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60代で始める終活|やるべき10のことを優先順位付きで徹底解説【2026年版】

投稿日/2026.03.24 更新日/2026.04.30

カテゴリー:終活支援

「そろそろ終活を始めたほうがいいのかな」「でも何から手をつければいいのかわからない」——60代になり、漠然とそう感じている方は多いのではないでしょうか。実は60代は終活を始めるベストタイミングです。体力と判断力が十分にあり、定年前後で時間の余裕も生まれるこの時期だからこそ、後悔のない準備ができます。この記事では、60代特有の課題を踏まえ、健康なうちにやっておくべき10のことを優先順位付きで解説します。費用の目安から最新の法改正情報まで、この1本で「60代の終活」の全体像がつかめます。


目次

なぜ60代が終活のベストタイミングなのか

60歳以上を対象にした調査では、約7割が「終活をすでに始めている」または「将来的にしたい」と回答しています。その最大の動機は「家族に迷惑をかけたくない」というもの。しかし、終活は「死への備え」だけではありません。近年では「残りの人生をより自分らしく豊かに生きるための前向きな活動」として捉える方が増えています。

任意後見契約について詳しくは、任意後見契約とは?わかりやすく解説|法定後見との違い・費用・手続きの流れもあわせてご覧ください。

60代が最適な3つの理由

  • 判断力が十分にある:遺言書や任意後見契約などの法的手続きは、判断能力があるうちにしか行えません。70代以降は認知症リスクが急上昇し、契約そのものが無効になる可能性があります
  • 体力がある:断捨離や生前整理には体力が必要です。60代のうちに取り組めば、自分のペースで無理なく進められます
  • 定年前後で生活を見直す時期:退職金の使い道、保険の見直し、住まいの検討など、ライフプラン全体を再設計する絶好のタイミングです

60代の終活でやるべき10のこと|優先順位付きリスト

すべてを一度にやる必要はありません。以下の優先順位で、できることから着手しましょう。

優先度 やるべきこと 費用目安
最優先 1. エンディングノートの作成 0〜1,000円
最優先 2. 財産の棚卸し・整理 0円
高 3. 遺言書の作成 約4,000円〜40万円
高 4. 保険の見直し 0円(相談無料)
中 5. 生前整理・断捨離 0〜50万円
中 6. お墓・葬儀の事前検討 数十万〜数百万円
中 7. デジタル終活 0円
中 8. 任意後見契約の検討 約2万〜25万円
中 9. 医療・介護の意思表明 0円
継続 10. 家族との対話 0円

それぞれ詳しく見ていきましょう。

生前整理について詳しくは、生前整理の進め方|断捨離との違い・5ステップのやり方・チェックリスト【2026年版】もあわせてご覧ください。


【1】エンディングノートの作成|終活の第一歩

エンディングノートは法的拘束力はありませんが、自分の意思を家族に伝えるための最も手軽で重要なツールです。遺言書には書けない医療・介護の希望、葬儀の要望、デジタル資産の情報なども記録できます。

エンディングノートについて詳しくは、エンディングノートの書き方|書くべき14項目・渡し方・おすすめテンプレート【2026年版】もあわせてご覧ください。

記載すべき主な項目

  • 自分の基本情報(氏名、生年月日、本籍、マイナンバー、健康保険証番号)
  • 金融情報(銀行口座、クレジットカード、証券口座、電子マネー・ポイント)
  • 保険情報(生命保険・医療保険の証券番号、保険会社、受取人)
  • 医療・介護の希望(延命治療、臓器提供、かかりつけ医、介護施設の希望)
  • 葬儀・お墓の希望(形式、宗派、遺影用写真)
  • デジタル資産(SNSアカウント、サブスク一覧、ID・パスワード)
  • 大切な人へのメッセージ

書き方のコツ

  • 市販のエンディングノート(500〜1,000円程度)を活用すると項目が印刷済みで書きやすい
  • 一度に完成させようとせず、書ける項目から少しずつ埋めていく
  • 年に1回は内容を見直す
  • 保管場所を必ず信頼できる家族に伝える(見つけてもらえなければ意味がありません)

【2】財産の棚卸し・整理|相続トラブルを未然に防ぐ

相続で最も揉めるのは、「財産の全体像が誰にもわからない」ケースです。60代のうちにすべての資産と負債を一覧化しておきましょう。

棚卸しのチェックリスト

分類 具体的な項目
預貯金 銀行名・支店名・口座番号・概算残高
不動産 所在地・面積・評価額・ローン残高
有価証券 株式・投資信託・債券・NISA口座
保険 生命保険・個人年金の解約返戻金
その他資産 自動車・貴金属・暗号資産・電子マネー
負債 住宅ローン・カードローン・保証債務

