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おひとりさまの終活完全ガイド|準備すべき7つのこと【2026年版】
投稿日/2026.03.17 更新日/2026.03.17
カテゴリー:おひとりさま向け情報

「老後はどうなるんだろう」「もし倒れたとき、誰が助けてくれるの」――そんな漠然とした不安を抱えながら、毎日を過ごしていませんか。2020年の国勢調査では、生涯未婚率が男性28.3%・女性17.8%に達し、単独世帯は全世帯の32.4%を占めています。2040年にはその割合が44%を超えると推計されており、「おひとりさまの老後」は今や日本全体が向き合わなければならない社会課題です。
家族がいる場合と異なり、おひとりさまの終活には独自の備えが求められます。身元保証人の確保、死後の手続きの委任、見守りの仕組みづくりなど、家族に頼れないからこそ、生前にしっかりと準備しておく必要があります。このガイドでは、おひとりさまが老後の安心を手に入れるために準備すべき7つのことを、2026年3月時点の最新情報をもとに徹底解説します。
目次
急増するおひとりさま──今なぜ終活が必要なのか
「終活は縁起が悪い」「まだ早い」と感じる方もいるかもしれません。しかし数字を見ると、その必要性は明らかです。
65歳以上の一人暮らし高齢者は2025年時点で約680万世帯にのぼります。警察庁が2025年4月に初めて公表したデータによると、一人暮らしで自宅で亡くなった方は年間7万6,020人にのぼり、そのうち65歳以上が約5万8,000人(76.4%)を占めます。さらに内閣府の初の推計では、死後8日以上経過して発見される「孤立死」が年間2万1,856人にのぼることが明らかになりました。
これは統計上の数字ではなく、準備が整っていなかったために誰にも気づかれなかった、実際の生活者の現実です。おひとりさまの終活とは、こうした事態を防ぐための「生前の安心設計」です。
準備しないとどうなる?おひとりさまが直面する5つのリスク
具体的にどんな問題が起きるのでしょうか。実際に報告されているリスクを整理します。
- 入院・施設入所を断られる:病院の9割以上が入院時に身元保証人を求めます。身元保証人が確保できないと、事実上の入院拒否が発生するケースがあります
- 死後の手続きが滞る:葬儀・火葬・行政届出・遺品整理を行う家族がいないため、自治体が対応せざるを得なくなり、本人の希望とはまったく異なる形で処理されることがあります
- 財産が国庫に帰属する:相続人がいない状態で何も準備をしていなければ、残った財産は最終的に国庫に帰属します(民法959条)。自分が大切にしてきた財産の行方を、自分で決めることができません
- デジタル資産が消滅する:ネット銀行の口座・暗号資産・PayPayなどの残高は、IDとパスワードがわからなければ誰も手続きできず、時効消滅するリスクがあります(国民生活センター、2024年11月)
- 認知症になったとき財産を守れない:判断能力が低下した後、信頼できる代理人がいなければ悪質業者に狙われるリスクが高まります

おひとりさまの終活で準備すべき7つのこと
では実際に何を準備すればよいのでしょうか。弁護士・司法書士・行政書士などの専門家が共通して推奨する7つの項目を、具体的に解説します。
① エンディングノートの作成
終活の第一歩は「自分の情報を整理して書き残す」ことです。エンディングノートには特定の書式はなく、書店や自治体で無料配布されているものを活用できます。費用はほぼゼロ。今日から始められます。
記録しておくべき主な内容は以下の通りです。
- 預貯金口座・保険・不動産などの財産一覧
- 緊急連絡先(友人・知人・専門家・主治医)
- デジタル資産の情報(SNSアカウント・パスワード・サブスクリプション一覧)
- 延命治療に関する意思(リビング・ウィル)
- 葬儀・お墓に関する希望
- ペットの引き受け先(ペットがいる場合)
おひとりさまの場合、死後に情報を把握している人が誰もいないという「情報の消滅」を防ぐことが最重要です。大和市など一部の自治体ではエンディングノートを市役所で無料保管するサービスも提供しています。まずは1冊手に取ることが、すべての終活の出発点です。
