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老人ホーム入居に身元引受人は本当に必要?法的根拠・役割・いない場合の対処法【2026年最新】

投稿日/2026.03.17 更新日/2026.03.18

カテゴリー:身元保証サービス

老人ホームへの入居手続きを始めると、多くの施設で「身元引受人」や「保証人」の欄が登場します。しかし、法律を調べてみると、介護保険法・老人福祉法・社会福祉法のどこにも「身元引受人が必要」という規定はありません。

にもかかわらず、有料老人ホームの約80〜90%が入居時に身元引受人を求めているという現実があります。「保証人がいないと入れない」と断られ、入居先が見つからずに困っているケースは年々増加しており、国民生活センターへの相談件数は過去10年で4倍に達しています。

一方、2026年には社会福祉法の改正による公的サポートの制度化が進もうとしており、身元引受人をめぐる状況は大きな転換点を迎えています。

本記事では「法律の義務はないのに現場では必須」という矛盾の背景から、身元引受人の具体的な役割、施設種別による違い、いない場合の4つの対処法、費用相場、信頼できる身元保証サービスの選び方まで、データと法的根拠をもとに徹底解説します。これから入居を考えている方、親の入居を支援する子世代の方、おひとりさまで身元引受人を確保できない方にとって、必読の内容です。


目次

老人ホームが「身元引受人」を求める理由と法的根拠

法律上の義務は「ない」

まず大前提として、介護保険法・老人福祉法・社会福祉法のいずれにも、老人ホーム入居時に身元引受人を立てることを義務付ける規定は存在しません。施設が求めるのはあくまで「施設の内部規程・個別契約上の要件」です。

厚生労働省も複数回の通達で「身元保証人がいないことのみを理由に入居を拒否してはならない」との方針を示しており、2025年8月にも関連通知(介護保険最新情報vol.1409)が改正されています。

それでも施設が求める現実的な理由

法的義務がないのに9割近くの施設が求める背景には、施設側の切実なリスク管理があります。

  • 月額20〜30万円以上の利用料の未払いリスク(連帯保証がなければ回収困難)
  • 深夜・休日の急変時など緊急連絡・意思決定の窓口確保
  • 退去時の荷物引き取り・原状回復費用の責任者確保
  • 死亡時の遺体・遺品の引き取りと葬儀手配

特に有料老人ホームでは月額費用が高額なため、支払い保証の確保は経営上の死活問題です。公的施設である特別養護老人ホーム(特養)は費用の公的補完制度があるため、連帯保証を求めない場合が多い一方、緊急連絡先・身柄引受人の確保は求める施設がほとんどです。


「身元引受人」と「身元保証人」「連帯保証人」の違い

施設によって呼び方が異なり混乱しやすいため、整理しておきましょう。

用語 主な役割 費用負担
身元引受人 退去・死亡時の引き取り、緊急連絡 原則として負わない(道義的責任)
身元保証人 素行・信用の保証、行動への連帯責任 損害賠償を保証
連帯保証人 月額費用・退去費用の支払い保証 主債務者と同等の支払義務

ただし実務上、多くの施設では「身元引受人」という言葉で連帯保証を含む広い役割を求めているケースが多く、契約書で実際に何を求められているかを必ず確認することが重要です。

また2020年の民法改正により、個人が連帯保証人になる場合には責任の上限額(極度額)の書面明記が義務化されました。極度額の定めがない個人の連帯保証契約は無効となります。

施設との契約相談のイメージ

身元引受人が担う4つの役割【施設種別の違いも解説】

① 緊急連絡先・医療同意への協力

入居者の急変・救急搬送・看取り判断など、施設が速やかに連絡を取る必要がある場面で機能します。医師からの治療説明の受領・ケアプランの確認なども担います。法的な医療同意権は本人のみにありますが、実務上は身元引受人への同席・確認を求める慣行が定着しています。

