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身元保証サービスのトラブル事例と対策|被害を防ぐ7つのチェックポイント【2026年版】

投稿日/2026.03.15 更新日/2026.03.18

カテゴリー:身元保証サービス

「身元保証サービスに申し込んだのに、約束されたサービスが受けられなかった」「高額な預託金を支払ったが、解約時にほとんど返金されなかった」——近年、身元保証サービスをめぐるトラブル相談が急増しています。

国民生活センターの調査によると、高齢者の身元保証等サービスに関する相談件数は年々増加しており、平均契約金額は約147万円にのぼります。身寄りのない高齢者や、家族が遠方に住んでいる方にとって、身元保証サービスは入院や施設入居に不可欠な存在ですが、業界全体を規制する法律が整備されていないため、サービスの質にばらつきがあるのが現状です。

この記事では、実際に報告されているトラブル事例を紹介しながら、被害に遭わないための具体的な対策と信頼できるサービスの選び方を徹底解説します。


身元保証サービスの契約トラブルについて相談する高齢者

目次

身元保証サービスとは?基本を押さえる

身元保証サービスとは、身寄りのない高齢者や家族に頼れない方に代わって、入院・施設入居時の身元保証人や、日常生活のサポート、死後の事務手続きなどを引き受けるサービスです。

主なサービス内容

  • 入院・施設入居時の身元保証:緊急連絡先の登録、入退院手続きの代行、医療同意のサポート
  • 日常生活支援:買い物代行、通院付き添い、行政手続きの代行
  • 金銭管理サポート:公共料金の支払い代行、家賃管理
  • 死後事務:葬儀手配、遺品整理、各種届出の代行

需要が高まる背景には、単身高齢者世帯の増加があります。総務省の調査では、65歳以上の単身世帯は約742万世帯(2025年時点)にのぼり、今後も増加が見込まれています。こうした社会的ニーズに応える形で身元保証サービスが拡大していますが、同時にトラブルも増えています。


身元保証サービスの料金体系

身元保証サービスの費用は事業者によって大きく異なります。一般的な料金体系を理解しておくことが、トラブル防止の第一歩です。

費用項目 相場 内容
入会金・契約金 10万〜30万円 初期登録費用。契約事務手数料を含む
月会費 0〜2万円/月 基本サポートの継続費用
預託金(保証金) 50万〜200万円 死後事務・葬儀費用などに充てる預かり金
身元保証料 10万〜50万円 入院・施設入居時の保証人代行費用
死後事務委任費用 30万〜100万円 葬儀・遺品整理・届出代行の費用

平均的な契約総額は約100万〜200万円と高額です。国民生活センターの調査では、相談者の平均契約金額は約147万円と報告されています。一括前払いを求める事業者も多く、それがトラブルの一因になっています。


複雑な契約書に困惑する高齢者

実際に報告されているトラブル事例

国民生活センターや消費者庁に寄せられた相談をもとに、代表的なトラブル事例を紹介します。

事例①:契約内容があいまいで必要なサービスが受けられない

80代男性・契約金額40万円

入院時の身元保証を依頼するために身元保証サービスと契約。しかし、実際に入院が必要になった際に「その病院は対象外」と断られてしまいました。契約書をよく読むと、対応地域や対応施設が限定されていたのですが、契約時にはその説明がなかったとのこと。結局、自分で別の保証人を探す羽目になりました。

事例②:高額な預託金が返金されない

70代女性・預託金140万円

将来の葬儀費用・死後事務として140万円を預託。しかし、体調の変化で介護施設に入居することになり、解約を申し出たところ「事務手数料」「違約金」として90万円が差し引かれ、返金されたのはわずか50万円でした。預託金の返還条件が契約書に小さな文字で記載されていたことに気づかなかったのです。

事例③:事業者が倒産・廃業してサービスが消滅

80代男性・契約金額150万円

身元保証から死後事務まで一括で契約していた事業者が、突然廃業を通知。預けていた150万円は「経営悪化のため全額返還は困難」とされ、最終的に返還されたのは数十万円のみ。預託金が信託管理されておらず、事業者の運転資金に流用されていた可能性が高いとみられています。