② 任意後見契約の締結
認知症などで判断能力が低下したとき、財産管理・医療・介護の契約を代わりに行ってくれる人を、あらかじめ自分で選んでおく制度が「任意後見制度」です。
家族がいる方は家族に頼めますが、おひとりさまの場合は司法書士・行政書士・弁護士などの専門家に依頼するのが一般的です。手続きは公証役場で公正証書として締結し、法務局に登記されます。判断能力が低下した時点で家庭裁判所に申立てを行うと、任意後見監督人が選任され、任意後見人が財産管理や医療・介護の手続きを行います。
重要なのは、任意後見契約は判断能力があるうちにしか締結できないという点です。認知症が進行してからでは手遅れになります。また、任意後見が発動するまでの期間をカバーするために「財産管理等委任契約」と組み合わせることが専門家に推奨されています。
③ 死後事務委任契約の締結
おひとりさまの終活において、最も重要と言っても過言ではないのが「死後事務委任契約」です。死亡後に発生するあらゆる手続きを、生前に専門家へ委任する契約です。
委任できる主な事務は次の通りです。
- 死亡届の提出・火葬許可申請
- 葬儀・火葬・納骨の手配
- 遺品整理・賃貸物件の解約・明け渡し
- 各種サービスの解約(公共料金・携帯電話・サブスクリプション等)
- 金融機関口座の解約・年金の資格喪失届
- SNS・デジタルアカウントの削除
- 医療費・介護費の精算
「遺言書は財産の分配を決めるもの」であり、葬儀の手配などの死後事務には法的拘束力がありません。死後の手続きを確実に実行してもらうには死後事務委任契約が必須です。専門家は「遺言書+死後事務委任契約+任意後見契約の3点セット」をおひとりさまの安心の基本と位置づけています。
④ 遺言書の作成
遺言書があれば、自分の財産を自分の意思で誰かに引き継がせることができます。おひとりさまの場合、法定相続人(兄弟・甥・姪など)が財産を相続しますが、必ずしもそれが本人の希望とは限りません。
特に注目されているのが「遺贈寄付」です。自分が大切にしてきた財産を、NPO・公益財団法人・社会貢献活動に活かす方法として、子どもや配偶者のいないおひとりさまの間で選ばれるケースが増えています。
遺言書には大きく2種類あります。
| 種類 | 特徴 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 自筆証書遺言(法務局保管) | 全文を手書き。法務局で50年間保管。家裁での検認不要 | 約4,000円 |
| 公正証書遺言 | 公証人が作成。無効リスクが低く確実性が高い | 15〜50万円程度 |
費用を抑えたい場合は、2020年から始まった「法務局の自筆証書遺言書保管制度」の活用がおすすめです。手数料は3,900円で、50年間原本が保管され、家庭裁判所での検認手続きも不要です。
⑤ 身元保証・緊急連絡先の確保
病院の9割以上が入院・手術の際に身元保証人を求めます。老人ホームへの入居時も同様です。家族がいないおひとりさまにとって、これは老後生活の根幹を揺るがす問題です。
「身寄りがないから入院できない」という状況を防ぐために利用できるのが「身元保証サービス」です。専門の法人やNPOが身元保証人を代行し、緊急連絡先の役割も担ってくれます。
ただし注意も必要です。消費者庁の調査によると、高齢者等終身サポートサービスに関する消費生活センターへの相談件数は2023年度に354件で、この10年間で4倍に増加しています。主なトラブルとして「追加費用の請求」「高額な預託金の要求」「解約時の返金拒否」などが報告されています。2024年6月に国が策定した「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」に準拠した事業者かどうかを必ず確認しましょう。
⑥ 葬儀・お墓の事前準備
自分が希望する形で旅立つためには、葬儀とお墓の準備を生前に行っておく必要があります。おひとりさまが何も準備していなければ、自治体が「行旅死亡人」として処理し、本人の希望とはかけ離れた形での火葬・埋葬となる可能性があります。
近年、おひとりさまに人気なのが「永代供養」と「散骨」です。
