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成年後見人に家族はなれる?選任条件・手続き・費用・メリットデメリットをわかりやすく解説【2026年法改正対応版】

投稿日/2026.04.26 更新日/2026.10.19

カテゴリー:任意後見・成年後見

「親が認知症になったら、子どもが後見人になれるの?」「家族が成年後見人になるにはどんな条件が必要?」――成年後見制度の利用を検討するとき、多くの方がまず抱く疑問です。

結論から言えば、家族でも成年後見人になることは法律上可能です。ただし、家庭裁判所が最終的に選任を判断するため、必ずしも希望通りにはなりません。最高裁判所の統計によると、2024年の親族後見人の割合はわずか17.1%。2000年の制度創設時は91%だったことを考えると、大きく様変わりしています。

しかし一方で、親族を候補者として申し立てた場合の認容率は約85%という心強いデータもあります。つまり「家族が後見人になりたい」と手を挙げれば、かなりの確率で認められるのです。実際のところ、相応の準備と理解があれば、家族が後見人として選ばれる可能性は十分にあります。

本記事では、家族が成年後見人になるための条件・手続き・費用・メリット・デメリットから、2026年の法改正情報まで、徹底的にわかりやすく解説します。身寄りのないおひとりさまの場合の選択肢もあわせてご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。


目次

成年後見制度の基本|3つの類型と法定後見・任意後見の違い

まず、成年後見制度の基本を確認しましょう。認知症や知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分な方の権利と財産を守るための制度です。

法定後見の3つの類型

法定後見は、本人の判断能力の程度に応じて3つの類型に分かれます。

類型対象者支援者の名称権限
後見判断能力が常に欠けている方成年後見人広範な代理権・取消権
保佐判断能力が著しく不十分な方保佐人重要な法律行為の同意権・取消権
補助判断能力が不十分な方補助人特定の法律行為の同意権・取消権

法定後見と任意後見の違い

成年後見制度は大きく「法定後見」と「任意後見」の2つに分かれます。

項目法定後見任意後見
開始時期判断能力が低下した後判断能力があるうちに契約
後見人の選任家庭裁判所が決定本人が自由に指名できる
契約方法家庭裁判所への申立て公正証書による契約
取消権ありなし
監督家庭裁判所任意後見監督人(裁判所選任)

重要なポイント:法定後見では後見人を家庭裁判所が選ぶため、家族が必ず選ばれるとは限りません。一方、任意後見なら本人の意思で家族を後見人に指名することが確実にできます。それぞれ異なる役割と責任があるため、ご自身の状況に合わせた種類を選ぶことが大切です。

法定後見と任意後見について詳しくは、法定後見と任意後見の違いを徹底比較|選び方・費用・手続き・メリットデメリットをわかりやすく解説【2026年改正対応版】もあわせてご覧ください。

家庭裁判所の相談室で専門家と話し合う家族のイラスト

成年後見人に家族はなれる?結論と最新データ

結論:法律上、家族も成年後見人になれる

民法には「成年後見人になるための資格要件」は定められていません。つまり、特別な資格がなくても誰でも成年後見人になることが可能です。ただし、民法第847条に定められた「欠格事由」に該当する人はなることができません。

後見人になれない人(欠格事由)

  • 未成年者
  • 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人または補助人
  • 破産者
  • 被後見人に対して訴訟をした人およびその配偶者・直系血族
  • 行方の知れない人

上記に該当しなければ、子ども・配偶者・兄弟姉妹など家族が後見人になることは法律上まったく問題ありません。

最高裁の方針変更:「親族を優先的に選任すべき」

2019年3月、最高裁判所は各家庭裁判所に対し、「後見人にふさわしい親族等の身近な支援者がいる場合は、これらの身近な支援者を後見人に選任することが望ましい」という考え方を通知しました。これは、それまで専門職(弁護士・司法書士等)を選ぶ傾向が強かった運用を転換する重要な方針変更でした。

親族後見人の選任割合と認容率|最新統計データ

ただし、方針変更後も親族後見人の割合は低下を続けています。

年親族後見人の割合専門職等の割合
2000年(制度創設時)約91%約9%
2012年約48%約52%(逆転)
2018年約23.2%約76.8%
2020年約19.7%約80.3%
2023年約18.1%約81.9%
2024年約17.1%約82.9%

この数字だけ見ると「家族が後見人になるのは難しい」と感じるかもしれません。しかし重要なのは、親族を候補者として申し立てた場合の認容率は約85%と高い水準にあるということです。割合が低い最大の理由は、そもそも親族を候補者として申し立てないケースが増えているためです。

