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身元保証サービスの解約条件と注意点|返金ルール・トラブル防止策をわかりやすく解説【2026年版】

投稿日/2026.04.11 更新日/2026.04.10

カテゴリー:身元保証サービス

「身元保証サービスを契約したものの、やっぱり解約したい」「解約を申し出たら高額な違約金を請求された」――近年、身元保証サービスの解約に関するトラブル相談が増加しています。国民生活センターには年間100件を超える相談が寄せられており、契約時の平均金額は約147万円と高額です。なかには「解約できない」と言われたり、支払った費用の大半が戻らなかったケースも報告されています。

この記事では、身元保証サービスの解約条件・返金ルール・トラブル防止策を、法的根拠や実際の事例を交えてわかりやすく解説します。「解約できるのか不安」「返金はどこまで受けられるのか知りたい」という方は、ぜひ最後までお読みください。


目次

身元保証サービスは途中で解約できる?法的な根拠

結論から申し上げると、身元保証サービスは原則としていつでも解約できます。その法的根拠は、おもに以下の2つの法律にあります。

民法651条――委任契約はいつでも解除できる

身元保証サービスの契約は、法的には「委任契約」または「準委任契約」に該当するケースがほとんどです。民法第651条第1項では、「委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる」と定められています。

つまり、事業者が「途中解約はできません」と主張しても、法的には認められません。なお、委任の解除は将来に向かってのみ効力を生じるため(民法652条)、すでに提供されたサービスの対価については精算が必要になります。

ただし、相手方に不利な時期に解約した場合は、損害賠償を求められる可能性がある点には注意が必要です(民法651条第2項)。たとえば、入院中に突然保証を打ち切るようなケースが該当し得ます。もっとも、やむを得ない事由がある場合はこの限りではありません。

消費者契約法9条・10条――不当な条項から利用者を守る

消費者契約法第9条第1号では、解約に伴う違約金が「事業者に生じる平均的な損害額」を超える場合、その超過部分は無効と定められています。また、2023年6月の改正により、事業者は消費者から求められた場合に解約料の算定根拠を説明する努力義務を負うようになりました。

さらに、消費者契約法第10条により、「いかなる理由があっても解約不可」「解約しても一切返金しない」といった一方的に消費者に不利な条項は無効となる可能性があります。契約書にこうした条項があっても、あきらめる必要はありません。

2024年6月には、内閣官房をはじめ消費者庁・厚生労働省など8府省庁が「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を策定しました。このガイドラインでは、契約書に解除方法や返金の取扱いを明記すること、重要事項説明時に書面を交付して説明することなどが事業者に求められています。法的拘束力はありませんが、事業者の適正な運営を促す指針として重要な役割を果たしています。


解約時に返金される費用・返金されない費用

身元保証サービスの費用は、契約時の平均で約147万円(国民生活センター調査)と高額です。解約時にどの費用が戻ってくるかは、費目によって大きく異なります。以下の表で整理しましたので、ご自身の契約内容と照らし合わせてご確認ください。

費目 返金の可否 備考
預託金(死後事務用) 原則全額返金 総務省調査で全事業者が手数料を除き全額返金と規定
入会金・契約金 事業者により異なる 「全額返金なし」「一部返金」「規定なし」と対応が分かれる
月会費・年会費 返金なし 既に支払い済みの分は返金対象外が一般的
事務手数料 返金なし 契約時の事務処理費用として徴収済み
身元保証料 経過年数で逓減 契約期間が長いほど返金額が減る(例:3年超で返金ゼロの事業者も)
公正証書作成費用 返金なし 公証人への支払い済み費用のため返金対象外
事務管理費 一部返還の場合あり 例:イオンライフは6ヶ月以内の解約で50%返還

国民生活センターに寄せられた返金トラブルの実例

実際にどのような返金トラブルが起きているのか、国民生活センターの相談事例をご紹介します。

  • 70代女性:140万円を支払い契約したが、解約時に返金されたのは50万円のみ。約64%(90万円)が戻らなかった
  • 80代男性:入会金40万円+月会費3,000円の契約を結んだが、契約内容が不明瞭で解約を希望
  • 80代女性:100万円を支払ったが、契約したつもりのない生活支援サービスが含まれていた

