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本人情報シートの書き方|記入例付き完全ガイド【ケアマネ・施設職員向け2026年版】

投稿日/2026.04.22 更新日/2026.04.30

カテゴリー:ケアマネ・施設職員向け

「本人情報シートを書いてほしいと言われたが、何をどう書けばいいかわからない」——成年後見申立てに関わるケアマネジャーや施設職員から、こうした声をよく耳にします。

本人情報シートは2019年4月から導入された比較的新しい書類で、医師が診断書を作成する際の補助資料として機能します。記載内容が曖昧だったり医学的判断を先取りしたりすると、家庭裁判所からの差し戻しや、審判に影響が出ることもあります。

この記事では、ケアマネジャー・施設職員向けに本人情報シートの書き方を項目別に解説し、具体的な記入例・文例を豊富に掲載します。はじめて書く方も、見直したい方も、ぜひ参考にしてください。


本人情報シートとは?制度的な位置づけ

本人情報シートは、成年後見申立ての際に本人の生活状況・認知機能・日常的な課題を医師に伝えるための補助資料です。最高裁判所事務総局が2019年4月に導入し、診断書の改定と同時に整備されました。

法的背景

  • 民法改正(平成12年):成年後見制度の導入
  • 成年後見制度利用促進法(平成28年施行):制度利用の促進を法制化
  • 成年後見制度利用促進基本計画(平成29年閣議決定):福祉関係者が本人情報を医師に提供する仕組みを整備

本人情報シートの役割

  • 医師への情報提供:診断書を作成する医師が、本人の生活実態を把握するための参考資料
  • 家庭裁判所への資料:後見・保佐・補助のいずれが適切かを判断する材料のひとつ
  • 支援方針の検討材料:後見人選任後の支援計画立案に活用

提出は法律上の義務ではありませんが、全国の申立て件数の約8割でシートが添付されており、事実上の必須書類といえます。

成年後見制度について詳しくは、成年後見制度の基礎知識|後見・保佐・補助3類型の違いをわかりやすく解説【2026年改正対応版】もあわせてご覧ください。


誰が作成するか

本人情報シートを作成できるのは、本人の生活を日常的に支えている福祉専門職に限られます。本人・家族・一般介護職は作成者として適切ではありません。

作成できる 作成できない
介護支援専門員(ケアマネジャー) 本人自身
地域包括支援センター職員 本人の家族・親族
施設相談員(社会福祉士・精神保健福祉士) 福祉資格を持たない介護職員
権利擁護支援センター職員 医師(本人状況を把握していない場合)

客観性が強く求められる書類のため、本人の状況を日常的に観察・記録している専門職が作成することが重要です。

地域包括支援センターについて詳しくは、大阪市の地域包括支援センター一覧|24区の相談窓口・連絡先・利用方法を徹底解説【2026年版】もあわせてご覧ください。


書式の構成と全記載項目

本人情報シートは大きく5つのセクションで構成されています。最新書式(令和4年10月版)は最高裁判所ウェブサイトからWord形式でダウンロード可能です。

① 基本情報

本人氏名・年齢・性別・提出日・作成者の職種と氏名を記入します。

② 生活場所についての情報

「自宅」「施設」「病院」のいずれかにチェックし、施設名・住所・入所日・利用中の福祉サービス名を記入します。

③ 日常生活・社会生活の状況

日常的な行為(食事・入浴・排泄等)の状況を以下の選択肢から選び、具体的な状況を記述します。

  • ア)毎日の行為を適切に行うことができる
  • イ)他者の指示や援助が必要
  • ウ)多くの援助が必要
  • エ)その他

④ 重要な意思決定が必要となる課題

現在生じている課題、および今後発生が予想される課題を具体的に記述します。また、それに対する現在・今後の対応策を記入します。

⑤ 制度利用についての本人の認識

以下の3つから選択し、説明内容・本人の反応を記述します。

ケアマネについて詳しくは、ケアマネのための成年後見制度説明マニュアル|利用者家族へのわかりやすい伝え方【2026年版】もあわせてご覧ください。

  • ① 申立てをすることを説明しており、知っている
  • ② 説明したが、理解できていない
  • ③ 説明しておらず、知らない
本人情報シートをケアマネと高齢者が確認するシーン