その背景には、単身高齢者の増加(候補となる親族がいない)、後見業務の負担の大きさ(親族が辞退する)、市区町村長申立ての増加(約24%)などがあります。

成年後見について詳しくは、成年後見制度の基礎知識|後見・保佐・補助3類型の違いをわかりやすく解説【2026年改正対応版】もあわせてご覧ください。


家族が成年後見人に選ばれる条件と選ばれないケース

家庭裁判所の選任判断基準

家庭裁判所は、民法第843条に基づき以下の事情を総合的に考慮して後見人を選任します。

  • 被後見人の心身の状態および生活・財産の状況
  • 候補者の職業・経歴
  • 被後見人との利害関係の有無
  • 被後見人の意見
  • その他一切の事情

親族後見人が選ばれやすいケース

  • 管理財産が1,000万円以下で比較的少額
  • 他の親族の同意が得られている(推定相続人全員の同意書がある)
  • 候補者が本人の近くに居住し、これまで介護・支援の実績がある
  • 本人との間に利益相反がない
  • 財産関係がシンプル(預貯金中心で不動産取引等がない)
  • 候補者自身に健康上の問題がない

親族後見人が選ばれにくい7つのケース

以下のような場合、家庭裁判所は専門職後見人を選任する傾向にあります。

  • 管理財産が高額(流動資産が1,000万円超、特に5,000万円超は専門職になりやすい)
  • 親族間に紛争・対立がある(遺産分割で争い中、候補者に反対する親族がいる)
  • 利益相反がある(候補者と本人が遺産分割の当事者同士になるなど)
  • 居住地が遠い(日常的な訪問や面会が困難な場合)
  • 法律上の複雑な問題がある(不動産売却、訴訟対応、事業承継など)
  • 過去に不適切な財産管理があった(使途不明金、本人の年金の流用など)
  • 候補者自身の問題(高齢で健康に不安、自己破産歴がある など)

家族が成年後見人になるメリット・デメリット

メリット

  • 費用を抑えられる:報酬を請求しなければ無報酬で後見業務を行うことが可能。専門職後見人の場合は月額2〜6万円の報酬が必要
  • 本人の意向を反映しやすい:日頃から接している家族だからこそ、本人の好みや生活スタイルに沿った支援ができる
  • きめ細かな身上保護:本人の生活状況を熟知しているため、医療・介護に関する判断を適切に行える
  • 本人の安心感:見知らぬ専門職よりも、信頼する家族に任せられる安心感がある

デメリット

  • 事務負担が大きい:財産管理、収支報告、年1回の家庭裁判所への報告義務がある
  • 精神的な負担:親の財産を管理する立場になることで、他の兄弟姉妹との関係に摩擦が生じる可能性がある
  • 専門知識の不足:法律・税務・不動産取引などの専門的な対応が必要になる場合があり、トラブルの発生にも注意が必要
  • 不正の疑いをかけられるリスク:他の親族から「財産を独占している」と疑われるケースが少なくない
  • 長期間の拘束:現行制度では本人が亡くなるまで後見業務を継続する原則(※2026年法改正で見直し予定)

親族後見人と専門職後見人の費用比較

項目親族後見人専門職後見人
月額報酬0円〜2万円程度2万〜6万円
年間コスト0〜24万円24〜72万円
後見監督人報酬月額1〜3万円(付される場合)通常不要
10年間の総費用0〜540万円240〜720万円

費用面では親族後見人が有利ですが、後見監督人が付される場合はその報酬が別途かかるため、差は縮まることもあります。

親の財産について詳しくは、親の財産を把握する方法|聞き出し方・調査手段・財産目録の作り方を徹底解説【2026年最新版】もあわせてご覧ください。

財産管理の書類を整理する後見人のイラスト

家族が成年後見人になる手続きの流れ【5ステップ】

ステップ1:相談窓口で情報収集する

まずは以下の窓口で相談しましょう。成年後見制度についての詳しい説明や事例を知ることで、自分たちの状況に合った選択肢が見えてきます。

  • 地域包括支援センター(各市区町村に設置、高齢者の総合相談窓口)
  • 社会福祉協議会(権利擁護に関する相談)
  • 家庭裁判所の手続案内窓口(申立書類の入手・手続き相談)
  • 法テラス(0570-078374、資力が乏しい方への法律扶助)