こうしたトラブルを防ぐためにも、契約前に「どの費用が返金対象で、どの費用が返金されないのか」を書面で確認しておくことが大切です。

身元保証サービスの返金について検討する高齢者のイラスト

主要事業者の解約条件・返金規定を比較

身元保証サービスの解約条件は事業者によって大きく異なります。主要な事業者の返金規定を比較表にまとめました。

事業者名 解約の可否 返金規定の特徴 預託金の管理方法
あかり保証(弁護士運営) いつでも可能 身元保証料66万円を逓減返金(8日以内:約83%、1年以内:約45%、3年超:0%)。預託金は全額返金、違約金なし 信託会社・信託銀行で分別管理
きずなの会(認定NPO) いつでも可能 預託金は精算後に残金を返金。入会金の返金は要確認 弁護士法人が第三者管理
イオンライフ いつでも可能 事務管理費は6ヶ月以内の解約で50%返還。身元保証料は保証人未引受なら全額返還。入会金・年会費は返金なし 事業者管理
えにしの会 いつでも可能 入会金5万円は返金なし。身元保証支援費の返金は要確認。必要なサービスだけ選択可能 事業者に要確認
いきいきライフ協会 いつでも可能 信託口座の預託金は未使用分を返還。事前審査料・公正証書作成費等の各種契約費用は返金なし 信託口座で分別管理
終活協議会「心託」 いつでも可能 入会金1万円のみの料金体系。預託金・月会費・年会費すべて不要 預託金制度なし

比較してみると、預託金の管理方法には大きな差があることがわかります。信託銀行や弁護士法人による第三者管理を行っている事業者は、万が一の倒産時にも資金が保全される安心感があります。事業者を選ぶ際の重要なチェックポイントとして覚えておきましょう。


解約手続きの流れ6ステップ

身元保証サービスを解約する場合、以下の6つのステップで進めるのが一般的です。スムーズに手続きを進めるためにも、事前に流れを把握しておきましょう。

ステップ1:契約書の確認

まず契約書を改めて確認し、解約条項(通知期間・違約金の有無・返金規定)を把握します。契約書が手元にない場合は、事業者に写しの交付を求めましょう。

ステップ2:解約の意思を書面で通知

解約の意思は口頭ではなく、必ず書面で伝えましょう。「言った・言わない」のトラブルを避けるため、内容証明郵便の利用をおすすめします。

ステップ3:身元保証人の変更手続き

入院中や施設入居中の場合は、現在の身元保証を解約する前に、新しい保証人や代替サービスを確保しておくことが重要です。病院・施設への保証人変更届も忘れずに行いましょう。

ステップ4:費用の精算

預託金の残高確認や、すでに利用したサービスの費用精算を行います。精算内容の明細を書面で受け取り、内容に不明点があれば必ず確認してください。

ステップ5:預託金の返還

精算後、預託金の残額が指定口座に振り込まれます。一般的に1〜3ヶ月程度かかりますので、返還時期の目安も事前に確認しておくと安心です。振込が遅れている場合は、書面で催促しましょう。

ステップ6:解約完了の確認

解約完了通知書を受け取り、すべての手続きが終了したことを確認します。通知書や精算明細書は、今後のトラブルに備えて大切に保管しておきましょう。万が一、後から追加請求があった場合の証拠にもなります。

身元保証サービスの解約通知書を書く高齢者のイラスト

クーリングオフは使える?適用条件と注意点

「契約してしまったが、やはり取り消したい」という場合に気になるのがクーリングオフ制度です。身元保証サービスに適用できるかどうかは、契約の方法によって異なります。

クーリングオフが使えるケース

以下の場合は、契約書面の受領日から8日間、クーリングオフが可能です。

  • 訪問販売:事業者が自宅や施設を訪問して契約させた場合(特定商取引法第9条)
  • 電話勧誘販売:事業者からの電話で勧誘を受けて契約した場合(特定商取引法第24条)

