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遺品整理・住居の片付けを委任する方法|死後事務委任契約の活用・費用・業者選びを徹底解説【2026年版】
投稿日/2026.04.03 更新日/2026.04.03
カテゴリー:死後事務委任

「自分が亡くなったあと、部屋の片付けは誰がしてくれるのだろう」――おひとりさまや身寄りのない方にとって、死後の遺品整理や住居の片付けは切実な不安です。相続人がいない場合、遺品はそのまま放置され、賃貸住居では大家さんや管理会社に多大な迷惑がかかることもあります。
この記事では、死後事務委任契約を活用して遺品整理・住居の片付けを事前に委任する方法を中心に、費用相場・信頼できる業者の選び方・賃貸退去の手続き・トラブル防止策まで、2026年の最新情報を踏まえて徹底解説します。「自分の死後のことを、今のうちにきちんと備えておきたい」という方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
死後の遺品整理はなぜ問題になるのか
人が亡くなると、故人の所有物はすべて「相続財産」となります(民法896条)。つまり、遺品の処分には原則として相続人全員の合意が必要です。しかし、相続人がいない方や、相続人がいても疎遠になっている方の場合、遺品の処分がスムーズに進まないケースが少なくありません。
とくに賃貸住宅にお住まいの方は注意が必要です。賃借人が亡くなっても賃貸借契約は自動的に終了せず、相続人に承継されます。相続人がいなければ、大家さんは家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申し立てなければならず、明け渡しまでに長い期間と費用がかかります。
総務省の調査によると、65歳以上の一人暮らし世帯は年々増加しています。「自分の死後、部屋はどうなるのか」という不安を抱える方は、今後ますます増えていくでしょう。だからこそ、元気なうちに遺品整理や住居の片付けについて備えておくことが大切です。
死後事務委任契約で遺品整理を委任する方法
遺品整理や住居の片付けを、生前に信頼できる第三者へ委任する方法として注目されているのが「死後事務委任契約」です。
死後事務委任契約の法的根拠
死後事務委任契約は、民法643条(委任)および656条(準委任)を根拠とする契約です。「委任者が死亡したら契約は終了するのでは?」と思われるかもしれませんが、最高裁平成4年9月22日判決では、死後の事務を委任する特約は有効であると明確に認められています。民法653条(委任の終了事由)は任意規定であり、当事者間の合意で排除できるとされています。
遺品整理で委任できる具体的な内容
死後事務委任契約では、遺品整理に関して以下のような内容を委任することができます。
- 家財道具・日用品の処分や廃棄の手配
- 思い出の品の形見分け(受取人の指定も可能)
- 賃貸住居の明け渡し手続き・原状回復の手配
- 電気・ガス・水道などの公共料金の解約手続き
- パソコン・スマートフォン・SNSアカウントなどのデジタル遺品の整理・削除
これらの内容を契約書に具体的に記載しておくことで、死後にスムーズな対応が可能になります。なお、国交省・法務省が公表している「残置物の処理等に関するモデル契約条項」も参考にすると、賃貸住居での遺品処分について、より明確な取り決めができます。
遺品整理の費用相場|間取り別の料金目安
遺品整理を業者に依頼する場合、費用は住居の広さや物量によって大きく変わります。以下の表は、一般的な遺品整理業者の間取り別の料金目安です。
| 間取り | 料金相場 | 作業人数 | 作業時間 |
|---|---|---|---|
| 1R・1K | 30,000~80,000円 | 1~2名 | 1~2時間 |
| 1DK | 50,000~120,000円 | 2~3名 | 2~4時間 |
| 1LDK | 70,000~200,000円 | 2~4名 | 2~6時間 |
| 2DK | 90,000~250,000円 | 2~5名 | 2~6時間 |
| 2LDK | 120,000~300,000円 | 3~6名 | 3~8時間 |
| 3DK | 150,000~400,000円 | 3~7名 | 4~10時間 |
| 3LDK | 170,000~500,000円 | 4~8名 | 5~12時間 |
| 4LDK以上 | 220,000~600,000円 | 4~10名 | 6~15時間 |
費用に影響する要因
上記はあくまで目安であり、実際の費用は以下の要因で変動します。
- 荷物の量や重量(物が多いほど高くなる)
- 建物の立地・階数(エレベーターなしの上階は割増)