ステップ2:必要書類を準備する

書類入手先備考
後見開始申立書家庭裁判所所定の書式あり
申立事情説明書家庭裁判所本人の生活状況等を記載
本人の戸籍謄本市区町村役場
本人の住民票市区町村役場
後見登記されていないことの証明書東京法務局郵送で取得可能
医師の診断書(3か月以内)主治医等裁判所所定の書式
本人情報シートケアマネ等診断書作成の参考資料
財産目録と裏付資料自分で作成通帳・不動産登記等のコピー
収支予定表自分で作成年金額・介護費用等
後見人候補者事情説明書家庭裁判所候補者がいる場合
親族の同意書自分で手配推定相続人全員分が望ましい

ステップ3:家庭裁判所に申し立てる

本人の住所地を管轄する家庭裁判所に申立書と必要書類を提出します。申立てができる人は、本人・配偶者・四親等内の親族・検察官・市区町村長などです。

申立て費用の目安:

  • 収入印紙:800円(申立手数料)+ 2,600円(後見登記手数料)
  • 郵便切手:約3,720円
  • 診断書作成費用:数千円〜1万円
  • 合計:約1〜2万円(鑑定が不要な場合)

ステップ4:審理・面接を受ける

家庭裁判所の調査官が、本人・候補者への面接や親族への意向照会を行います。裁判所は複数の情報に基づいて総合的に判断を進めます。必要に応じて医師による精神鑑定(費用:5〜10万円)が実施されることもあります。

ステップ5:審判(選任決定)

審理の結果、後見開始の審判と後見人の選任が行われます。審判書が送達されてから2週間の不服申立期間を経て確定します。申立てから審判まで約2〜4か月が目安です。

注意点:候補者として家族を記載しても、家庭裁判所が総合的に判断した結果、専門職が選任されるケースがあります。また、家族が後見人に選任されても、後見監督人が同時に付されることが増えています。第三者である後見監督人により、後見人の職務が適切に行われているか監督・確認されることになります。

本人情報シートについて詳しくは、本人情報シートの書き方|記入例付き完全ガイド【ケアマネ・施設職員向け2026年版】もあわせてご覧ください。


後見人になった後の業務と注意点

財産管理の主な業務

  • 預貯金の管理(振込・払戻し・口座変更)
  • 年金・家賃等の収入の受領
  • 家賃・公共料金・保険料・税金等の支払い
  • 重要書類(登記済権利証・実印・マイナンバーカード等)の保管
  • 不動産の維持管理(居住用不動産の処分には裁判所の許可が必要)
  • 年1回の家庭裁判所への報告(後見事務報告書・財産目録の提出)

身上保護の主な業務

  • 医療契約の締結・入院手続き
  • 介護保険の申請・ケアプランの確認
  • 介護施設への入退所手続き
  • 賃貸借契約の締結・変更・解約
  • 本人の生活状況・健康状態の定期的な確認

絶対にやってはいけないこと

  • 本人の財産を自分の生活費に流用する(横領罪に問われる可能性)
  • 本人の財産から親族への贈与・貸付けを行う
  • 投機的な運用(株式投資・FXなど)を行う
  • 裁判所への報告を怠る

親族後見人による不正は、2014年のピーク時に831件・被害総額約56.7億円に達し、大きな社会問題となりました。2024年でも188件・約7.9億円の不正が報告されています。不正行為は後見人の解任だけでなく、刑事責任(業務上横領罪)にも問われる重大な問題です。

後見制度支援信託・支援預貯金で安全に管理

親族が後見人になる場合、家庭裁判所から「後見制度支援信託」または「後見制度支援預貯金」の利用を求められることがあります。これらの制度は、不正防止のための重要な仕組みです。

項目支援信託支援預貯金
仕組み日常使用分以外を信託銀行に信託日常使用分以外を専用口座に預入
出金方法家庭裁判所の指示書が必要家庭裁判所の指示書が必要
後見人の管理額目安200〜300万円目安200〜300万円
専門職の関与導入時に必要親族後見人のみで手続き可能
取扱金融機関信託銀行信用金庫・地方銀行等でも可

これらの制度により、後見人が管理できる金額を制限し、大口の引き出しには裁判所の許可が必要となるため、不正を防止しつつ安全に財産を管理することができます。

成年後見人であっても「できないこと」の注意点

実家の売却・賃貸には家庭裁判所の許可が必須

多くの家族後見人が最初にぶつかる現実が、本人が住んでいた(または入所前に住んでいた)居住用不動産の処分に関する制限です。介護施設の入所資金が必要だからと、実家を売却したい場合でも、後見人の判断だけでは進められません。土地や建物の売却・賃貸・解体には、必ず家庭裁判所の事前許可が必要です。許可を得ずに行った売却契約は無効になるため、買い手とのトラブルに発展する可能性もあります。