クーリングオフが使えないケース

事業者の事務所や説明会場に出向いて契約した場合は「店舗販売」に該当するため、クーリングオフの対象外となります。実際には、多くの身元保証サービスがこのケースに該当します。

クーリングオフ妨害への対応

事業者が「クーリングオフはできません」と虚偽の説明をして妨害した場合、妨害が解消されるまでクーリングオフ期間は進行しません。また、法定書面(契約書面)に記載不備がある場合も、期間は起算されません。あきらめずに消費生活センターに相談しましょう。


悪質業者のトラブル事例と教訓

身元保証サービスの業界には、残念ながら悪質な事業者も存在します。過去に起きた重大なトラブル事例を知ることで、被害を未然に防ぐことができます。

日本ライフ協会事件――預託金2.7億円の不正流用

2016年、公益財団法人日本ライフ協会が破産しました。15都道府県に事務所を構え、約2,600人の契約者を抱えていた大手事業者です。

原因は、高齢者から預かった預託金のうち約2億7,400万円を、運営費や人件費に不正流用していたことでした。負債総額は約12億円。元会員約1,900人に対して返還されたのは平均わずか約15万円で、代表的な契約プランの約165万円に対し、返還率はわずか約9%にとどまりました。

なお、弁護士が関与する「3者契約」で管理されていた預託金は全額返還されています。この事件は、預託金の第三者管理がいかに重要かを示す象徴的な事例であり、2024年のガイドライン策定の直接的なきっかけとなりました。

えんご会事件――全財産贈与の契約が無効に

愛知県のNPO法人えんご会は、80歳代の女性と身元保証契約(約90万円)を結んだ後、1ヶ月後に「亡くなったときに預金が引き出せない」と虚偽の説明をし、「不動産を除く全財産を贈与する」死因贈与契約を締結させました。

名古屋高裁(2022年)は、身元保証を提供する代わりに全財産を無償で譲渡させることは暴利行為であり、公序良俗に反して無効と判断。えんご会の預金引出請求(約620万円)を棄却しました。この判例は2024年のガイドラインにも引用され、寄附・遺贈を契約条件とすることへの規制の根拠となっています。

京都地裁判決――意思無能力で契約無効、入会金72万円の返還命令

2020年、京都地裁は、認知症の89歳男性が結んだ身元保証契約について、契約締結時に本人が意思無能力の状態であったと認定し、契約を無効と判断しました。入会金72万円の返還が命じられています。

これらの事例から学べる教訓をまとめます。

  • 寄附や遺贈を契約の条件とする事業者には注意する
  • 預託金が事業者の運営資金と分別管理されているか確認する
  • 認知機能に不安がある場合は、家族や専門家の立ち会いのもとで契約する
  • 「公益法人」や「NPO法人」という肩書だけで信頼せず、運営の実態を確認する

なお、2024年のガイドラインでは、こうした過去の事件を踏まえて、寄附・遺贈を契約の条件とすることを避けるよう明記されています。


解約を拒否された場合の対処法

万が一、事業者から解約を拒否された場合でも、あきらめる必要はありません。以下の順番で段階的に対処していきましょう。

まずは消費者ホットライン「188」に電話

局番なしの「188(いやや)」に電話すると、お住まいの地域の消費生活センターにつながります。通話料のみで相談は無料です。専門の相談員が、事業者との交渉方法や法的な対処法についてアドバイスしてくれます。

消費生活センターに相談

消費生活センターでは、事業者との間に入ってあっせん(仲介)を行ってくれます。多くのケースでは、この段階で解決に至ります。

法テラス(日本司法支援センター)を利用

収入が一定基準以下の方は、法テラスを通じて弁護士への無料法律相談を受けることができます。電話番号は「0570-078374(おなやみなし)」です。

弁護士に依頼

事業者が消費生活センターのあっせんにも応じない場合は、弁護士に依頼して内容証明郵便の送付や法的手続きを進めます。民法651条を根拠に解約の意思を明確に通知し、過大な違約金には消費者契約法第9条第1号を根拠に減額を主張できます。