作成した財産目録は、エンディングノートとあわせて保管しておくと安心です。なお、2024年4月から相続登記が義務化されています。未登記の不動産がある場合は2027年3月31日までに登記が必要(正当な理由なく違反すると10万円以下の過料)ですので、この機会に確認しておきましょう。

エンディングノートに丁寧に記入する60代女性のイラスト

【3】遺言書の作成|「うちは揉めない」が一番危ない

「遺産が少ないから遺言書は不要」と思っていませんか?実は、家庭裁判所に持ち込まれる遺産分割調停の約75%は遺産額5,000万円以下のケースです。遺言書は財産の多寡に関わらず、すべての方に必要です。

遺言書の種類と比較

項目 自筆証書遺言 公正証書遺言
作成方法 全文を自筆(財産目録はPC可) 公証人の面前で口述
費用 ほぼ無料(法務局保管は3,900円) 数万円〜(財産額により変動)
証人 不要 2名以上必要
メリット 手軽、費用が安い 無効になりにくい、紛失リスクなし
検認 必要(法務局保管なら不要) 不要

法務局の自筆証書遺言書保管制度

2020年に始まったこの制度は年々利用が増加しており、2024年の保管申請件数は23,419件(累計約79,000件)に達しています。保管手数料はわずか3,900円で、家庭裁判所での検認が不要になるため、手軽に安全な保管が可能です。

公正証書遺言の費用目安

2025年10月に手数料が改定されました。財産額に応じて手数料が変動します。

財産の価額 手数料
500万円超〜1,000万円以下 17,000円
1,000万円超〜3,000万円以下 23,000円
3,000万円超〜5,000万円以下 29,000円
5,000万円超〜1億円以下 43,000円

※財産総額が1億円以下の場合は「遺言加算」として13,000円が別途必要です。専門家に依頼する場合は、行政書士で5〜10万円、弁護士で10〜30万円が相場です。

公正証書遺言について詳しくは、自筆証書遺言と公正証書遺言の違い|費用・手続き・どちらを選ぶべきか徹底比較【2026年版】もあわせてご覧ください。


【4】保険の見直し|ライフステージの変化に合わせる

60代は子どもの独立や住宅ローンの完済など、ライフステージが大きく変わる時期です。「入りっぱなし」の保険を見直すことで、無駄な支出を減らしつつ必要な保障を確保できます。

生命保険の見直しポイント

  • 子どもが独立したら、死亡保障の大幅な減額を検討(500万〜1,000万円程度に)
  • 住宅ローン完済後は、団体信用生命保険の分も不要に
  • 必要な死亡保障額 = 葬儀費用 + 配偶者の当面の生活費 + 相続関連費用

医療保険の見直しポイント

  • 60代以降は入院・手術のリスクが急増するため、医療保障は維持または充実させる
  • がん保険・三大疾病特約の付加を検討
  • 年金生活を見据え、無理なく払い続けられる保険料かを確認

【5】生前整理・断捨離|体力があるうちに

生前整理は終活の中でも特に「体力」が必要な作業です。70代・80代になってから後悔しないよう、60代のうちから少しずつ始めましょう。

進め方の5つのコツ

  • 部屋ごとに取り組む:一度に全部やろうとせず、「今日はクローゼット」など場所を決めて少しずつ
  • 3つの箱ルール:「残す」「処分する」「保留」の3つに分類する
  • 1年ルール:1年以上使っていない物は原則として処分対象
  • 思い出の品は最後に:感情的な判断が難しい写真や手紙は後回しに
  • 家族に確認:処分前に「欲しい物はないか」と声をかける

業者に依頼する場合の費用

間取り 費用相場
1DK〜1LDK 5万〜20万円
2DK〜2LDK 9万〜30万円
3DK〜3LDK 17万〜50万円

自分で進めれば費用はゼロです。無理のないペースで、1日15分からでも始めてみましょう。

公証役場で専門家と遺言書について相談する60代男性のイラスト

【6】お墓・葬儀の事前検討|選択肢を知っておく

葬儀やお墓は、いざという時に慌てて決めると後悔しやすい項目です。元気なうちに選択肢を把握し、希望をエンディングノートに書いておきましょう。

葬儀の形式と費用相場

形式 参列人数 費用相場
直葬(火葬式) 家族数名 約20万〜40万円
一日葬 10〜30名 約40万〜80万円
家族葬 10〜30名 約50万〜150万円
一般葬 30名以上 約100万〜200万円