- 作業の緊急度(急ぎの依頼は追加料金が発生することも)
- 特殊清掃の有無(孤独死などの場合は別途費用が必要)
- 買取可能な品物の有無(買取額を差し引ける場合がある)
費用を抑えるためのポイント
遺品整理の費用をできるだけ抑えるには、以下の方法が有効です。
- 複数の業者から相見積もりを取る(最低3社推奨)
- 生前整理で不要品を減らしておく
- 買取サービスのある業者を選ぶ
- 自治体の粗大ごみ回収を併用する

信頼できる遺品整理業者の選び方6つのポイント
遺品整理業者の数は急増しており、2015年の約2,560社から2021年には約12,541社と、わずか6年で5倍に増えています。業者の質もさまざまですので、信頼できる業者を見極めるためのポイントを押さえておきましょう。
ポイント1:一般廃棄物収集運搬許可を持っているか
遺品を廃棄物として処分するには、自治体から「一般廃棄物収集運搬許可」を取得している必要があります。無許可で廃棄物を運搬・処分した場合、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金という重い罰則があります。業者に依頼する際は、必ず許可の有無を確認しましょう。
ポイント2:古物商許可を持っているか
遺品の中から価値のある品物を買い取ってもらう場合、業者には「古物商許可」が必要です。買取サービスを利用することで遺品整理の費用を抑えられることもありますので、許可の有無を確認したうえで依頼すると安心です。
ポイント3:遺品整理士の資格を持つスタッフがいるか
遺品整理士は、一般社団法人遺品整理士認定協会が認定する民間資格で、全国で30,000人以上が取得しています。遺品の取り扱いに関する専門知識やマナーを身につけた証ですので、有資格者が在籍している業者を選ぶとより安心です。
ポイント4:訪問見積もりに対応しているか
電話やメールだけで見積もりを出す業者は、当日に追加料金を請求するリスクがあります。現地を確認したうえで正確な見積もりを出してくれる業者を選びましょう。訪問見積もりが無料かどうかも事前に確認しておくと安心です。
ポイント5:見積書の内訳が明確か
「一式○○円」といった大ざっぱな見積もりではなく、作業内容ごとに内訳が記載された見積書を出してくれる業者を選びましょう。内訳が明確であれば、不当な追加請求を防ぐことができます。
ポイント6:損害賠償保険に加入しているか
作業中に建物や残す予定の品物を破損してしまうリスクはゼロではありません。万が一のトラブルに備えて、損害賠償保険に加入している業者を選ぶことが重要です。
賃貸住居の退去手続きと費用負担
賃貸住宅にお住まいの方が亡くなった場合、退去手続きはどのように進むのでしょうか。ここでは、手続きの流れと費用負担について解説します。
賃借権の相続と退去の流れ
賃借人が亡くなっても、賃貸借契約は自動的には終了しません。賃借権は相続財産として相続人に承継されます。退去までの一般的な流れは以下のとおりです。
- ステップ1:相続人の確認・連絡
- ステップ2:賃貸借契約の解約通知(相続人から大家さんへ)
- ステップ3:遺品整理業者の手配
- ステップ4:遺品の搬出・処分
- ステップ5:室内の清掃・原状回復工事
- ステップ6:鍵の返却・明け渡し
- ステップ7:敷金の精算・費用の支払い
退去にかかる費用と負担者
| 費用の種類 | 費用の目安 | 負担者 |
|---|---|---|
| 遺品整理費用 | 間取りにより異なる(上記参照) | 相続人(または死後事務受任者) |
| 原状回復費用 | 1LDK:約13万円~ / 2LDK:約21万円~ | 相続人(通常損耗は大家負担) |
| 死亡後~明け渡しまでの家賃 | 月額家賃×期間 | 相続人または連帯保証人 |
| 特殊清掃費用(必要な場合) | 1K~1LDK:3~20万円 | 相続人(または連帯保証人) |
原状回復費用については、国交省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に基づき、通常の使用による損耗(経年劣化)は大家さんの負担、借主の故意・過失による損傷は借主側の負担というのが原則です。
なお、2020年4月の民法改正以降、個人の連帯保証人については「極度額」(保証の上限額)を定めなければ保証契約自体が無効となります。連帯保証人の方がいる場合は、契約内容を確認しておくことをおすすめします。
遺品整理のトラブル事例と防止策
遺品整理業者の急増に伴い、残念ながらトラブルも増えています。国民生活センターへの遺品整理に関する相談件数は、2013年の73件から2017年には105件へと増加しました。約4割の利用者が何らかのトラブルを経験しているという調査結果もあります。
