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親の認知症と財産管理|豊中市で相談する前に知っておきたい対応

投稿日/2026.10.28 更新日/2026.10.28

カテゴリー:任意後見・成年後見、大阪・関西エリア情報

「最近、親の物忘れが増えてきた」「通帳の場所が分からなくなったと言っている」。親御さんの様子に変化を感じたとき、まず頭に浮かぶのは、預貯金や実家、公共料金の支払いといったお金と財産の管理ではないでしょうか。

認知症の親の財産管理は、親御さんの判断能力が十分か、すでに低下しているかによって、とれる対応が大きく変わります。この記事では、財産管理で困る場面、やってはいけないこと、判断能力があるうちにできる備え、すでに低下している場合の対応、場面別の整理、そして豊中市での相談先の選び方まで、順を追って解説します。

親の認知症で、財産管理が困る場面

銀行の手続きができなくなる

親御さんの口座から、生活費や医療費を引き出したいのに、窓口で本人確認や意思の確認を求められ、手続きが進まないことがあります。金融機関が、名義人の判断能力が低下していると把握した場合、口座の取引が制限されることがあります。取扱いは金融機関によって異なるため、一律には言えませんが、「親の口座だから、子どもが自由に使える」わけではない点に注意が必要です。

実家の売却や賃貸の管理ができない

親御さん名義の自宅や賃貸物件は、名義人である親御さん本人にしか、売却や契約の判断はできません。認知症で判断能力が低下すると、家族が「本人のために」と考えても、代わりに売ることはできません。たとえば、施設入所の費用を、実家の売却で賄いたい場合でも、手続きが止まってしまいます。

施設費用や医療費の支払いが滞る

入院や施設入所の費用の支払いは、継続的に発生します。親御さんの口座が使えなくなると、費用の支払い方法を、家族が立て替えるなどの方法でしのぐことになりがちです。立て替えが長引くと、家族の負担が重くなり、他の兄弟姉妹との間でトラブルになることもあります。

詐欺や不要な契約の被害に遭う

判断能力が低下すると、訪問販売や電話勧誘、リフォーム詐欺、投資の勧誘などの被害に遭いやすくなります。判断能力が不十分な状態で結んだ契約は、後から問題になる場合がありますが、被害を回復するのは簡単ではありません。被害に遭う前の予防が、何より重要です。

「判断能力がある」と「ない」の境目は一律ではない

「認知症と診断された=すべての契約ができない」わけではありません。判断能力は、本人の状態や、契約の内容(日用品の購入なのか、不動産の売却なのか)によって異なります。境目は、一律には決められません。判断に迷う場合は、医師の診断や、専門家への相談を通じて、確認する必要があります。

財産管理の面で気づきやすいサイン

認知症が進む前に、日常のお金の扱いに、次のような変化が現れることがあります。診断のための基準ではありませんが、早めの備えを考えるきっかけになります。

  • 通帳やキャッシュカード、印鑑の置き場所が分からなくなり、何度も探している
  • 同じ物を何度も買ってくる、不要な高額商品や契約が増えている
  • 公共料金や税金、クレジットカードの請求の支払いを忘れる、督促状が届いている
  • 暗証番号を思い出せず、窓口で何度も手続きに手間取る
  • 見知らぬ業者や、不審な電話について話すようになった

こうした変化に気づいたら、まずは、かかりつけ医や地域包括支援センターに相談し、本人の状態を確認することが大切です。そのうえで、判断能力が十分なうちに、備えを進めましょう。

やってはいけない・注意したいこと

親御さんのためを思ってしたことが、後でトラブルや、法的な問題につながることがあります。次の点には、特に注意してください。

家族が、親の通帳から本人の同意なく引き出す

親御さんの生活費に使う目的でも、本人の同意がないまま、通帳やキャッシュカードを使って引き出すと、トラブルのもとになります。他の兄弟姉妹から「使い込んだのではないか」と疑われたり、相続の際に争いになったりすることもあります。引き出した金額と使い道は、領収書などで記録を残しておくことが大切です。

親のふりをして、手続きをする

金融機関や役所の窓口で、親御さんの署名を代わりに書いたり、親御さん本人になりすまして手続きをしたりすると、民事上・刑事上の問題になるおそれがあります。たとえ善意であっても、避けてください。

親名義の不動産を、家族が勝手に売る

前述の通り、本人名義の不動産は、本人の意思がなければ売却できません。権利証や印鑑を持っているからといって、家族が代わりに売却の契約をすることは、できません。無理に進めると、売買が無効になるおそれがあります。