また、国民生活センター紛争解決委員会によるADR(裁判外紛争解決手続)を利用する方法もあります。原則3ヶ月以内の解決を目指す制度で、仲裁の場合は裁判上の判決と同一の効力を持ちます。裁判に比べて費用や時間の負担が少ないため、選択肢のひとつとして覚えておくとよいでしょう。

相談窓口に電話で問い合わせる高齢者のイラスト

解約後の代替手段と乗り換えの注意点

身元保証サービスを解約した後、代わりにどのような手段があるのかを把握しておくことも重要です。以下の表に主な代替手段をまとめました。

代替手段 内容 相談先
別の身元保証事業者に乗り換え 複数社から見積もりを取り比較。身元保証と生活支援を別々の事業者に依頼することも可能 各事業者
成年後見制度 判断能力が不十分な方の財産管理・身上監護を法的に支援 家庭裁判所、法テラス
任意後見制度 判断能力があるうちに、将来の後見人をご自身で選んでおく制度 公証役場、弁護士・司法書士
日常生活自立支援事業 福祉サービスの利用援助や日常的な金銭管理をサポート 社会福祉協議会
弁護士・司法書士に直接依頼 死後事務委任契約を個別に締結。不要なサービスを省いてコスト削減が可能 弁護士会・司法書士会

乗り換え時に最も注意すべきは「空白期間」を作らないことです。現在の契約を解約してから新しいサービスが始まるまでの間に、入院や施設入居が必要になった場合、身元保証人が不在になってしまいます。新しいサービスの契約を先に完了させてから、既存の契約を解約する順序で進めましょう。

また、乗り換え先を選ぶ際は、前の事業者で感じた不満点を整理し、改善されるかどうかを基準に比較するとよいでしょう。複数の事業者から見積もりを取り、契約内容・返金規定・預託金の管理方法をしっかり確認してから判断することが大切です。


よくある質問(FAQ)

Q. 「いかなる理由があっても解約できません」と言われました。本当ですか?

いいえ、法的に認められません。身元保証サービスの多くは委任契約に該当し、民法第651条により利用者はいつでも解約できます。また、消費者契約法第10条により、消費者の利益を一方的に害する条項は無効となります。解約を拒否された場合は、消費者ホットライン「188」にご相談ください。

Q. 預託金は返金されますか?

預託金(死後事務のための前払金)は、原則として全額返金されます。総務省の調査でも、全事業者が手数料を除いた全額返金を規定していることが確認されています。ただし、事業者が分別管理を行っていない場合は、返還が困難になるリスクがあります。

Q. 家族が代わりに解約手続きを行えますか?

ご本人の判断能力が十分にある場合は、原則としてご本人による手続きが必要です。ただし、成年後見人や任意後見人が選任されている場合は、後見人が代理で解約手続きを行うことができます。判断能力に不安がある方は、まず成年後見制度の利用をご検討ください。

Q. 事業者が倒産したら、預けたお金はどうなりますか?

預託金が信託銀行や弁護士法人などの第三者によって分別管理されている場合は、事業者が倒産しても返還される可能性が高いです。しかし、分別管理されていない場合は返還が困難になります。日本ライフ協会の破綻事例では、2者契約の利用者への返還率はわずか約9%でした。契約時に預託金の管理方法を必ず確認しましょう。


まとめ

身元保証サービスの解約は、民法651条により原則としていつでも可能です。「解約できない」という事業者の主張は法的に認められません。また、過大な違約金は消費者契約法により無効となります。

解約時のポイントを改めて整理します。

  • 解約の意思表示は書面(内容証明郵便)で行う
  • 預託金は原則全額返金される(分別管理の確認が重要)
  • 身元保証料は契約期間に応じて逓減返金されるケースが多い
  • 入会金・事務手数料・公正証書作成費用は返金されないのが一般的
  • 乗り換え時は空白期間を作らないよう段取りを整える
  • 困ったときは消費者ホットライン「188」に相談する

大切なのは、ひとりで悩まず早めに専門家や公的窓口に相談することです。正しい知識を持っていれば、不当な条件に応じる必要はありません。安心できるサービスを見つけるために、この記事がお役に立てれば幸いです。

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