よくあるトラブル事例
- 不当な追加請求:見積もり時には提示されなかった費用を作業当日に請求される
- 貴重品の盗難・紛失:現金・貴金属・重要書類などが作業後に見つからない
- 不法投棄:引き取った遺品を適正に処理せず、山林や空き地に不法投棄する
トラブルを防ぐための対策
- 必ず複数社から見積もりを取り、相場と大きくかけ離れた業者は避ける
- 見積書は書面でもらい、追加料金の条件を事前に確認する
- 貴重品は事前に自分で保管・リスト化しておく
- 作業時にはできるだけ立ち会う(立ち会えない場合は写真記録を依頼する)
- トラブルが発生したら、消費者ホットライン(188)に相談する
生前にできる5つの準備|遺品整理の負担を減らすために
遺品整理の負担を大幅に軽減するためには、元気なうちからの準備が何より大切です。以下の5つの取り組みを、できることから始めてみましょう。
1. 生前整理で持ち物を減らす
不要な衣類・家具・家電などを少しずつ処分し、本当に必要なものだけを残しましょう。物の量が減れば、遺品整理の費用も時間も大幅に削減できます。自治体の粗大ごみ回収やリサイクルショップも活用すると効率的です。
2. エンディングノートに希望を記す
遺品の処分方法や形見分けの希望をエンディングノートに記しておきましょう。「この品物は○○さんに渡してほしい」「不要なものは処分してよい」など、具体的に書いておくことで、遺された方の判断の負担を減らせます。
3. 財産目録を作成する
預貯金・有価証券・不動産・保険・貴金属など、すべての財産をリスト化しておきましょう。財産目録があれば、相続手続きがスムーズに進むだけでなく、遺品整理の際に「何を残すべきか」の判断がしやすくなります。
4. デジタル遺品を整理する
パソコンやスマートフォンの中にあるデータ、SNSアカウント、ネット銀行やサブスクリプションサービスなどのデジタル遺品は、見落とされがちです。ID・パスワードの一覧を安全な場所に保管し、不要なアカウントは生前に削除しておきましょう。
5. 死後事務委任契約を結ぶ
遺品整理を含む死後の手続きを確実に実行してもらうには、死後事務委任契約が最も有効な手段です。信頼できる専門家や事業者と契約を結び、遺品の処分方法・住居の明け渡し・公共料金の解約などを具体的に取り決めておくことで、死後の不安を大きく解消できます。

よくある質問(FAQ)
Q. 遺品整理と生前整理の違いは何ですか?
遺品整理は、故人が亡くなったあとに遺族や第三者が行う片付けのことです。一方、生前整理はご本人が元気なうちに自分の判断で持ち物を整理することを指します。生前整理を進めておくと、遺品整理の負担が大幅に軽減されます。
Q. 死後事務委任契約の費用はどれくらいですか?
死後事務委任契約の費用相場は、全体で約50万~200万円です。このうち、契約時に預ける「預託金」は90万~160万円程度が一般的です。遺品整理の部分は実費精算となるケースが多く、間取りや物量に応じて変動します。
Q. 相続人がいても死後事務委任契約は利用できますか?
はい、利用できます。相続人がいる場合でも、遠方に住んでいる・高齢である・関係が疎遠であるなどの理由で、死後の手続きを頼みにくいケースは少なくありません。そうした場合に、専門家や事業者に死後事務を委任しておくことで、相続人の負担を軽減できます。ただし、相続人とのトラブルを防ぐため、事前に相続人へ契約の存在を伝えておくことをおすすめします。
Q. 孤独死の場合、特殊清掃費用はどれくらいかかりますか?
孤独死の場合は、通常の遺品整理費用に加えて特殊清掃費用が必要になります。1K~1LDKの場合、特殊清掃費用は3~20万円が目安です。さらに原状回復費用が平均約38万円、残置物処理費用が平均約24万円かかるケースもあります。発見までの期間や現場の状態によって費用は大きく異なりますので、早めの専門業者への相談が重要です。
まとめ
遺品整理や住居の片付けは、おひとりさまや身寄りのない方にとって大きな不安の一つです。しかし、死後事務委任契約を活用すれば、遺品の処分・住居の明け渡し・公共料金の解約まで、すべてを事前に委任しておくことができます。
大切なのは、元気なうちに少しずつ準備を進めることです。生前整理で物を減らし、エンディングノートに希望を書き留め、信頼できる専門家と死後事務委任契約を結ぶ。こうしたステップを一つずつ踏んでいくことで、死後の不安は確実に軽くなります。
「何から始めたらいいかわからない」「自分に合った備え方を知りたい」という方は、まずは専門家に相談してみることをおすすめします。
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