親の財産を、家族のために使う

親御さんの財産は、あくまで親御さん本人のために使うものです。子どもの生活費や住宅の購入資金に流用すると、後で返還を求められる場合があります。また、相続税対策のための生前贈与なども、判断能力が低下した後は、本人の意思確認ができないため、原則として行えません。

【判断能力が十分なうちに】今できる備え

備えの選択肢の比較

親御さんの判断能力が十分にあるうちは、次のような備えが選べます。

備え何に備えるか主な注意点
任意後見契約判断能力が低下した後の、財産管理・契約の支援取消権がない。契約から効力が生じるまでの空白がある
家族信託財産の管理・処分を、家族に託す信頼できる受託者が必要。財産管理が中心で、身上監護は対象外
財産管理等委任契約判断能力はあるが、体が不自由な場合の手続きの代行判断能力が低下すると、効力に疑問が生じることがある
見守り契約定期的な連絡や訪問による状況確認財産管理の権限は、ない
遺言書亡くなった後の財産の承継生前の財産管理には、対応しない

親の意思の確認が最優先

これらの備えは、すべて親御さん本人の意思が出発点です。家族だけで話を進めたり、本人の意向を確認しないまま契約を進めたりすると、後でトラブルになるおそれがあります。親御さんが「何を心配しているのか」「誰に任せたいのか」「どこまで任せたいのか」を、丁寧に聞くことから始めましょう。

親と話し合うときの進め方

「財産の話」は、親御さんにとって、触れにくい話題です。「財産を取り上げられるのでは」と警戒される場合もあります。話し合いの際には、次の点を意識してください。

  • 「あなたの意思を守るため」という趣旨を、最初に伝える:家族が管理したいから、ではなく、本人が困らないように備えたい、という姿勢で話します
  • 一度に決めようとしない:数回に分けて、親御さんの考えを聞きます。親御さんの友人の体験談や、報道などをきっかけにする方法もあります
  • 兄弟姉妹で情報を共有する:一部の家族だけで進めると、後で不信感を招きます。話し合いの内容は、他の家族にも伝えておきましょう
  • 第三者(専門家)に同席してもらう:家族だけでは話しにくい場合は、中立的な専門家が間に入ることで、話が進みやすくなります

それぞれの制度の仕組みや、併用の考え方は、別の記事で詳しく解説しています。[認知症対策(任意後見・家族信託)についてはこちら] [法定後見と任意後見の違いについてはこちら]

【すでに判断能力が低下している場合】法定後見が基本

法定後見の流れ

すでに親御さんの判断能力が低下している場合、任意後見契約や家族信託は、新たには結べません。この場合の基本は、**家庭裁判所に申立てをして、後見人を選んでもらう「法定後見」**です。

  1. 本人の住所地を管轄する家庭裁判所へ申立て
  2. 家庭裁判所による調査、必要に応じた鑑定
  3. 審判(後見人の選任)
  4. 後見人による財産管理の開始

申立てに必要な書類の例

申立てには、一般に次のような書類が必要になります。詳細は家庭裁判所や専門家に確認してください。

  • 申立書、申立事情説明書などの家庭裁判所所定の書類
  • 本人の診断書(医師が、判断能力の状態を記載したもの)
  • 本人と、後見人の候補者の戸籍謄本や住民票
  • 本人の財産に関する資料(預貯金の通帳の写し、不動産の登記事項証明書など)と、収支の資料

書類の準備には、時間がかかります。診断書は、本人の主治医に依頼しますが、認知症の診断が得られていない場合は、先に受診が必要になることもあります。申立てから後見人の選任までの期間は、案件によって異なるため、急ぎの支払いや売却がある場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。

居住用不動産の売却には、家庭裁判所の許可が必要

法定後見で選ばれた後見人が、本人が住んでいた(または住む予定の)建物や土地を売却するには、家庭裁判所の許可が必要です(民法第859条の3)。許可のない売却は無効とされています。施設に入所していて、実家に誰も住んでいない場合でも、居住用として扱われる場合があるため、注意が必要です。

後見人は家庭裁判所が選び、報酬が発生する

後見人は、家庭裁判所が選びます。親族が候補者として挙げられていても、司法書士や弁護士などの専門職が選ばれる場合があります。専門職が後見人になると、家庭裁判所が決める報酬を、本人の財産から支払います。また、現行制度では、一度始まると、原則として本人が亡くなるまで続きます。

2026年6月に制度の改正が成立

成年後見制度の見直しを柱とする改正民法などは、2026年6月17日に成立しました。解説資料などによると、後見・保佐を廃止して補助に一本化することや、制度を利用する必要がなくなった場合に終了できる仕組みが盛り込まれています。施行は、公布の日から2年6か月を超えない範囲で政令で定める日とされており、施行日は未定で、それまでは現行制度が続きます。詳しくは、別の記事で解説しています。[法定後見と任意後見の違いについてはこちら]

