化(金融機関の相続手続きオンライン化・不動産登記のオンライン申請拡充)が進み、遺言執行者が行う手続きの効率化が期待されています。

一方で、デジタル資産(暗号資産・NFT・オンラインバンク口座)の相続については、まだ法整備が追いついていない部分があります。こうした資産を持つ方は、遺言書にデジタル資産の情報(ID・パスワード管理方法)を明記し、遺言執行者がアクセスできる状態にしておく工夫が重要です。

また、一人法人(個人事業主)の経営者による会社の遺言信託・遺言執行も注目されており、事業承継と組み合わせた遺言設計のニーズが高まっています。


よくある質問(FAQ)

Q1. 遺言執行者は必ず専門家に頼まなくてもよいですか?

はい、相続人や第三者(信頼できる友人・知人)でも遺言執行者になれます(未成年者・破産者は除く)。ただし、不動産登記や金融機関手続きなど専門的な知識が必要な場面も多く、慣れていない方には負担が大きい場合があります。財産の規模や内容に応じて、専門家への依頼を検討してください。

Q2. 遺言書を書かなかった場合、遺言執行者はどうなりますか?

遺言書がない場合、遺言執行者は存在しません。相続は法定相続か相続人全員による遺産分割協議によって進めます。遺言執行者は遺言がある場合にのみ関わる制度です。

Q3. 遺言執行者を指定したが、その人が先に亡くなった場合は?

指定された遺言執行者が死亡した場合、遺言書に予備的な指定(「前者が就任できない場合は○○を指定する」)がなければ、利害関係人が家庭裁判所に新たな選任を申し立てることになります。予備的指定を入れておくと安心です。

Q4. 遺言執行者の報酬はいつ支払われますか?

一般的には、遺言執行のすべての手続きが完了した後、相続財産から支払われます。前払いや分割払いを条件にする専門家もいるため、契約時に確認しておくことをお勧めします。

Q5. 相続人が遺言執行者を解任できますか?

2019年改正以降、遺言執行者は「遺言者の意思実現者」として位置づけられたため、相続人は単独で遺言執行者を解任することはできません。正当な事由がある場合に限り、利害関係人が家庭裁判所に解任を申し立てることができます(民法1019条1項)。


まとめ:遺言執行者は遺言の「実現者」

遺言執行者は、あなたの大切な想いを確実に次の世代へ届けるための「実現者」です。

  • 法的には民法1006〜1021条に根拠を持つ重要な役割
  • 2019年改正で「被相続人の意思実現者」として権限が強化
  • 認知・廃除・一般財団法人設立は遺言執行者の専属事務
  • 費用は専門家の種類によって異なるが、20〜100万円が一般的な目安
  • 相続人間の対立が予想される場合や遺贈がある場合は特に重要

「誰に頼めばいいか分からない」「費用が心配」という方も、まずは無料相談で現状をお聞かせください。つながりサポートでは、遺言執行者の選定から死後事務委任・身元保証まで、おひとりさまや高齢者の方を総合的にサポートいたします。

▶ 無料相談はこちら:無料相談のお申し込みはこちら

孤立を防ぐ、現場を支える|つながりサポートの電話番号

福祉を支える就活総合支援サポート

孤立を防ぐ、現場を支える|つながりサポートの電話番号

    ※お間違いのないようご注意ください

    ページトップに戻る