- 永代供養墓(合祀):5〜30万円程度。管理の手間がなく費用が低い。他の方の遺骨と合祀されるため個別の参拝はできない
- 樹木葬:10〜100万円程度。自然の中に還るという考え方で人気が高まっている
- 海洋散骨:5〜30万円程度。お墓を持たない選択肢として注目されている
葬儀社への生前予約と組み合わせることで、自分が希望する形を確実に実現できます。③の死後事務委任契約と連携させることがポイントです。
⑦ 見守り・生活サポートの手配
元気なうちから万一の際の「見守りの仕組み」を作っておくことも重要です。孤立死を防ぎ、万一の際に早期に発見してもらうためのシステムです。
- 自治体の見守りサービス:多くの市区町村が無料または低額で提供。電話や訪問による安否確認
- 配食サービス:食事を届けるついでに安否確認を行うサービス。1回あたり700〜1,000円程度
- センサー型見守りサービス:自宅にセンサーを設置し、動きがない場合に家族・専門家・自治体に通知
- スマートフォンアプリ:毎日ボタンを押すだけで安否確認ができるアプリ。月額500〜1,000円程度から利用可能
さらに「財産管理等委任契約」を活用することで、判断能力が低下し始めた初期段階から適切なサポートを受けることができます。見守りは「孤独死を防ぐ」だけでなく、「何かあったときに素早く対応できる」体制づくりでもあります。

おひとりさまの終活にかかる費用の目安
「終活にはお金がかかる」と感じる方も多いですが、優先順位をつけて取り組めば、必ずしも大きな費用にはなりません。最低限の備えとして以下が目安です。
| 準備内容 | 費用目安 | 優先度 |
|---|---|---|
| エンディングノート作成 | ほぼ無料〜数千円 | 最優先 |
| 自筆証書遺言(法務局保管) | 約4,000円 | 最優先 |
| 死後事務委任契約(預託金含む) | 50〜160万円 | 高 |
| 任意後見契約(専門家報酬含む) | 契約時15〜30万円+月額2〜5万円 | 高 |
| 身元保証サービス | 30〜150万円 | 高 |
| 永代供養(合祀墓) | 5〜30万円 | 中 |
最低限の備えとして「エンディングノート+法務局保管の遺言書+見守りサービス」から始め、余裕ができたら死後事務委任契約や任意後見契約を段階的に準備するのが現実的です。
費用を抑えるポイントとして、地域包括支援センターの無料相談や法テラスの無料法律相談を活用することで、専門家への初期相談コストを大幅に下げられます。
何歳から、何から始めるべきか
「まだ早い」と感じている方に知っていただきたいのは、おひとりさまの終活は早めに始めるほど選択肢が広がるという事実です。燦ホールディングスの調査では、おひとりさま高齢者の64%が終活を検討中である一方、実際に実践しているのはわずか13%にとどまっています。
特に重要なのが「任意後見契約は判断能力があるうちにしか締結できない」という制約です。認知症が進んでからでは手遅れになります。専門家が推奨する年代別の目安は次の通りです。
- 50代:エンディングノートの作成・デジタル終活・財産の一覧化から開始。任意後見契約の検討を始める
- 60代:任意後見契約・死後事務委任契約・遺言書の作成。身元保証サービスの比較検討
- 70代以降:見守りサービスの契約・葬儀・お墓の事前準備。既存の契約内容の見直し
何から始めるかで迷ったら、まず「エンディングノートに自分の情報を書き出す」ことをおすすめします。費用ゼロ、今日から始められ、現在の状況を整理する最初の一歩になります。
2026年の最新動向:法改正と行政支援の充実
おひとりさまの終活を取り巻く制度環境は、2024〜2026年にかけて急速に整備が進んでいます。
成年後見制度の26年ぶりの大改正(2026年)
2026年1月〜2月、法制審議会は成年後見制度の大改正要綱を答申しました。現行制度では利用者が約25万人にとどまり、潜在ニーズ(約1,300万人)のわずか2%しか充足されていないという深刻な課題への対応です。主な改正は後見・保佐・補助の3類型を「補助」に一本化し、期間を柔軟にする方向性で、2027〜2028年の施行が見込まれています。制度改革の移行期であるからこそ、現行制度の枠内で着実に備えておくことが重要です。