場面別の対応ガイド

困りごと別の整理

困りごと判断能力が十分な場合すでに低下している場合
口座が使えない・引き出せない本人の意思で、代理人の手続き、任意後見・家族信託の契約を検討法定後見の申立てを検討(金融機関の取扱いも確認)
実家を売りたい本人の意思で売却、または家族信託で対応法定後見の申立て。居住用不動産の売却には、家庭裁判所の許可が必要
施設費用を確保したい預貯金の管理方法や、実家の売却方針を、本人と話し合う法定後見で後見人が管理。施設との契約も、後見人が対応
詐欺・契約被害が心配見守り契約、家族との情報共有、消費生活の相談窓口の活用法定後見では、後見人が取消権を行使できる場合がある

日常的な金銭管理の支援制度

「後見制度までは必要ないが、通帳の管理や、公共料金の支払いなどに不安がある」という場合には、社会福祉協議会が実施する日常生活自立支援事業が利用できる場合があります。福祉サービスの利用援助や、日常的な金銭管理の支援を受けられる制度ですが、利用の条件や費用は、お住まいの地域の社会福祉協議会に確認が必要です。

豊中市での相談先と、専門家の選び方

公的な窓口

豊中市には、成年後見制度に関する相談を受ける窓口があります。豊中市が発注し、豊中市社会福祉協議会が運営する「成年後見サポートセンター」は、令和5年度の市の契約資料で確認できます。現在の名称、連絡先、受付時間は、豊中市の公式サイトで最新の情報を確認してください。

また、高齢者の総合的な相談窓口として、各地域の地域包括支援センターがあります。介護や福祉の相談から、成年後見制度の利用についての情報提供まで、最初の相談先として活用できます。

専門家の役割分担

財産管理に関する備えや手続きには、複数の専門家が関わります。

  • 司法書士:後見の申立ての支援、不動産の登記
  • 行政書士:任意後見契約書、財産管理等委任契約書などの作成支援
  • 税理士:相続税や贈与税などの税務
  • 弁護士:争いのある案件の代理

あらかじめ連携している窓口であれば、それぞれを自分で探す手間が省け、全体を見通して相談できます。ただし、業務は専門職ごとに分かれており、窓口がすべてを一括で代行するわけではありません。誰が何を担当するのかを、依頼前に確認しておきましょう。[北摂の相続・終活の無料相談についてはこちら]

費用の確認点

費用は、制度や専門家によって異なります。見積もりを取る際は、何の費用が、いつ、どれだけ発生するのか(申立て費用、契約書の作成費用、公証人手数料、後見人への報酬など)を、書面で確認してください。紹介に伴う手数料の有無も、確認しておくと安心です。

【要記入:相談実績の件数、提携している司法書士・行政書士・税理士の体制、対応エリア、豊中市での相談の方法(来所・オンライン・出張など)を、貴事務所の実際の内容でご記入ください】

よくある質問・まとめ

よくある質問

Q. 親の口座が使えなくなったら、どうすればいいですか? 金融機関の取扱いは、金融機関ごとに異なります。まず、その金融機関に、状況を伝えて確認してください。判断能力が低下している場合は、法定後見の申立てが必要になることがあります。

Q. 親の通帳を預かって、生活費を管理していいですか? 本人の同意のもとで、管理を任せられる場合もありますが、同意の確認が難しい場合や、金額が大きい場合は、トラブルになりやすいため、注意が必要です。記録を残すとともに、任意後見や家族信託などの、正式な備えを検討してください。

Q. 軽い物忘れの段階でも、契約はできますか? 判断能力の有無は、本人の状態や契約の内容によって異なります。契約の時点で、本人が契約の内容を理解できる状態にあることが必要です。判断に迷う場合は、医師の診断や、専門家の確認を得てください。

Q. 遠方に住んでいますが、相談できますか? 多くの専門家で、オンライン相談や、書類の郵送でのやり取りに対応しています。ご相談の際に、対応の方法を確認してください。

Q. 相談だけでも大丈夫ですか? はい、何から始めればよいか分からない段階でのご相談でも問題ありません。状況を伺いながら、適した選択肢を整理します。

まとめ

親の認知症に備える財産管理は、親御さんの判断能力が十分か、すでに低下しているかで、とれる対応が変わります。十分なうちは、任意後見や家族信託など、本人の意思を反映できる備えが選べます。すでに低下している場合は、法定後見が基本です。いずれの場合も、家族だけで進めず、親御さんの意思を丁寧に確認し、公的な窓口や専門家に相談しながら進めてください。早めに状況を整理することが、親御さんと家族の負担を減らします。

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