項目別の書き方と文例

本人情報シートで最も大切なのは「客観的事実のみを書く」ことです。医学的診断や法的判断を先取りした表現は避け、日時・頻度・具体的な行動を記述してください。

生活場所の書き方

NG例 OK例
老人ホームに入所 特別養護老人ホーム○○園(大阪市天王寺区●●1-2-3)に2023年5月1日入所
訪問介護を利用 訪問介護(週3回)、通所介護・デイサービス(週2回)を利用

日常生活・社会生活の書き方

食事

  • NG:「食事が下手です」「食欲がない」
  • OK:「朝食は自分で食べられるが、1週間に2〜3回、箸を落とすことがある。夕食は視力低下のため職員が一部補助している」

入浴

  • NG:「入浴に介助が必要」
  • OK:「週3回(月・水・金)入浴を実施。浴槽への出入りに介助が必要だが、体の洗身はご本人が行える」

金銭管理

  • NG:「お金の管理ができない」
  • OK:「半年前、訪問販売で健康食品(30万円)を購入。家族が返品交渉を行い返金。以降、本人が単独で高額購入しないよう家族が見守りを強化している」

判断能力の表現で気をつけること

「判断能力がない」「認知症がある」という断定は医師・裁判所の役割です。ケアマネが書くのは観察した事実です。

NG(断定的表現) OK(観察した事実)
認知症がある 同じ質問を1時間に3〜4回繰り返すことがある
判断能力がない 複雑な説明を受けても、翌日には内容を覚えていないことが多い
心配な状態 月に2〜3回「財布を盗まれた」と職員に訴えることがある

本人の認識の書き方

①「説明しており、知っている」の場合
「『お金の管理が難しくなったので、裁判所の人が手伝うことになるかもしれない』と説明。本人は『わかった』と返答した。」

②「説明したが、理解できていない」の場合
「3回にわたって説明したが、数日後には説明の内容を覚えておらず、毎回初めて聞いたような反応を示す。」

③「説明しておらず、知らない」の場合
「認知機能の状態から複雑な説明の理解が困難と判断し、現時点では説明を行っていない。」

認知症について詳しくは、認知症高齢者の意思決定支援|4ステップの実務手順・場面別対応・後見制度連携まで徹底解説【2026年版】もあわせてご覧ください。

ケアマネが家族に本人情報シートを説明するシーン

3つのモデル記入例

モデル①:認知症(重度)・施設入所者

生活場所:特別養護老人ホーム○○園(大阪市●●区)2021年6月15日入所

日常生活の状況(ウを選択):
「食事・排泄・入浴など日常のあらゆる行為に多くの援助が必要。食事は職員の声掛けで応じるが、自発的に食卓に来ることはない。入浴は全介助。更衣も大部分の介助が必要。」

課題:
「現在:金銭管理は長女が行っている。今後:遺産分割手続きが発生する可能性があり、本人による判断・同意が困難と予想される。成年後見人による代理行為が必要になると考える。」

本人の認識(③を選択):
「認知機能の状態から制度についての説明を理解することが困難と判断し、説明を行っていない。」

モデル②:認知症(軽度)・在宅生活者

生活場所:自宅。訪問介護(週2回)・通所介護(週3回)・訪問看護(週1回)利用

日常生活の状況(イを選択):
「食事準備は介護職の援助で可能。入浴は自分でできるが順序が前後することがある。排泄は自立。季節に応じた衣類の選択に助言が必要。」

課題:
「同じものを複数回購入する、請求書の内容が理解できないなど金銭管理に課題が生じている。実家(地方)の親の施設入所に伴う費用分担について親族間で協議が必要な状況。本人名義の自宅(築30年)の修繕も検討が必要。」

本人の認識(②を選択):
「『お金の管理が難しくなったので裁判所の人が手伝うかもしれない』と3回説明。毎回『わかった』と返答するが、翌週には『初めて聞いた』という反応。内容の定着が難しい状況が続いている。」

モデル③:知的障害・グループホーム入所者

生活場所:障害者支援施設グループホーム●●(神奈川県横浜市)2020年3月1日入所

日常生活の状況(アを選択):
「食事は自分で調理・摂取できる。入浴・排泄は自立。季節に応じた衣類選択に職員の助言が必要。」

課題:
「今後、高齢の親からの相続が発生する可能性があり、遺産分割協議に本人独断での対応は困難と考える。重要な医療判断が必要となった場合も、法的な同意代理が必要になる可能性が高い。」