② 月額利用料・退去費用の連帯保証

有料老人ホームの月額費用は一般的に15〜35万円程度。支払いが滞った場合に連帯保証人として代払いの義務を負います。退去時の原状回復費用(清掃・修繕)も含まれる場合があります。

③ 退去・転居手続きの対応

心身状況の変化による転居・入院・より重度の施設への転所の際に、手続きの窓口・判断者となります。退去時の荷物の引き取りや部屋の片付けも担います。

④ 死亡時の遺体・遺品の引き取り

入居者が死亡した際の遺体引き取り・葬儀手配・遺品整理・残存費用の精算が最終的な役割です。身元引受人がいない場合、施設は市区町村と連携して対応しますが、対応のスピード・質は自治体によって大きく異なります。

施設種別による違い

施設種別 連帯保証 緊急連絡先 保証人不要の可能性
特別養護老人ホーム(特養) 求めない場合が多い 必須 比較的高い
介護老人保健施設(老健) 求める場合あり 必須 中程度
有料老人ホーム ほぼ必須 必須 低い(保証会社でカバー)
グループホーム 求める場合が多い 必須 低い
サービス付き高齢者向け住宅 賃貸保証が主 必須 中程度
老人ホームでの安心した生活のイメージ

身元引受人がいない場合の4つの対処法

対処法① 民間の身元保証サービスを利用する

現時点で最も現実的な解決策です。NPO法人・一般社団法人・株式会社などが個人の代わりに身元保証人・身元引受人の役割を担うサービスを提供しています。施設によっては特定の提携業者との契約を案内してくれる場合もあります。

選ぶ際は後述のチェックポイントを必ず確認してください。

対処法② 成年後見制度・任意後見を組み合わせる

成年後見人は施設との連絡窓口・契約代理ができますが、連帯保証人にはなれません(利益相反のため)。ただし後見人が選任されることで「財産管理が担保されている」と判断し、連帯保証なしで受け入れる施設も増えています。

元気なうちに任意後見契約を結んでおき、身元保証サービスと組み合わせることが理想的な形です。

対処法③ 地域包括支援センター・社会福祉協議会に相談する

地域包括支援センターは施設探しの無料相談窓口として機能し、身元保証会社の紹介や成年後見制度の申請サポートも行います。社会福祉協議会の「日常生活自立支援事業」は判断能力がある方の金銭管理・書類預かりを1回1,500円程度で支援します。

対処法④ 身元保証人不要の施設を積極的に探す

「身元保証人不要」を明示している施設は増えています。ただし注意が必要なのは、多くの場合「提携する身元保証会社との契約が条件」となっているケースがある点です。実質的には別の形での保証人確保を求められる場合があるため、必ず事前に詳細を確認しましょう。

身元保証サービスの相談イメージ

民間身元保証サービスの費用相場(2025〜2026年版)

国民生活センターの調査によると、身元保証等高齢者サポートサービスの契約購入金額の平均は約147万円です。費用の内訳は以下の通りです。

費用項目 相場 備考
入会金・初期費用 1万〜15万円 返金不可の場合が多い
事務管理費(一時金) 15万〜50万円 契約時に一括支払い
預託金(返還型) 20万〜60万円 解約時の返金条件を必ず確認
月額費用 0〜1.5万円/月 日常生活支援の有無による
総額の目安 50万〜150万円 サービス範囲による

費用の形態には「預託金型」「月額型」「パッケージ型」があります。一時払いで高額になる預託金型は、解約時の返金ルールが不明確なケースが多く、トラブルの原因になりやすいため特に注意が必要です。


急増するトラブル事例と悪質業者への注意

国民生活センターへの身元保証等高齢者サポートサービス関連の相談件数は2023年度に354件と、過去10年で4倍に増加しています。主なトラブルパターンは以下の通りです。

  • 「これ以外の費用はかからない」と説明されたにもかかわらず、都度追加請求が発生した
  • 解約しようとしたら「半分しか返せない」と返金を拒否された
  • 緊急時に連絡が取れず、実際のサポートが機能しなかった
  • 身元保証だけのつもりが、日常生活支援・死後事務まで次々と加入させられた
  • 認知症が進行した後に多額の契約が結ばれていた