事例④:不必要なサービスを次々と追加契約させられる

70代女性・追加契約200万円

当初は身元保証のみの契約でしたが、担当者から「万が一のためにこれも必要」「今なら割引」と繰り返し追加契約を勧められ、気づけば死後事務委任・財産管理・遺品整理など合計200万円以上の契約に。冷静になって解約を求めたところ、「既に着手済み」として返金に応じてもらえませんでした。


なぜトラブルが起きるのか?構造的な問題

身元保証サービスのトラブルが後を絶たない背景には、業界特有の構造的な問題があります。

①業界を規制する法律がない

日本弁護士連合会も指摘しているとおり、身元保証サービスを直接規制する法律は現時点で存在しません。介護保険事業のような許認可制度がなく、届出義務もないため、極端に言えば誰でも事業を始められる状態です。

②預託金の管理方法が事業者任せ

利用者から預かった預託金の管理方法に法的な定めがなく、事業者の自主運用に委ねられています。信託口座で分別管理している事業者もあれば、事業者の運転資金と同じ口座で管理している事業者もあり、倒産時に預託金が返還されないリスクがあります。

③契約時の説明が不十分

高齢者は契約書の細かい条項を十分に確認しないまま署名してしまうケースが多く、事業者側もそれを見越して重要事項の説明を省略することがあります。「クーリングオフの対象外」であることも、トラブルを深刻化させる要因です。

④サービス内容の標準がない

「身元保証」に含まれるサービスの範囲が事業者ごとに異なります。ある事業者では入院時の駆けつけが含まれているのに、別の事業者では別料金——こうした違いが利用者の混乱を招いています。

チェックリストを確認する家族と専門家

トラブルを防ぐための7つのチェックポイント

身元保証サービスの契約前に、以下の7つのポイントを必ず確認しましょう。

  • 契約書は必ず持ち帰って確認する:その場で署名せず、家族や第三者(弁護士・社会福祉協議会)に見てもらう。即日契約を迫る事業者は要注意
  • サービス内容を具体的に確認する:「身元保証」に何が含まれるのか、対応地域・時間帯・対応施設の制限はないか、書面で確認する
  • 預託金の管理方法を確認する:信託銀行で分別管理されているか、事業者の運転資金と分けて管理されているか。「信託管理」と明示できない事業者は避ける
  • 解約条件と返金ルールを確認する:解約時の返金額・手数料・違約金の計算方法を事前に確認。「返金不可」としている事業者は選ばない
  • 事業者の経営状況を確認する:設立年数、財務情報の開示状況、第三者機関の監査を受けているかどうかを確認する
  • 複数の事業者を比較する:最低3社以上の見積もりを取り、サービス内容・費用・契約条件を横並びで比較する
  • 公的機関のガイドラインへの準拠を確認する:総務省「身元保証等高齢者サポート事業に関する調査」(2023年)のガイドラインに準拠していることを確認する

信頼できる身元保証サービスの見分け方

すべての身元保証サービスが悪質というわけではありません。以下の特徴がある事業者は信頼性が高いと判断できます。

信頼のポイント 具体的な確認方法
預託金の信託管理 信託銀行との契約書のコピーを提示してもらえるか確認
契約内容の丁寧な説明 重要事項説明書が用意され、口頭でも十分な説明があるか
明確な費用体系 費用の内訳・追加費用の有無がすべて書面化されているか
第三者監査の実施 公認会計士や弁護士による定期監査の報告書があるか
解約・返金ルールの明示 解約時の返金計算式が契約書に明記されているか
実績と運営年数 5年以上の運営実績があり、利用者の声が公開されているか

トラブルに遭ってしまったときの相談窓口

万が一、身元保証サービスでトラブルに遭った場合は、早めに以下の相談窓口に連絡しましょう。

  • 消費生活センター(消費者ホットライン 188):契約トラブル全般の相談。電話で「188」に電話すると最寄りの消費生活センターにつながる
  • 国民生活センター:複雑な契約トラブルの相談・あっせん。消費生活センターで解決しない場合に対応
  • 法テラス(0570-078374):弁護士費用の立替制度あり。収入が一定以下の方は無料で法律相談が可能
  • 地域包括支援センター:高齢者の生活全般の相談。成年後見制度の利用支援や社会福祉協議会との連携も行う
  • 社会福祉協議会の日常生活自立支援事業:判断能力が不十分な方向けの福祉サービス利用援助・金銭管理支援
相談窓口で専門家に相談する高齢者