お墓の種類と費用相場

種類 費用相場
一般墓(新規購入) 約150万〜300万円
樹木葬 約5万〜150万円
納骨堂 約30万〜150万円
永代供養墓(合祀型) 約5万〜30万円
海洋散骨 約5万〜30万円

墓じまいを検討している方は、撤去・供養・改葬先の費用を含め約30万〜300万円が必要です。生前予約や事前相談で割引が受けられるケースもありますので、早めの情報収集がおすすめです。


【7】デジタル終活|見えない資産を整理する

スマホやパソコンに保存された「デジタル遺品」が遺族を困らせるケースが急増しています。国民生活センターも2024年に注意喚起を発表しました。

やるべき4つのこと

  • デジタル資産の棚卸し:SNSアカウント、ネットバンキング、暗号資産、サブスクリプション、クラウドストレージなどを一覧化
  • ID・パスワードの記録:エンディングノートの専用ページやパスワード管理アプリに記録し、信頼できる人に保管場所を伝える
  • 各サービスの死後対応を設定:Googleの「アカウント無効化管理ツール」、Facebookの「追悼アカウント管理人」など、事前設定しておく
  • 不要なサブスクの解約:使っていないサービスを整理するだけで月数千円の節約にもなる

注意:遺族が故人のスマホやPCのパスワードを知らない場合、ロック解除は極めて困難です。端末のパスコードは必ず信頼できる家族に伝えておきましょう。


【8】任意後見契約の検討|認知症に備える

日本の認知症患者数は2025年時点で約675万人と推計されています。60代は認知症リスクが本格的に高まる前の「備えのラストチャンス」ともいえる時期です。

任意後見制度とは

判断能力があるうちに、将来の財産管理や身上監護を任せる人(任意後見人)を自分で選んで契約する制度です。公証役場で公正証書として作成します。

項目 任意後見 法定後見
利用時期 判断能力がある段階で契約 判断能力が低下した後に申立て
後見人の選任 自分で選べる 家庭裁判所が選任
権限の範囲 契約で自由に決定 法律で決定
費用 契約作成:約2万〜25万円 申立て費用+後見人報酬

2026年の成年後見制度大改正

現在、成年後見制度の大幅な見直しが進行中です。主な改正ポイントは以下の通りです。

  • 3類型(後見・保佐・補助)の一本化:「補助」に統合し、必要な範囲に限った支援設計が可能に
  • 終身制の廃止:保護の必要性がなくなれば途中終了が可能に
  • 後見人の交代の円滑化:相性に応じた選び直しが可能に

この改正により法定後見制度はより柔軟になりますが、「自分で後見人を選べる」のは任意後見だけです。判断能力があるうちに契約を結んでおくことの重要性は変わりません。


【9】医療・介護の意思表明|家族の判断負担を減らす

万が一、自分で意思を伝えられなくなった時に備え、医療・介護に関する希望を事前に表明しておくことが大切です。

リビングウィル(事前指示書)

延命治療の希望や臓器提供の意思などを文書で残すものです。日本では法的拘束力はありませんが、厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」により、本人の意思を最大限尊重する方向が示されています。

ACP(アドバンス・ケア・プランニング/人生会議)

ACPとは、将来の医療・ケアについて、本人を主体に家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合うプロセスです。書面を残すだけでなく、対話を通じてお互いの理解を深めることが重視されています。

  • 延命治療(人工呼吸器、胃ろうなど)に対する希望
  • 介護が必要になった場合の希望(在宅 or 施設)
  • 認知症になった場合の希望
  • 最期を迎えたい場所

これらの内容はエンディングノートに記載し、定期的に見直しましょう。

60代の両親と30代の子どもたちが食卓を囲んで終活について話し合うイラスト

【10】家族との対話|終活は一人で完結しない

終活で最も重要でありながら、最も後回しにされがちなのが家族との対話です。

配偶者との意見の違いへの対処

葬儀の規模、お墓の形式、住み替えのタイミングなど、夫婦間で意見が分かれることは珍しくありません。無理に統一しようとせず、お互いの希望を尊重しながら話し合いましょう。第三者(終活カウンセラーやFPなど)を交えるのも有効です。

子どもへの切り出し方

  • 「終活」という言葉をいきなり使わず、「最近、保険の見直しをしたんだけど」など自然な流れで
  • お盆やお正月など家族が集まるタイミングを活用
  • 一方的に決定事項を伝えるのではなく、子どもの意見にも耳を傾ける
  • 全てを一度に話そうとせず、複数回に分けて段階的に