信頼できる事業者を選ぶ5つのチェックポイント

  • 2024年政府ガイドラインへの準拠を明示し、重要事項説明書を交付しているか
  • 預託金が事業運営資金と分別管理(第三者機関への信託等)されているか
  • 解約時の返金額・手続きが契約書に明記されているか
  • 財産の遺贈・寄附を契約条件とすることを求めていないか(ガイドライン禁止事項)
  • 弁護士・司法書士など士業が関与する組織体制か

施設見学・契約時に確認すべき7つのポイント

身元引受人に関して施設との間でトラブルが起きないよう、契約前に必ず確認しておきましょう。

  • 身元引受人に求める役割・責任範囲が契約書に具体的に明記されているか
  • 連帯保証の上限額(極度額)が設定・明記されているか(2020年民法改正で個人保証は必須)
  • 「身元保証人不要」と言いながら、提携保証会社との契約を実質的に強制していないか
  • 身元引受人の年齢・収入などの資力要件が明示されているか
  • 引受人が高齢化・死亡した場合の施設側の対応方針が明確か
  • 民間の身元保証サービス会社を身元引受人として認めているか
  • 緊急連絡先と連帯保証人を別々の人物で対応できるか

2024〜2026年:制度が大きく動いている

2024年6月:政府9省庁によるガイドライン策定

内閣官房を中心とした政府9府省庁が「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を策定・公表しました。重要事項説明書の作成・交付、預託金管理の透明化、解約条件の明確化などを求めています。

ただし法的拘束力はなく、ガイドライン策定時点で重要事項説明書を作成している事業者は全体のわずか21%にとどまっているのが現実です。

2026年:社会福祉法改正案が通常国会に提出予定

2025年12月、厚生労働省の審議会部会が「身寄りのない高齢者への支援を第2種社会福祉事業として社会福祉法に位置付ける」報告書案を了承。2026年通常国会に社会福祉法等の改正案が提出される予定です。

改正が実現すれば、社会福祉協議会・NPO法人などが公的な身元保証サービスを提供し、低所得者は無料または低額で利用できる仕組みが整備されます。老人ホーム入居における身元引受人問題は、まさに今、解決に向けて大きく動き出しています。


老人ホーム探しと身元引受人の準備を同時に進める手順

老人ホームへの入居は「施設を探す」「入居手続きをする」「費用を準備する」という複数のプロセスが同時進行します。身元引受人の準備も含めて、以下のステップで進めると混乱せずに対応できます。

ステップ1:施設の種類と身元引受人の要件を同時に調べる

施設探しを始める段階から「身元引受人の要件」も並行して確認しましょう。問い合わせの際に「身元保証人・身元引受人について、どのような方を対象としていますか?民間の身元保証サービス会社でも対応できますか?」と確認することが重要です。この一言で施設の柔軟性・考え方が把握できます。

ステップ2:身元引受人を依頼できる人がいるか確認する

子・兄弟姉妹などの親族に依頼できる場合、以下の点を確認しておきましょう。

  • 候補者の年齢・健康状態(高齢者同士の「老老保証」リスクがないか)
  • 緊急時に対応できる距離・体力・時間的余裕があるか
  • 月額費用(20〜35万円程度)の連帯保証に対応できる経済力があるか
  • 本人がその役割を引き受けることに同意しているか(事前の十分な話し合いが必須)

ステップ3:民間身元保証サービスを並行して検討する

家族に頼める場合でも、「バックアップとして民間サービスも契約しておく」という選択肢が近年増えています。家族が高齢化・遠方在住・健康問題を抱えている場合は特に有効です。複数のサービスを比較し、無料相談を受けた上で判断しましょう。