行政の動きと最新のガイドライン

身元保証サービスのトラブル増加を受けて、行政も対応を進めています。

総務省の調査と勧告(2023年)

総務省は2023年に「身元保証等高齢者サポート事業に関する調査」を公表し、事業者に対して預託金の適正管理、契約内容の明確化、苦情処理体制の整備を勧告しました。この調査は、業界の問題を初めて国が公式に指摘したものとして注目されています。

消費者庁の注意喚起

消費者庁は消費者向けに「高齢者サポートサービスの契約は慎重に」というリーフレットを公表し、契約前のチェックポイントを周知しています。

法制化の動き

日本弁護士連合会は、身元保証サービスを規制する法律の制定を国に求める意見書を提出しています。業界団体によるガイドラインの策定も進んでおり、今後は事業者の登録制度や預託金管理の義務化が実現する可能性があります。


身元保証サービスと合わせて検討すべき制度

身元保証サービスのトラブルを防ぐためには、公的制度を組み合わせて利用することも有効です。

制度・サービス 特徴 身元保証との関係
成年後見制度 家庭裁判所が選任した後見人が財産管理・契約行為を代行 悪質業者との不当な契約を後見人が取り消せる
任意後見契約 判断能力があるうちに自分で後見人を選んでおく制度 身元保証と併用で、将来の判断能力低下にも備えられる
死後事務委任契約 弁護士・司法書士に死後の事務を委任 身元保証サービスの死後事務より法的に確実
社会福祉協議会の日常生活自立支援事業 公的機関による金銭管理・福祉サービス利用支援 身元保証サービスの金銭管理の代替として利用可能

身元保証サービスにすべてを任せるのではなく、公的制度と民間サービスを組み合わせることで、リスクを分散させることが大切です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 身元保証サービスは誰でも利用できますか?

はい、年齢や家族の有無にかかわらず、誰でも利用できます。ただし、多くのサービスでは契約時に判断能力があることが条件となります。認知症が進行している場合は、成年後見制度との併用が必要になるケースがあります。

Q2. 身元保証サービスの契約にクーリングオフは適用されますか?

身元保証サービスは特定商取引法の「特定継続的役務提供」に該当しないため、原則としてクーリングオフの適用対象外です。ただし、訪問販売や電話勧誘で契約した場合は、8日間のクーリングオフが適用される可能性があります。いずれにしても、契約書を持ち帰って冷静に検討することが大切です。

Q3. 預託金は全額返ってくるものですか?

事業者によって異なります。信託管理を行っている事業者では、未使用分の全額返還を明示していることが多いですが、一部の事業者では「事務手数料」「管理費用」を差し引くケースもあります。契約前に「解約時の返金シミュレーション」を書面で出してもらうことをおすすめします。

Q4. 身元保証サービスと成年後見制度はどう使い分ければいいですか?

身元保証サービスは「入院・施設入居時の保証人代行」が中心で、成年後見制度は「財産管理・法律行為の代理」が中心です。両者は補完関係にあるため、判断能力があるうちに身元保証サービスを契約し、将来の備えとして任意後見契約も結んでおくのが理想的です。

Q5. 無料または低額で身元保証を受ける方法はありますか?

一部の自治体や社会福祉協議会では、低所得の高齢者向けに身元保証に近いサービスを提供しています。例えば、東京都では「あんしん居住制度」として、賃貸住宅入居時の保証や見守りサービスを低額で提供しています。まずはお住まいの地域の地域包括支援センターに相談してみましょう。

実際の被害額から見るリスクの大きさ

国民生活センターが2019年に公表した報告書によると、身元保証等サービスに関する相談の具体的な傾向として、以下のデータが示されています。

項目 データ
相談者の平均契約金額 約147万円
相談者の年齢層 70代〜80代が中心
主な相談内容 解約・返金トラブル、サービス未履行、説明不足
契約のきっかけ 病院・施設からの紹介、インターネット広告、知人の紹介
相談までの平均期間 契約から1〜3年後