裁判所が許可を出す際は、売却の必然性が厳密に審査されます。「本人の預金で足りないか」「他に対象にできる資産がないか」といった点が検討され、承認されるまでに数週間~数ヶ月の時間がかかることも珍しくありません。

医療行為の同意は後見人権限の外

手術や延命治療、入院の決定など、医療に関する重要な局面で「後見人として同意書に署名できる」と考えるのは誤解です。成年後見制度は財産管理と身上保護(介護・福祉サービスの契約など)を対象としており、身体・生命に直接関わる医療行為への法的な同意権はありません。

病院や施設から署名を求められることは多いですが、その際は「後見人としての立場」ではなく「実の家族・親族としての立場」で、本人の意思を尊重しながら対応する形になります。この違いを明確に理解しておかないと、後々トラブルに発展する可能性があります。

本人の利益にならない贈与や節税対策はできない

成年後見人の使命は「本人の財産を維持・保護すること」です。預金に余裕があるからと孫の学費を出す、相続税対策として生前贈与を行うといった行為は、本人の直接の利益にならないため、たとえ家族であっても原則として認められません。後見人が無断で財産を流用した場合、横領罪に問われるリスクもあります。

判断能力があるうちに「任意後見」「家族信託」の検討を

このような法定後見の制限を回避したい場合は、本人にまだ判断能力があるうちに対策することが有効です。任意後見制度なら、代理権の範囲を本人の意思で自由に設定できます。また家族信託を活用すれば、不動産の柔軟な売却や財産の活用が可能になるうえ、本人が亡くなった後の二次相続までの資産承継をあらかじめデザインできます。

「こんなはずではなかった」という後悔を避けるためにも、元気なうちに家庭裁判所や専門家に相談し、どの制度が最適かを明確にしておくことをお勧めします。


任意後見なら家族を確実に指名できる

法定後見では「家族を後見人にしたい」と希望しても、家庭裁判所の判断で専門職が選任される可能性があります。家族を確実に後見人にしたい場合は「任意後見制度」の活用が最善の方法です。

任意後見制度の仕組み

本人の判断能力があるうちに、信頼する家族と「任意後見契約」を公正証書で結んでおく制度です。将来、認知症などで判断能力が低下したとき、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立てることで効力が発生します。

任意後見のメリット

  • 本人の意思で家族を後見人に確実に指名できる
  • 契約内容を自由に設定できる(代理権の範囲を細かく決められる)
  • 本人の希望や価値観を反映した支援が可能

任意後見の注意点

  • 任意後見監督人は必ず家庭裁判所が選任する(通常は専門職)
  • 任意後見監督人の報酬が月額1〜3万円程度かかる
  • 任意後見人には取消権がない(本人が不利な契約をしても取り消せない)
  • 公正証書での作成が必要(費用:数万円)

「判断能力があるうちに備えたい」という方には、任意後見契約をお勧めします。2024年の任意後見監督人選任の申立件数は874件と過去最多水準に達しており、事前の備えへの関心が高まっています。

家族が高齢の親を支える温かい日常のイラスト

家族がいない場合の選択肢|おひとりさまの成年後見

身寄りのないおひとりさまの場合、後見人になってくれる家族がいないケースがあります。そのような場合でも、以下の選択肢があります。

専門職後見人(弁護士・司法書士・社会福祉士)

法律や福祉の専門家が後見人として本人の権利と財産を守ります。報酬は月額2〜6万円で、管理財産額に応じて家庭裁判所が決定します。

市民後見人

自治体が実施する養成研修(50〜70時間程度)を修了した一般市民が後見人を務める制度です。2024年の選任件数は331件と全体の約5%程度ですが、今後の増加が期待されています。

法人後見

社会福祉協議会やNPO法人などの組織が後見人となる形態です。担当者が異動・退職しても組織として継続的に支援できるメリットがあります。

身元保証サービスとの組み合わせ

成年後見制度だけでは対応できない部分があります。後見人が行えない業務として、身元保証人・連帯保証人になること、医療行為への同意、死後の事務手続きなどがあります。

おひとりさまの場合は、成年後見制度に加えて「身元保証サービス」「死後事務委任契約」「見守りサービス」を組み合わせることで、生前から死後まで切れ目のないサポート体制を構築することをお勧めします。