ステップ4:任意後見契約・死後事務委任契約と同時に準備する

老人ホームへの入居を機に、判断能力が低下した後の「任意後見契約」と、亡くなった後の「死後事務委任契約」も同時に準備することをおすすめします。この3つをセットで備えることで、老人ホームでの生活から死後の手続きまで「誰かに頼める環境」が整います。


「身元引受人なしで入居できた」実際のケースと条件

身元引受人がいない状態で老人ホームへの入居を実現した方には、いくつかの共通するパターンがあります。

ケース1:民間身元保証サービスと提携した施設を選んだ

身元保証会社と施設が事前に提携しており、入居者は保証会社と契約するだけで入居できたケースです。施設側にとっても身元保証会社が対応してくれることで安心感があり、この形式の受け入れが急増しています。

ケース2:成年後見人の選任で対応した

認知症が進行し判断能力が低下した方のケースで、家庭裁判所が成年後見人を選任。後見人が施設との連絡窓口・契約対応を担い、費用は本人の財産から支払われる形で入居できました。後見人は連帯保証はできませんが、財産管理が担保されることで受け入れた施設の事例です。

ケース3:市区町村・地域包括支援センターの支援を受けた

特別養護老人ホームへの入居で、地域包括支援センターが施設との間に入り調整。身寄りのない高齢者の受け入れに積極的な特養を紹介・マッチングし、入居を実現したケースです。特養は公的性格が強いため、このような対応が比較的取りやすい施設です。


よくある質問(FAQ)

Q. 特別養護老人ホームにも身元引受人は必要ですか?

特養は連帯保証を求めない場合が多く、費用の公的補完制度(生活保護など)も充実しています。ただし緊急連絡先と身柄引受人の確保は求める施設がほとんどです。身元保証サービスを利用することで対応できます。

Q. 成年後見人がいれば身元引受人は不要ですか?

成年後見人は連帯保証ができないため、代替にはなりません。ただし後見人の選任により財産管理が担保されるとして、保証なしで受け入れる施設も増えています。身元保証サービスと任意後見契約のセット利用が最も安心です。

Q. 身元引受人の変更はできますか?

できます。身元引受人が高齢化・死亡・病気になった場合は施設に速やかに連絡し、変更手続きを行いましょう。変更が困難な場合は、民間の身元保証サービスへの切り替えを施設に相談することが有効です。

Q. 子どもがいますが遠方に住んでいます。保証人になれますか?

遠方でも保証人にはなれますが、緊急時の対応が難しいケースがあります。施設によっては「同居・近居」を条件とする場合もあります。遠方の子どもを保証人にしつつ、緊急対応は地元の身元保証サービスに委託するという組み合わせも有効です。


まとめ:「法律上不要でも現実には必要」に備える方法

老人ホームの身元引受人は、法律上の義務はありませんが、現実の入居手続きでは約9割の施設が求めています。「法律と現実のギャップ」は依然として大きく、身元引受人のいない方が入居できない状況が続いています。

この問題に対する現実的な解決策を優先順位順に整理すると、以下のようになります。

  • 今すぐできること:地域包括支援センターに無料相談し、対応可能な施設と身元保証サービスの情報を入手する
  • 中期的に準備すること:民間の身元保証サービスを複数比較・検討し、2024年政府ガイドラインへの準拠・預託金の分別管理・解約条件の明確化を確認した上で契約する
  • 長期的に備えること:任意後見契約・死後事務委任契約と合わせて「老後の安心をセットで準備する」ことで、入居から死後まで一貫したサポートが得られる

2026年の社会福祉法改正に向けて公的なサポート体制の整備が進んでいます。しかし制度が整備されるまでの間も、待っているだけでは何も変わりません。元気で判断能力がある今のうちに動き出すことが、自分らしい老後を守る最善の方法です。

つながりサポートでは、老人ホーム入居に向けた身元保証サービスの無料相談を承っています。「どの施設なら入れるか」「費用はどのくらいかかるか」「何から準備すればいいか」など、どんな疑問でもお気軽にご相談ください。

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