注目すべきは「相談までの平均期間」が1〜3年と長い点です。契約時には問題に気づかず、実際にサービスが必要になった段階で初めてトラブルが発覚するケースが多いことを示しています。だからこそ、契約前の段階で十分な確認と比較を行うことが重要なのです。

家族ができるサポート

身元保証サービスの契約は本人だけの問題ではありません。離れて暮らす家族にもできることがあります。

  • 契約前に一緒に説明を聞く:事業者との面談にはできるだけ同席する。オンライン面談が可能な事業者も多い
  • 契約書のコピーを共有してもらう:家族も契約内容を把握しておくことで、問題の早期発見につながる
  • 定期的にサービスの利用状況を確認:月に一度は「困っていることはないか」を確認する習慣をつける
  • 複数の見積もりを一緒に比較:本人が1社だけを検討している場合、他の事業者の資料を取り寄せて一緒に比較する
  • 公的制度の活用を提案する:身元保証サービスだけに頼らず、成年後見制度や社会福祉協議会のサービスとの併用を検討する

契約前に使える「比較チェックシート」

複数の身元保証サービスを比較する際に、以下の項目を一覧表にして記入すると、違いが一目でわかります。事業者に直接質問して、書面で回答をもらうようにしましょう。

チェック項目 確認すべきポイント
運営法人の形態 一般社団法人・NPO法人・株式会社のいずれか。非営利法人だから安心とは限らない
設立からの年数 5年未満の新設法人は実績が少なくリスクが高い傾向
対応エリアの制限 全国対応なのか、特定の地域に限定されるのかを確認
24時間対応の有無 夜間・休日の緊急連絡先が確保されているか
預託金の管理方法 「信託管理」か「自社管理」かを書面で確認
解約時の返金計算 解約理由による返金率の違い、違約金の有無を確認
苦情・相談窓口 社内の苦情対応体制、外部の相談先が案内されているか
契約の引き継ぎ 事業者が廃業した場合の引き継ぎ先が決まっているか

この比較シートを使って3社以上を並べて検討することで、不自然に高い費用や不明瞭な契約条件に気づきやすくなります。「面倒だから1社目に決めてしまう」ことが、トラブルの最大の原因です。手間を惜しまず比較検討することが、将来の安心につながります。

身元保証サービスの契約で注意すべき「危険な勧誘パターン」

悪質な事業者には共通する勧誘手法があります。以下のような勧誘を受けた場合は、契約を見送ることを強くおすすめします。

  • 「今日中に契約すれば割引」:冷静な判断をさせない典型的な手法。信頼できる事業者は即日契約を求めない
  • 「他のお客様もみなさん契約しています」:根拠のない同調圧力。他人の契約状況は判断材料にならない
  • 「このサービスがないと入院できません」:身元保証人がいなくても入院を拒否することは医師法に反する場合がある。厚生労働省も「身元保証人がいないことを理由に入院を拒否しないよう」医療機関に通知している
  • 「預託金は将来必ず必要になるお金です」:必要以上に高額な預託金を求められている可能性がある。必要な金額の根拠を具体的に確認すべき
  • 契約書を持ち帰らせない:「社外秘」などの理由で契約書の持ち帰りを拒否する事業者は、内容に問題がある可能性が高い

特に注意すべきは、「入院できない」「施設に入れない」という不安を煽る手法です。2018年に厚生労働省が公表した通知では、身元保証人がいないことだけを理由に医療機関が入院を拒否することは不適切とされています。不安に駆られて判断を急がず、まずは地域包括支援センターや消費生活センターに相談しましょう。

まとめ:身元保証サービスは「比較・確認・相談」で安全に利用する

身元保証サービスは、身寄りのない方や家族の支援が難しい方にとって、安心して暮らすための重要なサポートです。しかし、業界を規制する法律が未整備であるため、トラブルに巻き込まれるリスクがあることも事実です。

被害を防ぐために最も重要なのは、「契約前に複数の事業者を比較する」「契約書を第三者にチェックしてもらう」「困ったら早めに公的機関に相談する」の3点です。

つながりサポートでは、身元保証サービスの選び方に関する無料相談を承っています。「どの事業者を選べばいいかわからない」「契約書の内容が不安」という方は、お気軽にご相談ください。

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