本人の認識(①を選択):
「『大事なお金のことや病気のことを決めるとき、裁判所から派遣された人が手伝う』とわかりやすく説明。本人は『わかった。親のことがあったとき手伝ってもらう』と理解を示した。」


よくある記入ミスと差し戻しを防ぐポイント

ミス1:医学的・法的判断を断定している

「認知症がある」「判断能力がない」は医師・裁判所の判断です。「同じことを繰り返す」「翌日に覚えていない」という観察事実に置き換えてください。

ミス2:施設名・住所が不正確

「老人ホーム入所中」ではなく、正式施設名・都道府県からの住所・入所日を正確に記入してください。

ミス3:対応策が「施設でサポート」だけ

「毎日午前10時と午後3時に職員が水分補給を声掛け」「月1回の出納帳確認を職員と共に行っている」など、頻度と内容を具体的に記述してください。

ミス4:本人情報シートと診断書の内容が矛盾している

シートの記載内容を事前に主治医と共有し、診断書との整合性を確認してください。不一致があると家庭裁判所から補正を求められる場合があります。

ミス5:本人への説明がない

本人の理解が困難な場合も「説明を試みた」という事実を記録し、シートにも記載してください。本人の基本的人権の尊重が制度の根幹にあります。

本人情報シートを家庭裁判所に提出するシーン

家庭裁判所が重視する5つのポイント

  • 課題の具体性:「現在生じている課題」と「今後予想される課題」の両方が具体的に書かれているか
  • 診断書との整合性:本人情報シートと医師の診断書で、本人の状態に矛盾がないか
  • 本人の意思の扱い:本人への説明が適切に試みられているか。反対意見がある場合はその事情が記載されているか
  • 後見人の必要性の根拠:現在の支援体制では対応できない具体的な事情があるか
  • 記載の客観性:主観的評価ではなく、具体的事実に基づいているか。作成者が日常的に本人と接していることが確認できるか

書式のダウンロード先

本人情報シートの最新書式(令和4年10月版)は以下から入手できます。

  • 最高裁判所:成年後見申立書式一覧ページよりWord形式でダウンロード可能
  • 各地の家庭裁判所:大阪家庭裁判所、横浜家庭裁判所など各庁のウェブサイトでも配布
  • 厚生労働省:「本人情報シート作成の手引(PDF)」に記載例・文例が掲載されている
  • 地域の成年後見センター:大阪市では「大阪市成年後見支援センター」で相談・書式配布を行っている

よくある質問

Q. 作成に特別な資格は必要ですか?

A. 資格そのものが要件ではありませんが、社会福祉士・精神保健福祉士・介護支援専門員など、本人の生活を専門的に支援している福祉職が作成することが求められています。一般介護職や家族による作成は適切ではありません。

Q. 本人に内容を見せる必要はありますか?

A. 内容の開示義務はありませんが、本人への説明と同意を得るよう努めることが倫理的に求められます。理解が困難な場合でも、「説明を試みた」という記録を残すことが重要です。

Q. 作成にどれくらい時間がかかりますか?

A. 慣れていない場合、初回は2〜3時間かかることがあります。本人情報の整理・確認に時間が必要なため、申立てを検討する段階で早めに準備を始めることをおすすめします。

Q. 書式の記載欄に収まらない場合は?

A. Word形式のため欄を拡張して記載できます。情報量が多い場合は別紙を添付することも可能です。内容の正確さを優先してください。

Q. 更新や修正は必要ですか?

A. 本人の状況が大きく変化した場合(入院・施設変更・認知機能の著しい低下など)、最新の情報に更新したシートを準備することが望ましいです。


まとめ

本人情報シートは「医師に本人の生活実態を正確に伝える」ことを目的とした書類です。ポイントをまとめると:

  • 作成者は社会福祉士・ケアマネなど福祉専門職に限る
  • 「客観的な事実のみ」を具体的な日時・頻度・行動で記述する
  • 医学的診断・法的判断は記載しない
  • 本人への説明とその記録を残す
  • 主治医と事前に情報共有し、診断書との整合性を確認する

はじめて作成する場合や、書き方に不安がある場合は、地域の成年後見支援センターや地域包括支援センターに相談することをおすすめします。

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