【2026年法改正】成年後見制度が26年ぶりに大きく変わる

2026年の通常国会で、成年後見制度の26年ぶりの大改正が予定されています。2025年6月に法制審議会がまとめた中間試案の主要な改正ポイントを解説します。

「終われる制度」への転換:期間設定制度の導入

現行制度では、一度後見が始まると本人が回復するか亡くなるまで終了しない「終身制」が原則です。改正案では、あらかじめ有効期間を設定し、期間満了で終了できる仕組みが導入される見込みです。必要な場合は更新も可能です。

これにより、「ずっと続くかもしれない」という不安が解消され、家族が後見人を引き受けるハードルが大きく下がることが期待されます。

後見人の交代が容易に

現行制度では、後見人を交代させるには「不正な行為」「著しい不行跡」などの厳しい解任事由が必要です。改正案では、「本人の利益のために特に必要がある場合」という柔軟な事由が新設され、後見人と本人・家族との信頼関係が破綻した場合などに、より容易に交代できるようになります。

本人の意思尊重の強化

後見人選任において本人の意見・希望をより重視する仕組みが導入されます。「本人が親族を希望している」という意思がより反映されやすくなる見込みです。

改正スケジュール

時期動向
2025年6月中間試案の取りまとめ
2025年8月パブリックコメント締切
2025年度内法制審議会で要綱取りまとめ
2026年通常国会民法改正案の提出予定

大阪・関西エリアで成年後見を申し立てるには

大阪の主な相談窓口

機関名連絡先対応内容
大阪市成年後見支援センターTEL: 06-4392-8282制度全般の相談、市民後見人の養成
各区の地域包括支援センター各区役所に問合せ高齢者の総合相談
リーガルサポートおおさか大阪司法書士会内司法書士による後見支援
大阪弁護士会 高齢者・障害者総合支援センター06-6364-1251弁護士による法律相談

大阪家庭裁判所への申立て

大阪市内にお住まいの方は大阪家庭裁判所に申し立てます。堺市・南部地域は堺支部、岸和田地域は岸和田支部への申立てとなります。

費用が負担できない場合の助成制度

大阪市では「成年後見制度利用支援事業」を実施しており、費用負担が困難な方に対して申立費用や後見人報酬の助成を行っています。お住まいの区の保健福祉センターにご相談ください。


よくある質問(FAQ)

Q. 子どもが親の成年後見人になれますか?

はい、法律上可能です。2024年の統計では、親族後見人のうち53.4%が子どもです。欠格事由に該当せず、他の親族の同意が得られれば、候補者として申し立てた場合の認容率は約85%と高い水準です。

Q. 成年後見人の報酬は家族なら無料ですか?

家族が後見人の場合、報酬を請求しなければ無報酬で活動できます。ただし、報酬付与の申立てをすれば、家庭裁判所が管理財産額に応じて月額0〜6万円程度の報酬を認める場合があります。

Q. 成年後見人はいつまで続きますか?

現行制度では、原則として本人が判断能力を回復するか亡くなるまで継続します。ただし、2026年の法改正により有効期間を設定できる制度が導入される見込みです。

Q. 家族が後見人になると相続で不利になりますか?

後見人であること自体が相続に影響することはありません。ただし、被後見人の遺産分割に後見人が当事者として参加する場合は利益相反となるため、特別代理人の選任が必要です。

Q. 身寄りがない場合は誰が後見人になりますか?

弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門職後見人、または社会福祉協議会やNPO法人による法人後見、自治体の研修を受けた市民後見人が選任されます。申立人がいない場合は市区町村長が申し立てることもできます。


まとめ|家族が成年後見人になるために今からできること

成年後見人に家族がなることは法律上可能であり、親族を候補者として申し立てた場合の認容率は約85%と高い水準にあります。ただし、財産の規模や親族間の関係など、さまざまな事情によって専門職が選任されるケースもあります。

大切なのは、判断能力があるうちに備えることです。

  • 家族を確実に後見人にしたいなら → 任意後見契約を検討
  • すでに判断能力が低下しているなら → 法定後見の申立てで家族を候補者に
  • 身寄りがない・家族に頼れないなら → 専門職後見人 + 身元保証サービスの活用を

2026年には26年ぶりの大改正が予定されており、「終われる制度」「交代しやすい制度」への転換が進められています。制度の動向もしっかり把握しながら、ご自身やご家族にとって最善の選択をしていきましょう。

つながりサポートでは、成年後見制度に関するご相談はもちろん、身元保証・死後事務委任・見守りサービスを含めた包括的なサポートプランをご提案しています。「何から始めればいいかわからない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

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