家族会議で話し合うべきテーマ

  • 介護が必要になった場合の希望と費用の見通し
  • 保有資産・収支の概要
  • 遺産の分け方に関する意向
  • お墓の承継
  • 葬儀の希望

知っておくべき最新の法改正【2026年版】

60代の終活に直結する、近年の重要な法改正をまとめました。

相続登記の義務化(2024年4月施行)

相続で不動産を取得した場合、所有権取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する義務が課されました。2024年4月より前に相続した不動産も対象で、2027年3月31日までに登記が必要です。違反すると10万円以下の過料が科されます。

生前贈与加算の期間延長(2024年1月〜)

相続開始前の生前贈与について、相続財産に加算される期間が従来の3年から7年に延長されました(段階的に適用、2031年以降は完全に7年)。60代で生前贈与を始める場合、早く始めるほど有利です。

相続時精算課税制度の改正(2024年1月〜)

相続時精算課税制度を選択した場合でも、毎年110万円の基礎控除が新設されました。基礎控除以下の贈与は申告不要で、相続時の加算対象からも除外されます。従来よりも使い勝手が大幅に向上しました。

成年後見制度の大改正(2026年)

前述の通り、3類型の一本化、終身制の廃止、後見人交代の円滑化など、制度創設以来最大の改正が進行中です。


おひとりさまの60代が特に注意すべきこと

65歳以上の単身世帯は2022年時点で約873万世帯に達し、10年間で約1.5倍に急増しています。おひとりさまは通常の終活に加えて、以下の対策が不可欠です。

身元保証サービスの検討

入院や施設入所の際には身元保証人が求められるのが一般的です。身寄りがない方は、民間の身元保証サービスの利用を検討しましょう。費用相場は初期費用30〜50万円+月額費用が一般的です。

2024年6月には政府が「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を公表し、事業者選びの基準が明確化されました。契約前には必ず複数社を比較し、預託金の管理方法や解約条件を確認しましょう。

死後事務委任契約

自分の死後に必要な手続き(葬儀手配、行政届出、各種契約の解約、SNSアカウントの削除等)を第三者に委任する契約です。費用の目安は契約作成費8〜10万円、執行費用50〜100万円程度です。公正証書で作成することが推奨されます。

見守り・安否確認サービス

孤独死のリスクに備え、見守りサービスの利用を検討しましょう。緊急通報型、訪問型、センサー型など種類が多いため、自分の生活スタイルに合ったものを選ぶことが大切です。自治体の無料サービスも活用しましょう。


よくある質問(FAQ)

Q1. 60代で終活を始めるのは早すぎませんか?

いいえ。60代は体力・判断力が十分にある終活のゴールデンタイムです。遺言書や任意後見契約は判断能力があるうちにしか作成できません。「早すぎた」と後悔する人はほぼいませんが、「もっと早く始めればよかった」と後悔する方は非常に多いです。

Q2. エンディングノートと遺言書の違いは?

エンディングノートには法的拘束力がありません。医療や葬儀の希望など自由に書けますが、財産の分配を法的に有効にするには別途遺言書が必要です。両方を作成するのが理想です。

Q3. 終活にかかる費用はどのくらいですか?

最低限のプラン(エンディングノート+自筆証書遺言)なら数千円で始められます。公正証書遺言の作成や葬儀・お墓の準備まで含めると数十万〜数百万円が目安です。

Q4. 親の終活と自分の終活を同時に進めるにはどうすれば?

60代は「自分の将来の備え」と「80〜90代の親の介護」に同時に直面する世代です。まず自分のエンディングノートを作成しながら、親にも「一緒に書いてみない?」と声をかけるのが自然な進め方です。地域包括支援センターでは親の介護と自分自身の相談を同時に受けてくれます。

Q5. 配偶者と終活の考えが合わない場合はどうすれば?

無理に意見を統一する必要はありません。夫婦それぞれがエンディングノートを作り、お互いの希望を知っておくことが大切です。葬儀の形式やお墓の選択は「正解」がないため、相手の価値観を尊重する姿勢が重要です。


まとめ|今日からできる最初の一歩

60代の終活は、決して「死への準備」ではありません。残りの人生をより安心に、より自分らしく生きるための前向きな行動です。

すべてを一度にやる必要はありません。まずは以下の3つから始めてみませんか。

  • エンディングノートを1冊購入する(書店やネットで500〜1,000円)
  • 銀行口座と保険証券を一覧にしてみる(紙でもスマホのメモでもOK)
  • 家族に「終活を始めたよ」と伝える(これだけで大きな一歩です)

身元保証や死後事務委任、任意後見契約など、おひとりさまの終活や専門的なご相談は「つながりサポート」にお任せください。お一人おひとりの状況に合わせた最適なプランをご提案いたします。まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

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