高齢者等終身サポート事業者ガイドライン(2024年6月)
消費者庁・法務省・厚生労働省など8省庁が共同で策定したガイドラインです。身元保証・死後事務委任等のサービス事業者に対し、前払金の区分管理・遺贈の強制禁止など利用者保護の基準を定めました。信頼できる事業者を選ぶ際の判断基準として活用できます。
孤独・孤立対策推進法(2024年4月施行)
孤独・孤立対策が国の政策として法的に位置づけられ、都道府県・政令市等に地域協議会の設置が促進されています。おひとりさまへの見守り・支援サービスが全国的に充実しつつあり、自治体の無料支援サービスの活用可能性が広がっています。

信頼できる相談先・サービスの選び方
多くの選択肢がある中で、信頼できる相談先・サービスをどう見つけるかは重要な問題です。
まず公的窓口を活用する
- 地域包括支援センター:65歳以上の方の生活・介護・終活の総合相談窓口。無料で利用できます
- 法テラス(日本司法支援センター):弁護士・司法書士への無料法律相談。収入要件あり
- 消費生活センター(188番):終活サービスのトラブル相談。身元保証サービスのトラブルも対応
- 法務局:遺言書保管制度の申請・相談(全国の法務局で受付)
民間サービスを選ぶ際の5つのチェックポイント
- 2024年6月の「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」に準拠しているか
- 前払金(預託金)が運営資金と区分管理されているか
- 遺贈・寄附を契約の条件としていないか
- 契約内容・解約条件が明確に書面で示されているか
- 担当者が変わっても継続してサービスを受けられる体制があるか
よくある質問(FAQ)
Q. おひとりさまの終活は何歳から始めるべきですか?
A. 専門家は50代からの開始を強く推奨しています。特に任意後見契約は判断能力があるうちにしか締結できないため、認知症リスクが高まる前に準備しておくことが重要です。エンディングノートの作成であれば、何歳からでも今日から始められます。
Q. 費用はトータルでいくらかかりますか?
A. 最低限の備えであれば数万円から始められます。死後事務委任契約・身元保証サービス・永代供養をすべて整えると100〜200万円程度が目安ですが、自治体の無料支援サービスや法テラスを活用することでコストを大幅に抑えることも可能です。まずは無料で始められることから取り組みましょう。
Q. 身元保証人がいなくても入院できますか?
A. 法律上、病院は身元保証人がいないことを理由に入院を拒否することはできません(厚生労働省ガイドライン)。ただし実態として9割以上の病院が身元保証人を求めており、スムーズに対応してもらうためには身元保証サービスの契約が有効です。
Q. 遺言書がなければ財産はどうなりますか?
A. 法定相続人(兄弟・甥・姪など)がいる場合はその方が相続します。法定相続人が誰もいない場合は最終的に国庫に帰属します(民法959条)。自分の意思で財産の行方を決めるには、遺言書の作成が必須です。
まとめ:おひとりさまの老後安心のために、今日から一歩を
おひとりさまの終活は、「死の準備」ではなく「安心した老後を送るための生前の設計」です。準備すべき7つのことをもう一度整理します。
- ① エンディングノートの作成(今日から無料で始められる)
- ② 任意後見契約(判断能力があるうちに締結を)
- ③ 死後事務委任契約(葬儀・手続きをすべて委任)
- ④ 遺言書の作成(財産の行方を自分で決める)
- ⑤ 身元保証・緊急連絡先の確保(入院・施設入所の備え)
- ⑥ 葬儀・お墓の事前準備(自分の希望を実現する)
- ⑦ 見守り・生活サポートの手配(孤立死を防ぐ)
何から始めるかで悩んだときは、まずエンディングノートを一冊手に取ることから始めてみてください。書き出すことで自分の状況が整理され、次のステップが自然と見えてきます。
つながりサポートでは、おひとりさまの終活に関する無料相談を受け付けています。身元保証・死後事務委任・任意後見・遺言書作成など、あらゆる場面で専門家がサポートします。「何から始めたらいいかわからない」という方も、まずはお気軽にご連絡ください。

